ペイラ - Peira -

ヘリオスとクリュメネの7人の娘達のひとり。
ペイリトオス - Pirithous -

イクシオンとディアの息子。ゼウスの子という説もある。イクシオンの王位を継ぎ、テッサリアの王となる。ヒッポダメイアと結婚し、ポリュポイテスを生む。

王となってすぐ、ケンタウロス族との内紛を鎮圧した。またテセウスの名声を聞き、彼を試すうちに二人は友情を誓うほどの仲になったという。二人は、カリュドンの猪狩り、アルゴ船の冒険、アマゾンの攻略に参加した。

やがて時が流れ、ヒッポダメイアとテセウスの妻であるパイドラが死ぬと、二人は新しい結婚相手を捜すようになった。テセウスは、ゼウスの娘であるヘレネに一目惚れし、スパルタから連れ去るのに、ペイリトオスは協力した。

ペイリトオスが選んだのは、ペルセポネだった。彼女を手に入れるために、二人はステュクス河を下り、ケルベロスをやり過ごし、冥界に降り立った。そして、その夫であるハデスにペルセポネを要求したのである。ハデスに勧められた椅子に座ると、二人はそのまま動けなり、捕らえられてしまった。

その後、ヘラクレスがテセウスを解放するが、ペイリトオスは地震に巻き込まれ、命を落としてしまった。

ペガサス - Pegasus -

白馬で黄金の翼を持つ天馬
ゼウスの愛馬

ペルセウスに退治されたメドゥーサの首から流れ落ちた血から生まれた馬。生まれてすぐオリンポスに行き大神ゼウスの雷薙を運ぶ役目をするようになった。彼のひずめで岩を一撃するとヒッポクローネの泉が湧き出たと言われ、各地にあると言われる。 その名前中の、ギリシア語「ペゲ」は「泉、湧水」という意味。ムーサイ山や、トロイゼンの近くに泉を沸き出させた。

ペルセウスとアンドロメダを乗せ帰り、アテナに捧げられた。その後も、泉で水を飲んでいた時にベレロポンに見つかり、彼に力を貸している。ペガソスの力を借りたベレロポンは、キマイラやアマゾネスを退治する事に成功した。

死後、ペガソスは天に昇り「ペガスス座」になった。ペガスス座は、一部をアンドロメダ座と共有している。

ヘカテ - Hecate -

小アジア南部カリアで崇拝された地母神。天、空、地を支配する女神であった。
ギリシアに渡ってからは、冥界を支配する女神となる。全ての魔女を束ねる力を持つ。

ティタン族の出身でアステリアとペルセスの娘
ヘシオドスによる。一説には、コイオスとポイべの娘ともいわれる。また父親はゼウス自身とも、母親はデメテルと結びつける説もある。

ゼウスさえも一目置く存在で、天、地、海を支配する力を持っていた。人間に恩恵をもたらす女神としても崇拝されたが、次第にその地母神的性質から、冥界と関係が深い女神へと変遷していってしまう。月を象徴し、魔術を司る女神としてしばしば様々な動物に変化した。

メディアは、コルキスとコリントで2度も彼女を召喚している。「三重のヘカテ」とも呼ばれ、魔術が行われるという三叉路や十字路に出現するといわれた。彫刻や絵画では、3つの顔、3つの体を持ち、手には松明を持った姿で表されている。アルテミスやセレネと同一視された。ローマでは、岐路の女神トリヴィアとも同一視されている。

名の意味は、「遠くまで力を及ぼす」

* ヨーロッパの三叉路にある、3面の顔を持つ像がヘカテである。

ヘカトンケイル - Hekatoncheir -

大地母神ガイアと天空神ウラノスの3人の子(アイガイオン・ギュエース・コットス)の巨人達。「百の手を持つ者」という意味。50の頭と100本の腕を持つ。ウラノスは彼らを恐れ、タルタロス(冥界)の底に放り込んでしまう。それに激怒したガイアは、クロノスを殺す計画を練り始めるのである。
ヘカベ - Hecabe -

トロイア国の王妃

トロイアに攻め込んだギリシア軍は、ネオプトレモスの手によって国王プリアモスと王子ポリテスがヘカベの目の前で殺された。ケルソネソス国ポリュメストル王に預けておいた末子も王の裏切りの為殺され、プリアモスの血筋は絶たれる。
ヘカベは戦利品としてオデュッセウスに与えられたが、彼の元にいても悲しみにある彼女は、オデュッセウスに懇願してポリュメストルと会わせて欲しいと願う。
了解した彼は、王と王子をトロイアに呼びだした。
ヘカベは2人の王子の目をえぐり、王と子達の復讐の代わりとしたという。

ヘクトル - Hector/Hektor -

トロイ王プリアモスの王子、トロイ戦争の火種となったパリスの兄、トロイア軍の総大将

パリスがヘレネを誘拐したことで、ヘクトルはパリスに、ヘレネをギリシアに返すように忠告するが無視される。
しかたなく国の為に戦場に行った彼は、トロイア側の応援のアポロン、ギリシア側のアテナに翻弄される。

両神は相談し、ヘクトルとアイオスを一騎討ちさせようと相談。その事を弟である予言者ヘレノスから聞いたヘクトルは戦いに出たが、2人は3日3晩戦い決着が着かないので引き分け、更にアキレウスの親友パトロクロスを討ち取り武具を剥ぎ取り自信の身につけ暴れ廻った。

天上から様子を見ていたゼウスはこのままでは決着が着かないと全ての神々の関与を禁止した。

これによりトロイア軍ヘクトルは次々とギリシア軍の英雄を薙ぎ倒していくが、ゼウスがトロイアを応援するのでギリシアを応援しているヘラはアフロディテの所へ行き魅惑の帯を借り、ゼウスの視線を戦場から外させることに成功した。

城内からは父王プリアモス、母ヘカベの呼ぶ声がするが、ヘクトルは城内に逃げ込むことなく正々堂々とアキレウスとの一騎打ちに挑む。しかし相手がギリシャ第一の勇志アキレウスではどうしようもなく、ヘクトルはついに討ち取られてしまい、揚げ句の果て城兵の前で何日も引き回されるが、愛と美の女神アフロディテの加護を受けたヘクトルの屍は痛むことなく、城内の妻アンドロマケのもとへ送り届けられた。ヘクトルが死んだことにより、トロイアは劣勢となっていき終に落ちた。

ペゲウス - Phegeus -

アルカディア、プソピスの王
テメノスとアクシオンという息子。アルシノエ(アルペシボイア)という娘を生む。

ペゲウスの元に、母親エリピュレを殺害したアルクマイオンがやって来たとき、彼はその罪を許し、娘であるアルシノエと結婚させる。アルクマイオンは、アルシノエにハルモニアの結婚祝いの品を贈った。しかし、エリニュスの怒りを買ったアルクマイオンは、アルシノエの元を去ることになった。

その後、アルクマイオンはハルモニアの結婚祝いを取り戻そうとするが、ペゲウスの息子達はそれを待ち伏せして殺害。彼を愛していたアルシノエは、ペゲウスを憎んだ。アルクマイオンとカリロエの間に生まれた子供達が、後にペゲウスとその息子達を殺害し、血なまぐさい復習劇は幕を閉じた。

ダレスの息子
ディオメデスに殺される。

ペーゲトス - Phegetos -

ヘリオスとロデーの7人の息子たちヘーリアデスのひとり。
ヘゲモネ - Hegemone -

前に進む女・導く神女 の意。
ヘスティア (ローマ名 ウェスタ/ヴェスタ vesta)- Hestia -

クロノスとレアから生まれたオリュンポス姉弟の本来(ゼウスの姉にあたる)の最年長者。逆説的に、我が子を次々と呑み込んだ父クロノスの口から最後に蘇生したため末娘とも言われる。
6兄弟の中では唯一温和な性格の女神。

照明・暖炉・調理熱源、かまどの女神で「家庭」を司る。

オリュンポスの12神の1人であったが、後にその地位をディオニュソスに譲る。

ポセイドンやアポロンの求婚にも応じず、ずっとゼウスの館の炉の番をしており、1度も下界に降りた事がない。男尊女卑の古代ギリシアにおいて夫を持たぬ資格を取りつけた権威ある三処女の1人である。
パンテオンの閣議に口をさし挟まない、つつましく穏やかな女神。
全ての孤児や迷い子らの守り神ともいう。

彼女への礼拝は灯を捧げて行われ、期間中はどのかまどの火を消す事も許されなかった。

オリンピック大祭の聖火台もまた、集合地の中心に設けられる彼女の火処の一つといわれている。

ヘスペリデス (単数形 ヘスペリス)- Hesperides -

エレボスとニュクス(ヘシオドスの『神統記』による)
別の伝承では、アトラスとプレイオネ、アトラスとヘスペロスの間に生まれた娘達

日没を意味するニンフ。普通は、アイグレ(輝き)、エリュテイア(赤)、ヘスペラレトゥサ(日没のアレトゥサ)の3人姉妹と考えられている。

太陽が沈む西の果ての園に住み、ラドンと共に、かつて結婚祝いにガイアからヘラに贈られた黄金のリンゴを守護していた。ヘラクレス最後の難業は(11番目という説も)は、このリンゴを奪ってくることだった。

ヘスペロス - Hesperus -

アトラスの息子。もしくは、アトラスとの間にヘスペリデスを生む。アトラス山から風に浚われ、天に輝く星になったという。宵の明星を表している。
ペナテス/ペナーテス - Penates -

ローマの神。倉庫(財産)と土地を守るとされる家庭の守護神であり、豊穣の山羊の角(コルヌコピア)と献酒の杯を持った姿で表される。その名はぺヌス(penus)と呼ばれる炉の近くに設けられた食料貯蔵庫に由来する。

個々の家庭で私的に祭られた他、ローマでは国家ローマそのものを守護するペナーテスがヴェスタの神殿に祭られていた。これは伝説によればアーエネイスが落城したトロイよりパラディオン(パラス・アテナの神像)とともに(神像は同一であるともされる)持ち出して来た神であるとされた。伝説によればそれは元々サモトラケより伝わったものであるという。この神(神像?)はウェスタ神殿の奥聖室に祭られていたが公開はされていなかった。後代にはしばしば都市の守護神としてディオスクロイ神(カストルとポルックス(ポリュデウケス))と同一視された。

本来はラーレスやゲニウス等と同じくヴェスタに従属する祖霊神群であった。アーエネイス伝説も後世の創作であることは明白である。ウェスタ神殿の奥聖室に祭られていた問題のペナーテス神はどうやらパラディオンに祭られていた古代の男根神(パラス神か?)が正体であったらしい。

ペネイオス

河の神。ダプネの父
ペネローペ - Penelope -

スパルタの王族イカリオスの娘。イタケの王オデュセウスの妻となる。
この時父・イカリオスは娘を想う余りに、押し止めて行かせまいとする。
しかし、彼女は静かに花嫁のヴェールを顔にかける事でその意志を表し、オデュセウスと共になる。
その後わずか一年で、オデュセウスはトロイア戦争に出向き長く不在になった。
この間多くの求婚者が表われ悩まされたが、名高い『ペネローペの織物』によって貞節を守った。

ヘファイストス/ヘパイストス - Hephaestus/Hephaistos -
(ローマ名 ヴァルカン/ウルカヌス Volcanus)

ゼウスとヘラの早産子、あるいは1人でアテナを出産したゼウスに腹を立てヘラが独力で誕生させたともいわれる神

彼の名は神技の作り主として常に登場する。

母ヘラは息子があまりにも醜かったので、ヘラは一目見て、ヘパイストスを憎み、オリュンポスの山から突き落とした。そのため世界の鍛冶の神がそうであるように、彼もまた片足がなかった。他の神々に知られぬように、またオリュンポスから投げ落とし、海に落とした。

海女神テティスに拾われ、彼はレムノス島モスキュロス火山の底で9年間育てられ、そこで鍛冶職人の技を教わる。
ヘパイストスは海の女神テティスたちのために、さんごと真珠の美しい飾りを作ったり、生きた宝石を海に泳がせたりした。これは今日の熱帯魚である。

彼の技術は、ここでゼウスに雷電を作り、パンドラの身体やアキレウスの鎧が造られる中で磨かれた。

後代になると鍛冶場はシチリア島エトナ火山に移り、単眼巨人キュクロペスを従えた。

そして母への復讐を考え、黄金の椅子を作り母へ送った。
椅子に座った途端、鎖がヘラを縛りつけ、神々の誰一人鎖を断ちきることが出来なかったので、ヘファイストスを呼んだが彼はヘラを解放しようとはしなかった。
ゼウスはディオニュソスを呼び、ヘファイストスに酒を飲ませ酔っている隙に椅子の鍵で縛りを解いた。

オリュンポスに住むことになったヘファイストスはアフロディテと結婚する。
だが、アフロディテはアレスと密会を重ね、その事をヘリオスから聞いたヘファイストスは2人が寝ている所を縛りつけ、神々の見せ物にした。

神々はヘファイストスを嫌っていたが、彼をオリュンポスから追い出すことはしなかった。何故なら神殿、武防器は彼が作りその細工は彼しか作ることが出来なかったからである。また、ゼウスに頼まれパンドラを造ったのも彼である。

だが人間には大いに尊敬された。古代では鍛冶屋は、道具や武器に魔法の性質を与える魔法使いとされていたのである。

*一説では、ゼウスの頭を斧で割りアテナを助けたらしい。

ローマ名では単にバルカン半島の火神(バルカンはこの神名と同根)。

ヘベ - Hebe -

ヘベとは、青春の美もしくは青春の花という意味を持つ、若々しい少女神であるが、彼女には独立の崇拝も神話もない。

ゼウスとヘラの娘で、アレスとエイレイテュイアの姉妹がいる。

ヘベはオリュンポス山で開かれる酒宴で、神酒ネクタルを給仕する役を担う。

また、ヘラクレスが昇天して神の仲間入りをした後、ヘベはヘラクレスの妻となり、アレクシアレスとアニケトスの2児をもうけた。

ヘーメラ - Hemera -

エレボスとニュクスとの間に生まれた。昼を擬人化した女神。照時計の単位。
ヘラ (ローマ名 ユノ− Juno)- Hera -

天上の女王
クロノスとレアの子。
3美神の1人。ゼウスの姉にして、正妻。
結婚と円満な家庭生活の主護神。天上界の王妃。
英雄(ヘロス Heros)を表す女性形であると思われ、「貴婦人」を意味する名。
出産の神でもあったが、この地位はエイレイテュイアに譲る。

ゼウスをこよなく愛し、永遠の美しさをつなぎ止めるため、毎年カナトスの泉に行って沐浴し、 そのたびに若さと処女を取り戻していた。

寵愛した鳥は孔雀。動物は牝牛。

泉の水で体を清めた後、アンブロシアで体を拭き、すべてのしみを取り去った。体にやさしく塗り付けたオリーブオイルはなめらかな肌を磨いてつやを増し、甘い香りで、天と地上をいっぱいに満たした。丁寧に櫛を入れた髪は、太陽の光のように波打って輝きながら腰までおち、豪華な刺繍入りのローブは、胸の所で黄金の留め金で止められた。ウエストのベルトからは100本の房が垂れ下がっており、耳には精巧な細工を施した美しいイヤリングが飾られ、頭にはきらめく髪飾りがつけられた。そして最後に、しなやかな足にぴったりとフィットする華奢なサンダルを履いて身支度を整えてゼウスのもとに姿を現すのであった。

ゼウスは、結婚の300年も前から美しいヘラに求婚していた。 そして、数々の女神、人間の女性と結ばれたがヘラの正妻の地位を変えることはしなかった。

ある時、ゼウスの浮気に嫌気を感じたヘラは、ゼウスから去った時がある。 ゼウスは知恵者に相談し、柏の木で人形を作りベールを被せ顔を見えなくし、ゼウスの新しい花嫁と言い広めた。
嫉妬で怒ったヘラは花嫁のベールを剥ぐが人形だとわかり、企みを知りゼウスのもとへと帰ることにした。
他説ではヘラはクロノスに飲み込まれることは無く、ゼウスを匿い育成したともいわれる。

アテナイ市は婚姻の月に結婚式をあげるが、その時に花嫁にざくろの実を贈る習慣があるが、このざくろはヘラ女神の神木である。

神々に守られ、ヘラにいい寄る者はゼウスの怒りとアルテミスの怒りをうける事になる。ゼウスの度重なる浮気にも屈せず陰に陽に批判し、夫の愛人には容赦なくどぎつい復讐を加えた嫉妬深い神とされるが、ヘラが浮気をしたことは1度もない。妻の座、妻の自覚を持ち、ゼウスに敬意を払うことで存在感を失うことはなかった。

ローマ神話でヘラにあたるのはユピテルの妻ユノ−だが、こちらはもともと月の女神で、女性の体と出産を司り、種蒔きや収穫など月の暦にしたがっておこなわれる農業行事一般も支配する大変重要な神だった。
のちにヘラと一体化したことにより、ユピテルの添え物的な傾向が強くなってしまうが、いずれにせよ、ヘラもユノーも最高位の女神である事に変りはなく、庶民の信仰と畏怖を受けていた。

ローマでは名を第6の月名Junius 英語読みジュノー(juneジューン)の語源となり、6月の花嫁(ジューンブライド)が好まれる所以となる。

ヘラクレス - Hercules/Herakles -

ペルセウスの孫のアンピュトリュオンに化けたゼウスと、アレクメネの間に誕生した半神

ゼウスは、アルクメネの美貌に魅せられ、彼女の夫が旅で留守のある日、ゼウスはアルクメネの夫に姿を変え近づく。彼女は何も疑わず寝室に入れた。ゼウスは3日も太陽を昇らせずアルクメネと過ごし、その時生まれたのが後の英雄ヘラクレス。

生まれたヘラクレスに、ヘラの乳を飲ませなければ不死身にすることができない。そこでゼウスはヘラを眠り薬で眠らせ、ヘラクレスに飲ませようとするが、夢うつつの中で気付いたヘラは手で払い除けた。この時、乳首からほとばしり出た乳が天に昇り「天の川」に、地に落ちた乳が白いユリの花になったといわれている。

名の意はヘラ女神の栄光

* ヘラクレスの「12の功業」 参照
百合 ユリ [花言葉:純潔・無垢]

ヘーリアス - Helias -

ヘリオスとクリュメネの7人の娘達(メロペー・ヘーリエ・アイテリエー・ディオークシッペー・ポイベー・アイギアレー・ペイラ)と息子パエトンら。
ペリアス - Pelias -

ポセイドンとテュロの息子。ネレウスは、双子の兄弟。テュロに捨てられ、馬飼いに育てられた。馬に蹴られた痣(ペリオス)から、ペリアスと名付けられた。

成長し、ペリアスはクレテウスの王位を継ぐはずだったアイソンから、王位を奪う。しかし、デルフォイでペリアスは、片方だけサンダルを履いた者に殺されるだろうという神託を受けた。そして現れたのが、アイソンの息子であるイアソンだった。

ペリアスは、王位の権利を求めるイアソンに無理難題を押しつけた。それが有名なアルゴ船の冒険である。イアソンがその冒険に出かけている間、ペリアスはイアソンの父であるアイソンと兄弟のプロマコスを殺害。そして、イアソンの母を自殺に追い込んだ。

帰還したイアソンは、それを知って激怒する。妻であるメデイアは、アイソンを魔法の釜で生き返らせた。そして、同じようにペリアスを若返らせてやると、その娘達を騙し父親を切り刻むように言った。ペリアスは、娘達によってその命を落とすことになったのである。

ヘーリアデス - Heliades -

ヘリオスとロデーの7人の息子たち(ヘリアデスと呼ばれるオキモス・ケルカポス・テナゲース・ノシュロス・ネリオートス・ペーゲトス・マカル)。息子達は、水中より現れた島に母の名を付けたロードス島に住んだ。
ヘーリエ - Helie -

ヘリオスとクリュメネの7人の娘達のひとり。
ペリエレス - Perieres -

アイオロスとエナレテの息子
ペルセウスの娘ゴルゴポネとの間に、アパレウス、レウキッポスを生む。ポリュカオンの死後、メネッセの王になる。

メノイケウスの御者
クリュメノスに石を投げつけ殺してしまう。

ヘリオス - Helios -

太陽神。ロードス島の神
ティターン神族ヒュペリオンとテイアの長男。父の分身とも言うべき弟ヒュペリーオニデース、またはヒュペリオン自身と同一視される。

この世において、「火炎の戦車を駆る者」「日輪を生み出す者」と呼ばれ、地上に光と熱を与える太陽を司る重要な責務を受けていた。

彼は東の館に住んでいた。

まずエオスが東極の宮居から、光る馬ラムポスと輝かしき馬パエトーンの2頭に引かれた戦車に乗り、世界を巡って流れる大洋オケアノス河の東方にある天空の門を開き、先駆として空を馳せ登る。

続いてヘリオスが、火の馬ピュロエイス・燃え盛る馬アイトーン・燃える馬プレゴーン・曙の馬エーオオスの四頭の神馬に引かれた日輪の戦車に座して、天空の道を荒れ狂う神馬を巧みに操りながら横切り、この世の万物に光と熱を降り注ぎつつ西方で再び、オケアノス河の流れに沈む。

オケアノス河の西の果てにはヘリオスの黄金の宮殿があり、そこで沐浴と休息を楽しんだのち、黄金の巨大な盃に乗り、西から東へと流れを渡って帰り着き、朝と共にまた東から登るのである。

天上から全てを見、全てを聞く。デメテルに娘がハデスに連れていかれたことを知らせたのはヘリオスであり、ヘパイストスに妻とアレスの密会を知らせたのも彼である。

後に、アポロンの黄金の弓矢が太陽のように輝く為、ヘリオスと混合されアポロンも太陽神となった。

彼が見初めた女性(月女神)は多い。
ペルセイスとはアイエテス・キルケーをもうけた。
妻としたオケアニスのひとりクリュメネとは、ヘリアデス(ヘーリアス)と呼ばれるメロペー・ヘーリエ・アイテリエ・ディオークシッペー・ポイベー・アイギアレ・ペイラら7人の娘達と息子パエトンらをもうけた。
ロデーとの間には、ヘリアデスと呼ばれるオキモス・ケルカポス・テナゲース・ノシュロス・Neriotosネリオートス・ペーゲトス・マカルら7人の息子を得、彼らは水中より現れた島に母の名を付けたロードス島に住んだ。
こよなく愛した地トリーナキエー島では、その島のニンフ、ネアイラと交わり、ラムペティエー・パエトゥーサ・アイグレーの3女を得た。

ヘリオスの恋人は正妻の嫉妬で生きたまま埋められてしまった。この事を知ったヘリオスの涙が土に花を咲かせ、花は愛しいヘリオスを見つめ続けていると言う。

ヘリコーン - Helikon -

大地母神ガイアが産んだ天空を突くような山脈
ヘルセ - Herse -

ケクロプスの娘。ヘルメスとの間に、ケパロスを生む。姉妹であるアグラウロスは、アテナから、開けてはならないと言われていた箱を好奇心から開けてしまう。その中には、赤ん坊のエリクトニオスがいた。
ペルセイス/ペルセ

月女神。ヘリオスとの間に、アイエテス、キルケをもうける。
ペルセウス - Perseus -

ゼウスとダナエの息子。ヘラクレスの祖先にあたる。

今空に輝く星座ペルセウス、アンドロメダ、海蛇はアテナ神によって描かれた。 ゼウスとダナエの息子。ギリシア七大英雄の最初を飾る英雄。

アルゴスの王アクリシオスは、娘ダナエの生んだ子供によって殺されるだろうという神託を恐れ、ダナエを青銅の扉の付いた塔に幽閉していた。しかし、彼女を一目見て気に入ったゼウスは、黄金の雨に姿を変え屋根のすき間から進入して、彼女と関係したのである。そして、彼女はペルセウスを生んだ。やがて、それは父アクリシオスが知ることになり、二人は箱に入れられ、海に流されてしまった。

長い間、二人を乗せた箱は海を流されたが、キュクラス諸島セリポス島で親切な漁夫ディクテュスに救われる。行くあてのない二人はその島で暮らすことになった。そして年月が過ぎ、ペルセウスは逞しい青年に成長して行く。

彼らを助けたディクテュスは、島の王であるポリュデクテスの兄弟だった。王は、ペルセウスの母であるダナエに恋をして、結婚を申し込む。しかし、それにはペルセウスの存在が邪魔だった。ポリュデクテスは策を弄し、ペルセウスにメドゥサの首を持って来るように命じたのだった。

ヘルメスとアテナの守護を受けることが出来たペルセウスは、まずゴルゴンの秘密を知るというグライアイの元へ向かうことにした。グライアイは、アトラス山中に住んでいる3人の老婆である。彼女たちは、3人で1つの目と1本の歯を使い回していた。ペルセウスは、その目を奪い取り、彼女たちから旅に必要な道具を持っているというニンフ達の居場所を聞き出した。

ペルセウスは、ニンフ達から自由に空を飛べる「羽の生えたサンダル」、被ると姿が見えなくなる「ハデスの帽子」、メドゥサの首を入れる「袋」を手に入れた。彼の容貌が気に入ったヘルメスは、彼に凄まじい切れ味の剣を与えた。それらの魔法のアイテムを装備したペルセウスは、オケアノスの流れを飛び越え、遂にメドゥサが住む岸部にたどり着いた。

不死身であるステンノとエウリュアレを避け、青銅の盾に映るメドゥサに近づき、その首をはねた。そこから、ペガソスと黄金の剣を持ったクリュサオルが生まれる。ペルセウスは直視しないように気を付けながら、その首を「袋」に詰め、騒ぎに気づいて追いかけてくるステンノとエウリュアレから、「ハデスの帽子」で姿を眩まし、無事に逃げおおせたのである。

帰路、嵐に襲われたペルセウスは、アトラスに宿を求めるが冷たくあしらわれる。この件は、テミスの項を参照して欲しい。一説によれば、怒ったペルセウスはメドゥサの首をかざし、アトラスを巨大な山に変えてしまったという。

岩に繋がれている美女をみつけたペルセウスは、そこでも足を止めている。その美女は、エチオペアの王ケペウスとカッシオペアの娘アンドロメダだった。その美しさを自慢したことで、ポセイドンの怒りを買い、海の怪物によって国は荒廃させられたのである。その生け贄に、アンドロメダは選ばれたのだった。王は、もし彼女を助け出したらアンドロメダとこの国を与えようと、ペルセウスに助けを求めた。

鮮やかにその怪物を倒したペルセウスは、アンドロメダと結婚する。しかし、元々のアンドロメダの婚約者であるピネウスは黙っていなかった。祝宴を破談にさせようとして乗り込んだピネウスは、ペルセウスによって石に変えられてしまった。

ペルセウスとアンドロメダの間には、ペルセスが生まれている。ペルセスに王位を継ぐように言い残し、二人は旅の始まりの地セリポスに帰った。

暴君ポリュデクテスから逃れる為に、母ダナエとディクテュスは神殿に避難していた。戻ってきたペルセウスは、ポリュデクテスの前に立ちはだかり、無事任務を果たしたと伝えた。せせら笑う王に、彼はメドゥサの首を見せて石に変えてしまった。長かった旅はここにピリオドを打つ。ペルセウスは、手に入れたアイテムを神々に返し、故郷のアルゴスに向かった。

アルゴスの王アクリシオスは神託を思い出し、逃げ出してしまう。しかし運命からは逃れられず、テッサリアのラリッサで行われた葬礼協議を見物していたアクリシオスは、何も知らずに追ってきたペルセウスの投げた円盤に当たって死んでしまう。

アルゴスに戻ると、プロイトスがその王座を奪っていた。ペルセウスはプロイトスを倒し、王位を奪い返す。しかし、アクリシオスを殺してしまった自分にこの国の王は相応しくないと考え、アルゴスをメガペンテスの領地ティリュンスと交換した。また、ペルセウスはミュケナイの城壁を建設したも伝えられる。通説では、その後ペルセウスとアンドロメダは、ティリュンスとミュケナイを長い間統治したという。

* ペルセウスのメドュ−サ退治 参照

ペルセス - Perses -

クレイオスとエウリュビエの息子
アステリアと結婚し、ヘカテを生む。大変な知識の持ち主だったといわれる。

ヘリオスの息子
黄金の羊を盗み、アイエテスの王座を奪う。後に、アイエテスの娘のメディアもしくは、メディアの息子であるメドスによって殺される。

ペルセウスとアンドロメダの息子
ケペウスとカッシオペイアの元に預けられる。ペルシア王国命名の起源になったともいわれる。

ペルセポネ(コレ) - Persephone - (英 Proserpina プロセルピナ)

別名コレ。「娘」の意味。

冥界の王ハデスの妻。デメテルの娘。
アドニスの養母

アドニスは美の女神アフロディテが気に入っていた少年で、アドニスがあまりに美しかったためアフロディテがさらってきて、こっそり育てようとしてペルセフォネに預けたことから、アドニスが美しい若者に成長すると、ペルセフォネもアドニスを気に入ってしまい、アフロディテと争いが起きてしまった。アフロディテとペルセフォネの争いを仲裁したのはゼウスで、仲裁の結果「ペルセフォネが冥界に居る間はアドニスは冥界にとどまり、ペルセフォネが地上に戻っている間はアドニスは地上でアフロディテと過ごす」ということになった。

* ハデスと妻ペルセポネ 参照

ヘルマプロディトス - Hermaphroditus -

ヘルメスとアフロディテの子

泉の精であるサルマキスの求愛を拒んだ為に泉の中に引きずり込まれてしまう。サルマキスは抱きついたまま神々に、このまま一緒にいたいと願った為に一心同体になってしまう。
彼が母なるアフロディテに祈った結果、この泉で水浴した者は男としての機能を失い両性具有体になるようになった。

ヘルメス (ローマ名メルクリウス/マーキュリー Mercurius/Mercury)- Hermes -

ゼウスとプレイアスのマイアの子。繁栄や富、幸福を司る神。
虹女神イリス同様、ゼウスの伝令使
茶目気あふれる瞳と長い四肢の美青年。気ままな旅人

別名アルゲイポンテス

アフロディテとの子はヘルマプロディトスとプリアポス。ペネロペとの子はパン。
悪知恵に長けた神

翼のあるの兜(ペタソス)をかぶり、羽根が生えた靴を履き、手には先に2匹の蛇が絡みついた伝令杖(神杖)を持つ。

彼の原始的形態はヘルマと呼ばれる石柱で、上部に人の首を彫り、中央に膨らんだ凸物がある。路傍や畑境や牧場に立てられ豊饒と多産を祈る道祖神であった。

また彼は、その脚力と生来の賢さと悪戯好きの性分は泥棒や詐欺師に愛され、盗賊、商人、旅人の守護神でもあった。

死者の道中の案内人としての冥府への案内者ヘルメース・プシューコポンポスでもある。 それゆえに燐光の幻炎は セント・エルモス・ファイアー(聖ヘルメスの火)と呼ばれた。

ヘラの眷族アルゴスを殺したので「アルゴス殺し」の肩書きがつく。

ゼウスの子達を憎むヘラから気に入られようとアレスに化けヘラに抱かれ乳を与えられた。 乳母となったヘラはアレスでは無いと知った後も、我が子のようにヘルメスを可愛がった。

彼は堅琴を作るのにアポロンの牧場に忍び込み、足跡を消しながら自分の島へ牛を連れ変えった。島で牛の腸で弦を作り、残りは証拠が出ないように焼却した。牛の数が足りないと気付いたアポロンはヘルメスの島へ行き彼を問いただすが否定する。そこでアポロンはゼウスの元へ彼を連れていくが、ゼウスの元でも無実を主張する。だが、ゼウスの前でアポロンの矢と矢筒を盗んだ為に、彼はアポロンに牛を返すように命じられた。

そしてアポロンを案内中、ヘルメスは堅琴を聞かせる。
美しい音色に魅せられたアポロンは、その堅琴を譲れと言うとヘルメスは牛の件を帳消しにするのを条件に堅琴を譲った。それが、アポロンの竪琴。アポロンの竪琴は彼の発明だった。
以後、アポロンはヘルメスを家畜番にし、杖ケリュケイオンを与えたという。

ヘルメスは神々の戦争においてガイアに閉じ込められたゼウスを助け、切られた腱を直し、ゼウスはガイアの最後の子テュポンを倒す。

クローカスとの悲しい恋

掴もうとしても逃げ回るそのすばしこさから、ローマ名は元素マーキュリー(水銀)に名付けられた。

ヘレ - Helle -

アタマスと、ニンフであるネペレの娘。兄妹に、プリクソス。ネペレの願いによって送られた、黄金の羊の背にのって逃げ出すが、その途中海に落ちて死んでしまう。以降、その海はヘレスポントスと呼ばれたという。現在のマルマラ海である。
ペレウス - Peleus -

アイアコスとエンデイスの息子。兄弟にテラモン。ポコスを殺してしまった罪で国を追われ、ブデスに逃れる。アクトルは彼の罪を清め、娘であるアンティゴネを妻として与えた。その間に生まれたのが、ポリュドラである。

彼は、アルゴ船の冒険、カリュドンの猪狩りに参加する。様々な不幸に合うが、彼はその勇敢に戦った。イオルコスに訪れたとき、アカストスの妻であるアステュダメイアの誘惑もはね除け、その得の高さを示した。

やがて、彼は神々の目に止まる存在となり、女神テティスはペレウスと恋に落ちた。ゼウスは、裏があったにせよその結婚を許し、二人の間にアキレウスが生まれた。様々な宝物が二人には贈られ、その中には不死馬であるクサントス、バリオス。ヘパイストスが作った黄金の鎧などがあった。

しかし、この神々による披露宴に呼ばれなかった女神が一人いる。不和の女神エリスである。腹を立てたエリスは、一つの林檎を投げ込んだ。それが、後々のトロイア戦争のそもそもの原因となったのである。

ペレウスは死後、テティスによって不死の身にされ、一緒に過ごしたという。

ペレス - Pheres -

クレテウスとテュロの息子(あるいはイアソンとメデイアの息子)。ペリクリュメネと結婚し、アドメトスとリュクルゴスを生む。

ペリアスがイオルコスの王位を奪った際に、国を捨てペライという別の市を建設した。

ヘレネ/ヘレナ - Helene -

ニュクスとゼウスの娘

レダとゼウスの娘
卵から生まれたといわれる。ギリシア全土きっての美女といわれ、ミュケーネの大王オガメムの弟と結婚したが、アフロディテの寵愛を受けたトロイカの王子パリスと駆け落ちしてしまったため、トロイア戦争が始まった。

* パリスの審判とトロイア戦争 参照

ベレロフォン

ある時、泉でペガサスを見たベレロフォンはこの馬に乗りたいと願うと、夢の中にアテナが現れ、ベレロフォンに天馬の黄金の手綱を渡した。

目が覚めたベレロフォンは夢と知りがっかりしたが、その手には黄金の手綱が握られていた。天馬を操る彼は英雄として名を残す。

だが、彼が天馬を駆り天上の宮殿に近づいたのを知ったゼウスは、彼の傲慢さに怒り、虻にペガサスを刺させる。ペガサスはその痛みでベレロフォンを地上に落としてしまい、ゼウスに連れられ天上に帰った。

落とされた彼は天馬と片足を失い、放浪し、伝説から消えていった。

ヘレン - Hellen -

デウカリオンとピュラの長男。ギリシャ人、ヘレネス民族の始祖。彼 女の子供達の名が、各部族の名前になった。
ヘロシオス - Herosios -

大地母神ガイアの子
ベロス - Belus -

エジプトの王。ポセイドンとリビュエの息子。アゲノルの双子の兄。アンキノエと結婚し、ダナオスとアイギュプトスを生む。その子供達は、ギリシア、ペルシア、アフリカなど多くの王家の祖先となったといわれる。

また、カルタゴの女王ディドの父が、ベロスという名である。

ベロナ

ローマ神話。戦争の女神。
ペロプス - Pelops -

タンタロス、ライオスの項参照。一度は料理されてしまった彼だが神々の力によって生き返る。しかし、デメテルが食べてしまった肩の肉がなかったので、代わりに象牙を付けた。
ペンテウス - Pentheus -

テバイ国の王。スパルトイであるエキオンと、カドモスの娘アガウェの息子。

酒の神ディオニュソスが布教に訪れる。

それは前日前夜、酒をのみ山中を裸で歩きまわり、踊り狂い、酒地肉林を行っていた。 ペンテウスは信者の中に母アガウェ、叔母イノが信者になってしまったのを知り、ディオニュソスを捕まえ投獄する。

ペンテウスは信者の様子を見に山中に入るが、神であるディオニュソスを投獄できるわけも無く、ディオニュソスは信者達の前に現れ、敵がそこにいるとペンテウスが隠れている場所を指さした。

信者たちはペンテウスに踊りかかり、母は腕を引きちぎり、叔母は脇腹をえぐりペンテウスは八裂きにされ死んだ。