Greece Rome Myth - ギリシア・ローマ神話 - ▲ 
パリスの審判とトロイア戦争

「オリュンパスの中で一番美しいのはだぁれ?」
トロイア戦争は、こんなちょっとしたきっかけで始まった!!
神々と人間達が入り乱れた戦いの行方は・・・?


この話は、ゼウスとポサイドンが海のニンフ、テティスに恋をしたところから始まる。
ゼウスとポサイドンはテティスに恋をした。しかし、テティスにはある神託があった。それは「テティスの息子は、その父をしのぐものとなる」というものだった。2神はこれにより、テティスを立派な体の持ち主の人間の王ペレウスと結婚させることにした。

そして、2人の結婚式は盛大に行われた。披露宴は盛大でオリュンパスの神々も皆招かれたが、ただ1人、諍いの女神エリスだけが招かれなかった。
これに気付いたエリスは大いに腹を立て、突如として披露宴の会場に出掛けると、アテネ、ヘラ、アプロディーテの3人の前に黄金の林檎を投げ入れると、 こう言い放った。
「この林檎はこの中で一番美しい神のものよ!」
さて色めきたったのはオリュンパスの3大美女、ヘラ、アテナ、アフロディテだった。 誰もが、自分が一番美しいと信じて疑わない。

そうして、最も美しい者を決めることになり、これに困った男神たちは、名案を思いついた。自分達で決めないで、誰か人間に決めさせよう。
ゼウスはこの決定をトロイアの皇子パリスに委ねた。気の毒にも白羽の矢を立てられたのはトロイアの王子で羊飼いのパリスだった。どうしてパリスになったかという理由は特になく、彼にとってははた迷惑な話だったに違いない。

3人の女神達は、こぞってパリスの元に赴いた。 選んでくれたあかつきには、ヘラは地上での最高の権力を、アテナはすべての戦いに勝利できる賢さとと強さを、 最後にアフロディテがこの世で最も美しい人間の女を与える、と、それぞれ約束した。

パリスは色々考えたのち、やはり自分の感性に忠実でなければ、と決断し、 美の女神アフロディテが一番美しいという結論を出した。

パリスの審判に気をよくしたアフロディテは、約束通りパリスに一番美しい人間の女を与えることにした。その女とは、ゼウスと人間の娘のヘレナだったのだが、これには困った問題があった、というのも、ヘレナはすでにスパルタの王メネラオスと結婚していたのである。

しかし女神たるもの、約束を反故にするわけにはいかない。
アフロディテはお供に英雄アイネイアスを連れ、パリスをスパルタに訪問させた。

何も知らないメネラオスは、心から2人を歓迎し、手厚くもてなした。そして、2人を城に残したまま、しばらくの間、留守をすることになった。

いよいよチャンス到来。パリスはアフロディテの力を借りてヘレナをすっかり自分の虜にしてしまった。そして、城中の財宝という財宝をすべて船に積み込むと、ヘレナと手に手を取り合ってトロイアに帰っていった。

城に帰ってきたメネラオスがみたのは、ひどい有り様になってもぬけのカラの我が家であった。メネラオスは激怒し、兄アガメムノンに相談する。じき メネラオスを助けに英雄たちが集まり、連合軍を組織すると、大軍を率いてトロイアに攻め込んだ。

こうして始まったギリシア軍VSトロイア軍の戦争は長引いた。どちらも選り抜きの勇者揃いのエリート集団であり、ギリシア軍には不死身の英雄アキレウスが、一方トロイア軍にはヘクトルがいて、陣頭指揮をとりながら果敢に戦った。

オリュンパスの神々もそれぞれひいきの側についた。 アフロディテに破れたヘラとアテナはギリシア側に、アフロディテやアポロンなどはトロイア側に、 拮抗した力のせめぎ合いが続き、10年があっという間に過ぎ去った。

しかし最後に膠着状態にピリオドを打ったのが、アテナの入れ知恵でギリシア軍が作った「トロイアの木馬」 である。この木馬はエペイオスという男に作らせた巨大な木製の馬だった。 ギリシアの参謀オデュッセウスは木馬の中に生え抜きの戦死達を何人も潜ませると、 これだけをトロイアに残し、残りの陣営を全員船に引き上げさせ、沖まで船を出した。 そして、船がトロイアから見えないところまでくると、ギリシア軍はそこで錨を下ろした。

トロイア軍は、ギリシア軍が撤退して国に戻ったのだ、と、すっかり思い込んだ。 武装を解くと、木馬の回りで勝利に酔って大騒ぎを繰り広げた。
宴会は朝まで続き、疲れてみな寝静まったころに、木馬に潜んでいたギリシア兵士達は、 いっせいに外に出ると、城に突入し、街中に火をつけ、トロイア軍を皆殺しにしてしまったという。

このトロイア戦争のエピソードには、沢山の英雄達が登場する。

アキレウスはギリシア軍きっての英雄で、冥府の泉の水を浴びて不死身になったとされるが、 泉の水をかけ忘れた唯一の部分、足に(アキレス腱)矢を受けて死んでしまう。

そもそもの発端、メネラオスは、無事妻を取り戻し、船が漂流してエジプトに流れ着き、 8年目にやっとスパルタに帰ることができた。
しかし兄アガメムノンは、帰国するやいなや妻と妻の愛人に殺されてしまう。

トロイアの木馬作戦の指揮者だった英雄オデュッセウスは、帰途中に兵士も船もすべて失い、 さまざまな苦労を重ねながら10年もの放浪生活を続けた。 留守を守っていた妻のペネロペには多くの求婚者が現れ、虎視眈々とオデュッセウスの後釜を狙っていた。 しかし何とか無事故郷に辿り着いたオデュッセウスは、立派に成人していた息子テレマコスの力を借り、 イタカ王の位を取り戻すことができた。

一方、トロイア側でただひとり生き残ったアイネイアスが、 すべてを失ったもののイタリアまで逃げ延びて新しい王国を作った。
この王国は、彼の子孫の力により、のちのローマ帝国に発展することになる。 そして後代、ローマ人はギリシアを征服。

トロイア戦争では負けたものの、最後に勝利したのは、彼らの末裔だったのである。

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▲  メネラオスを助けに英雄たちが集まったのは何故か?

それはヘレネーがメネラオスと結婚する前、オデュッセウスが提案した一つの誓いによるものだった。ヘレネーは世界一の美女だったため、多くの求婚者がいた。ある日、オデュッセウスはそんな求婚者たちに、次のような誓いをさせる。「たとえ誰がなろうと、ヘレネーの夫に味方し、ヘレネーをその夫から奪おうとするものに共に立ち向かおう」と。それによりこの時、多くの英雄が集まったのだった。しかし、神託によると「ペレウスとテティスの子の力を借りなければ、我々だけで行ったのでは勝ち目はない」という結果が出た。そこで、オデュッセウスはペレウスとテティスの子アキレウスを探した。アキレウスに対してはこんな神託があった。それは「偉大な英雄となり、早死にする」というものだった。そのため、アキレウスは女装させられていたが、オデュッセウスはこれを見破り、彼を共に戦場へと連れていった。