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エキドナとテュポンの子。牡猪の怪物 |
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ミノスとパシパエの娘。テセウスとの間に、デモポンとアカマスを生む。兄妹であるデウカリオンはテセウスと同盟を結び、妹であるパイドラを妻として贈った。 結婚後、パイドラはヒッポリュトスという青年に恋心を抱く。しかし、ヒッポリュトスはテセウスがアマゾンの女王に生ませた息子だった。パイドラに恋を打ち明けられたヒッポリュトスは、何も答えることが出来ず狼狽えるだけだった。 それを見たパイドラは、テセウスにヒッポリュトスが自分を誘惑したと嘘を付き、自殺。ヒッポリュトスもテセウスに殺されてしまった。 |
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ヘリオスとネアイラの間に生まれた3人娘のひとり。ヘリオスが飼っていた羊や牛の世話をして暮らしたという。 |
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1. 太陽神ヘリオスとクリュメネの息子 輝くものの意 人間たちのなかで育った少年は、父が太陽神である事を友人達に証明しようとした。 「本当の父親は誰なの?」 母クリュメネに問うと、彼女はこう言った。 「東の果ての宮居に行って、自分で確かめなさい」 宮殿についたパエトンは太陽神ヘリオスに問う。 「貴方は本当に私の父親ですか?」 太陽神ヘリオスは父であることを認めこう言った。 「その証拠に願いを叶えてやろう」 パエトンは願った。 「では天空を駆け上がる日輪馬車を一日だけ御したい」 「お前にはあの戦車を御するのは無理だ」 と制したヘリオスだが、パエトンの意志は固く、やむなくヘリオスは願いを聞き入れてしまった。 父にあらゆる注意をされて送り出され、天空に駆け上がったパエトンであったが、馬を御す力量の不足した車駕のコースは高過ぎて地を凍えさせ、近過ぎてリュビエ人の肌を焦がし、サハラの地を干上がらせ、天空を焦がしてしまう。そして数々の怪物が戦車を襲うので、 怖くなったパエトンは手綱を離してしまった。御する者のいなくなった戦車は地に近づき、山を噴火させ、草木を刈らし、町を炎で焦がした。 その破壊の様子を見ていたゼウスは雨を降らせようとしたが、あまりにもの熱の暑さに雲は現れなかった。ゼウスは仕方がなく、雷器ケラウノスをパエトンに放ち、彼を御者の席から放り出した。 炎を曳いてヒュペルボレアスのエリダノス河に墜落した彼の亡骸はエリダノスに受け止められて墓が建てられた。落下してくる様子を見ていたパエトンの姉妹ヘリアデス達は、嘆き悲しみやがてポプラの木になり、その涙は河に落ち琥珀となった。 * 海神ネレウスの一人息子ネリテスがパエトンの分身とも言われる。 * その後、ゼウスは地の炎を鎮めるために、洪水を起こしたとも言われる。 * パエトンは太陽神の息子という設定から、アポロンの息子という説もある。 2. 輝かしき馬。エオスの戦車を引く。 |
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輝く女・輝かしい神女 の意。 |
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ローマの平和の女神。オリーブの葉、豊饒の角、月桂樹、槍等で身を飾った姿で描かれる。 元々はギリシャの平和の女神エイレーネーをラテン語名に置き換えたものであったが、ギリシアとは異なりパクス・デウキス(神々の平和)の象徴たる抽象的神性として信仰された。その後のローマの拡大に伴い、象徴するものはパクス・ロマーナ(ローマの平和)に変化したが、その抽象性格は変わらず、あくまで具象化された「平和」として扱われるに留まった。 パクスは紀元前44年以降から度々ローマの貨幣に描かれ、紀元45年にはウェスパシアヌス帝により壮麗な神殿が建設されているが、シンボル的な扱いであることには変わりなく、アウグストゥス帝による有名な『平和(パクス)の祭壇』(紀元前13年建立決議、紀元前9年完成)はあくまで(ローマの)「平和」そのものを祝福するためのものであった。 |
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クレタ島のミノス王の妻。ゼウスが贈った牡牛に恋をしてしまう。ダイダロスは彼女の為に牝牛の張りぼてを作ってやり、パシパエはそれを使い牡牛と交わることが出来た。その間に出来た子供が、ミノタウロスである。 |
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湖に住むニンフの一人。オイバロスとの間に、テュンダレオス、ヒッポコオン、イカリオス生む。オイバロスの妻は、ゴルゴポネという説もある。 |
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テウクロスの娘。ダルダノスと結婚し、エリクトニオスを生む。いずれも、トロイアの建国神話。 |
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(ローマ名 ディスDis ・英 プルート/プルトン Pluto) クロノスとレアの長男。最高神ゼウスやヘラの兄 ゼウス・カタクトニオス。ローマ名はアイデス・プルート。 彼の国は民が絶え間無く訪れ、埋蔵資源が豊富なことから、プルートーン(富者)とも呼ばれた。運命と正義の力をコントロールしているとされ、草木・穀物・鉱物・湧き水はこの神の恵みと言われていた。 ゼウスでさえ干渉できない独立した地下帝国(冥界)の王。 語源は「眼に見えぬ者、盲目」を意味するアイデス。地表下の神を示唆する(英語のhide)。その名のとおり、世界の西の果ての地下にある冥界「ハデスの館」を住処とし、オリュンパスなど天上の神々の集まる場所には滅多にやってこない。よってオリュンポス宮の12神に名を連ねていない。 その姿は恐ろしく威容を放っているが、決して人間の敵ではなく、死んで明海に降りていった死者の魂を裁いて、正しい行いは正当に評価し、罪を犯した者については厳粛に罰するだけである。同時に富を与える神でもあり、死神でも魔王でもなく、后ペルセポネと共に彼自身の国を誠実に治めた。 隠れ兜(烏帽子)アイドス・キュネーを持ち、かたわらに3つ頭の猛犬ケルベロスを従えている。 ハデスの家の前庭には、地上からさらってきた妻ペルセポネを喜ばせるため、少しでも地上に近い環境を作ろうと植えさせたポプラと柳の並木がある。この並木の脇には、沈んだ太陽を迎える為の門と、夢が住む国が隣接している。 この庭には「白い岩」の目印があり、地上を流れる2本の川が交わっている。ここを通り抜けると「アスフォルデの原」と呼ばれる平らで砂に覆われた何もない土地があり、死者達が色も香りもない環境の中で生活している。 そこでの暮らしは単調で無味乾燥なもので、死者はだいたい生前と同じ職業につくといわれる。しかし、数こそ少ないが選ばれし魂と肉体達はアスフォルデルの原に定住することなく、ラダマンティスが支配する楽園に移される。 ここではすべてが美しく素晴らしい魅力に包まれていて、永遠に楽しい生活が送れるのだ。 また、ラダマンティスやホラースといったハデスの部下達は、死者の魂を裁いたり、冥界で起こった諍いやもめ事を調停して、ハデスの統治を助けている。 死者達は死んで冥界にやってくると、まず川の岸辺にやってくる。そして川を渡るか水を飲むかすると、 生前の世界で起こったネモシン(記憶)がなくなり、全て忘れてしまう。 そして、カロンという寡黙な老人の渡し守に賃金を払い、その川を渡る。(そのために、古代ギリシア人は死者を葬る際、死者の口の中に必ず船賃のコインを入れていた。) ハデスは、こうしてやってきた死者達を冥界に迎え入れ、彼等が再び生まれ変わってこの世に戻っていくまで、館の中にとどめて面倒をみてやっていた。 しかし、日の光を見る事がほとんどなかった彼は、地下の世界に君臨しながらも普段の人々の生活に影響を与える事はなく、オリュンパスの神々からはほとんど無視され、人間から崇められる事もなく、寂しく孤独な神樣である。 冥界王ハデスの支配する死の国はキリスト教等の地獄とは異なる。 ギリシャ神話においては殆どの死者がハデスの国(アスポデロス)に行き、人を罰する為の地獄は存在しない。 *神々に愛された英雄達が、死後行くと言われたエリシオンの野があるが、ここは冥界とは異なる。 エリシオンの野に行くことが出来た英雄はカドモスと数人のみだった。 * ハデスと妻ペルセポネ 参照 |
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ローマ神話。果樹を司る女神 |
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メリケルテスの死後、海の神となった名前。 アルゴ船に乗船した一人 ヘパイストスの息子。 |
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トリトンの娘パラス アテナがまだ幼少の頃、この2人は共に育てられた。 だが、ある時けんかをしてパラスがアテナを殴ろうとしたとき、天上より見ていたアテナの父親であるゼウスが、アイギスの盾をパラスの前に差し出した。 驚いたパラスの一瞬をつき、アテナがパラスを叩き殺してしまった。 アテナは悲しみ、自ら木を彫り像を制作しゼウスの側に安置した。 このパラディオン神像は左手に竿を持ち、右手に槍を持つが、ゼウスはこの神像が邪魔になり、天上から落としてしまう。 神像が落ちた地は後にトロイア市が建設される。 ガイアの子、パラース クロノスがウラノスの性器を切り落した際、こぼれた血の滴が大地に滴りガイアの中に入り生まれた。 クレイオスとエウリュビアの息子 ステュクスとの間に、クラトス、ビア、ゼロス、ニケを生む。一説には、セレネの父でもある。ティタン神族の一人。 ギガス オリュムポスとの戦いで、アテナに殺される。アテナはその皮を剥ぎ、自分の防具を作った。 アテナイの王パンディオンの息子 義理の兄であるアイゲウスの片腕として活躍するが、後に決別する。パラスには50人の息子がいたが、テセウスに殺された。 |
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不毛の海ポントスとガイアの子。海の3女神 |
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プリアモスとヘカベの子 トロイア戦争の発端を生んだ若者 アキレウスを討った英雄 別名 アレクサンドロス パリスはトロイアの次男として生を受けるが、妊娠中のヘカベがトロイアが全焼する夢を見たことを不吉に思ったプリアモスの手により山中に捨てられてしまう。しかし運良く羊飼いに拾われてパリスと名付けられた。 青年になりトロイアの競技大会に参加した彼は全ての競技において優勝する。 それを快く思わない王子達は彼を殺害しようとしたが、パリスの顔を見たカサンドラ王女が、昔捨てた赤子であると見抜き両親に告げた。両親はパリスを歓迎する。 その頃、テティスとペレウスの結婚式が行われ、そこでパリスを表舞台へと立たせる事になる黄金のりんご事件が起きる。 * パリスの審判とトロイア戦争 参照 |
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ポセイドンと、ニンフの一人エウリュテの息子。アテナイでアルキッペを犯し(または未遂)、激怒した父のアレスに殺される。アレスは神々の裁判に掛けられたが、無罪となった。 別の神話では、彼は父の命令で、アテナの神木であるオリーブの木に登り、足を滑らせて死んでしまったという。 |
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眠りの王国 参照 |
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トラキア王ハルパリュコスの娘 父の死後、娘は野盗になった クリュメノスの王。 アラストルと結婚するが、父親に犯されてしまう。一説によれば、彼女は追いかける父親から逃げるためにフクロウになってしまったという。 |
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ハデスの伝令者 タウマースとエレクトラの娘達。老婆の顔と、鷲の翼、爪を持つ怪鳥。 アルゴー探検隊神話に於いてサルミュデッソス国の王ピネウスを苦しめた怪鳥である。 |
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調和の女神。アレスとアフロディテの末娘で、兄弟は、エロスとアンテロス、ディモス(恐怖)、ポボス(敗走)。 カドモスの妻。アフロディテとアレス との不倫で出来た子供。当然、夫であるヘパイストスの怒りを買い、災厄のネックレスを贈られる。その後、テバイ王家は数々の災難が訪れる。 |
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ローマ神話。家畜や牧場を司る女神。 |
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快楽と宴を支配する森の神。牧人と家畜の神。 パニックの語源 アルカディアの野に住む 上半身が人間、下半身が山羊。 キリスト教においてのサタンの原形(悪の具現化でなく好色な為) ギリシャのドリュオブス王の娘ドリュオベスとヘルメスの息子、豊穣の神。 陽気で活動的だが、反面怒りっぽい性格だった。 彼は神や人間に恐怖を与えることができ、ゼウスとティターンの戦中に、 巻き貝の笛を吹き混乱に落とした。 この神は好色で、エリフや仲間のサチュロス達を野山で追いかけまわしていたプレーボーイ。 パンに追いかけられた1人のニンフ、シュリンクスは川辺の葦に変身した。パンは彼女を探しながら、葦を一本折り葦笛を作る。その後このシュリンクスの笛を吹きながらニンフ達と遊んだ。オリンポスの山に神々が集まると、パンの葦笛をもてはやしながら祝宴が開かれていた。 ある日祝宴に、頭が百あり口から火を吹く怪物テュポンが乱入し、神々は逃げた。ところが羊飼いの神パーンは酒を飲み過ぎて逃げることが出来ず,川に飛び込んで咄嗟に魚に変身しようとしたが浅瀬だったため、下半身は魚に変身したが上半身は山羊のままになってしまった。その奇妙な姿が面白いので神々が喜んで山羊座に上げたのだといわれている。 * 山羊座 参照 |
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ヒュプノスとアグライアの子。夢一族男神7柱のひとり。仮像者 |
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アテナイの第六代の王 エリクトニオスとプラクシテアの息子。プラクシテアの姉妹であるゼウクシッペと結婚し、エレクテウスとブテスという息子。プロクネとピロメラという娘を生む。 伝説では、その治世の間にテバイと戦争がおこった。彼はトラキアの王であるテレウスに援軍を要請し、娘であるプロクネを妻として与えている。また、ディオニュソスとデメテルがアッテイカに訪れ、以降アッテイカで崇拝されるようになった。 エレクテウスがその王位を継承する。 ケクロプスとメディアウサの息子 上記のパンディオンの曾孫にあたる。王位を継承しアテナイの王になるが、メティオンの息子達によって王位を追われる。逃亡先のメガラで、ピュリアと出会い結婚し、アイゲウス、パラス、リュコス、ニコスを生む。 ピュリアの父であるピュラスはビアスを殺害し、国を追われ事になり、パンディオンはメガラの王となった。ニコスがその王位を継ぐ。 |
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pan(thes)「全て(の神)」doron「贈物」より、「全て(の神)からの贈物たる」女と称される最初の神造人間。 プロメテウスが造反してヒトに火を与えた事に激怒したゼウスの勅命で、匠神ヘパイストスが捏ねあげたパルテノス像に声と力を打ち込み、アテナが銀白の衣を装わせ帯をし、頭にヴェールを垂らせ、ヘパイストス謹製の金の冠を載せた。 アプロディテが雅びと憧憬と物思いを与え、最後にヘルメスが恥知らずな心と狡猾な気立を与えた。姿は女神の姿とアフロディテの魅力を与えられた。 ゼウスはヘルメスに命じプロメテウスの兄弟のエピメテウスの女として連れていくよう命じる。プロメテウスと異なりエピメテウスには知恵が無い為パンドラを嫁として受け取る。 パンドラは、結婚のお祝にゼウスから「決して開けてはならない」と贈られた箱の中身が、どうしても気になってたまらなくなってしまい、好奇心からそれを開けてしまう。すると、中より貧困、病気、犯罪、苦労等の災いが逃げだし驚いたパンドラはすぐに箱の蓋を閉めるが、時すでに遅く最後に「希望」だけを残し全ては人間界に蔓延することとなった。 それ以来人間は希望のみを持ち、あらゆる災難と戦わなくてはならなくなった。 * 後に「パンドラの箱」として知られるようになった。 中にはあらゆる災厄が入っていてパンドラが好奇心から開けてしまった箱。最後に希望が残ったと言われているが、真実は「未来の出来事がすべてわかってしまう」という災厄である。未来の出来事(幸も不幸も)がわからないから人々は希望をもって生きていけると言う事から曲がった解釈が生まれたと言われている。 * 他の説で、パンドラはゼウスの好意で、人間の誕生を祝福するために贈られたという話もあるが、記した神話の方が一般的と思われる。 * 人間の始まりとパンドラの箱 参照 |
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エレクテウスとプラクシテアの息子。兄弟に、ケクロプス、メティオン、テスピオス、シキュオン、エウパラモス、オルネウス。姉妹に、プロクリス、オレイテュイア、クトニア、クレウサがいる。 メティオンと組み、クストスを国外に追放した。 |
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ケクロプスとアグラウロスの娘。姉妹に、アグラウロス、ヘルセ。兄弟にエリュシクトンがいる。その名は「露に濡れた」という意味。ヘルセと共に、見てはならないエリクトニオスを箱を開け見てしまったために、気が狂ってアクロポリスの山頂から身を投げてしまった(生き延びたという伝説もある)。やがて、その地にはアクロポリスが立ち、そこで崇拝された。アテナのオリーヴの木が、その神殿の中に植えられたという。 |
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