イカロスの翼 - Icurus -
ダイダロスはイカロスの父で、細工の名人であった。ダイダロスがミノス王のためにラビュリンス(迷宮)を造った。
ダイダロスは後にミノス王の怒りを買い、息子のイカロスと共に、クレタ島の塔に閉じ込められてしまった。
ダイダロスはその塔を抜け出すために、鳥の羽を集めて、大きな翼を造った。大きい羽は糸でとめ、小さい羽は蝋(ろう)でとめた。
翼が完成した。2人は翼を背中につけた。
父ダイダロスは、息子のイカロスに言う。
「イカロスよ、空の中くらいの高さを飛ぶのだよ。あまり低く飛ぶと霧が翼の邪魔をするし、あまり高く飛ぶと、太陽の熱で溶けてしまうから。」
2人は城壁から天に向かい飛び立った。
農作業中の人々や羊飼いたちが2人の姿を見て、神々が空を飛んでいるのだと思った。
もうすぐ海岸という所でイカロスは飛ぶことに夢中になり天空高くまで舞い上がってしまいました。父の忠告を忘れ、高く、高く飛んでしまった。
太陽に近づくと、その熱で羽をとめた蝋(ろう)が溶け、糸は緩み、不実な翼は、バラバラに砕けてしまった。イカロスは羽を失い、手足を曲げ、髪を振り乱しながら大空の中を青海原へとまっさかさまに落ち死んでしまった。
以後、その海はイカロスにちなんでイーカリア海と名付けられたという。
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