ファウヌス

ローマ神話。サテュルヌスの孫。田野と牧人らの神、また予言の神ともされる。
フォルトゥナ - Fortuna -

古代ローマの運命の女神で、ギリシアのテュケ(Tyche)と同一視された。本来は豊穣や多産の女神(または地母神)で、しだいに【幸運】から【運命】の女神へと発展した。その名の由来はラテン語のfero(【もたらす】の意)と同語源とされている。

古代イタリアのラティウム地方のプラエネステ(古代ローマのラテン人の都市)が崇拝の中心地として名高い。ここに彼女は最大の神域を所有していた。

美術作品ではコルヌコピア(豊穣の角)や運命をあやつる舵を手にした姿で表現されることが多く、また、J.リゴッツィの作品『フォルトゥナ』では不安定な球に乗り、踝(くるぶし)に羽根が生え、底の抜けたガラスの壺を手にした姿で描かれている。この球に乗るその姿態、踝の羽根は気まぐれで逃げ足の速い運命の定めなさを、底が抜けた壺はそこに入れられるいかなる名誉や富や知識も空しいことを表すとされている。運命を象徴する車輪を持ち、目隠しをした姿とされることもある。

プサマテ

「海」。ポルキュスとの間にエイドテアをもうける
プシュケ - Psyche -

ギリシア後で『魂』の意。不死のイメージとして、醜い幼虫から死を思わせるサナギ、そして美しい姿に変わる蝶にシンボライズされるようになった。それゆえ、蝶の羽を持った女神として描かれることが多い。

神話では、愛の神エロスの妻となる女性として登場する。

ある王の娘であるプシュケーには、他に2人の姉があった。姉2人も美しかったが、プシュケーは特に絶世の美女であったがゆえに、かえって婚姻の申し出がなかった。これは彼女の美しさを嫉妬したアプロディテの仕業であった。アプロディテは、さらに彼女に恥を与えんがために、息子のエロースに恋の矢を射させ、身分不相応のものに恋をさせようとしたが、エロスは誤ってその矢で自分自身を傷つけ、プシュケーに恋をしてしまう。そこでエロスは彼女の両親に神託を降し、正体を隠してプシュケーを自らの館に招く。プシュケーは、はじめは正体のわからない夫ではあっても幸せに暮らしていたが、嫉妬した姉たちに猜疑心を吹き込まれ、夫が眠っている間にこっそりその寝顔を覗いてしまう。神の姿を人間が見る、という禁忌を犯したがゆえに、エロスは彼女のもとを去らざるを得なくなった。悔やんだプシュケーは夫を求めて世界をさまよい、ついに義理の母であるアプロディーテーのもとにたどりつく。もともと彼女に含むところがあった女神は、プシュケーにさまざまな難題を吹きかけるが、彼女は何とかこれを乗り越え、ついに女神と和解して夫と再開する。エロスはゼウスの許可を得てプシュケーに神酒アンブロシアを飲ませ、神の仲間入りをさせた。

* ローマ神話  クピド 参照

ブテス - Butes -

パンディオンとゼウクシッペの息子
あるいは、ポセイドンとゼウクシッペ、またはテレオンとゼウクシッペの息子。アルゴ船に乗船した1人。
船旅の途中、セイレーンの歌に誘われて海に飛び込み、彼女達の住む島まで連れて行かれてしまった。アプロディテは彼を哀れみ、シシリアの西部まで連れ戻した。そこで2人は恋に落ち、エリュクスを生んだ。

ボレアスの息子
兄弟であるトラキア王リュクルゴスを追い落とそうとしたが失敗し国外に追放された。海賊となった彼は街を襲い、ディオニュソスの侍女であるコロニスを犯す。ディオニュソスは激怒し、彼を発狂させてしまった。

プラクシテア - Praxithea -

水の精霊で、ナイアスの一人。アテナイの王エレクテウスの妻。その間に、ケクロプス、パンドロス、メティオン、テスピオス、シキュオン、エウパラモス、オルネウスという息子を生み、プロクリス、オレイテュイア、クトニア、クレウサという娘を生んだ。
ブリアレオス - Briareos -

100の腕を持つ巨人
ガイアとウラノスの子

別名 アイガイオン
タルタロスの監視者

ガイアから誕生したこの神以下の神々は、 ウラノスから嫌われガイアの腹中へと戻されてしまうが、 クロノスによって出ることが出来た。
しかし、クロノスは己もウラノスのように裏切られるのではないかと考え、 巨人達をタルタロスへと封じた。

後にゼウスによって戻されクロノスとの戦いに参戦し勝利し、 ウラノスに味方した神々を封じたタルタロスを、 兄弟であるコットス、ギュエスと共に門の番人をする事になった。

また時として、ヘラとアテナがゼウスに反逆しゼウスを縛り上げた際には、 テティスに呼び出されゼウスを助け出したりもした。

プリクソス - Phrixus -

アタマスとネペレの息子。兄弟にヘレ。アタマスの再婚相手であるイノに殺されそうになるが、ネペレに助けられた。

アイエテス王が統治するアイアに逃げ込んだプリクソスは、そこで彼の娘であるカルキオペと結婚する。その間に、アルゴス、プロンティス、メラス、キュティッソロスを生む。しかし、異邦のギリシア人に殺されるだろうと神託を受けたアイエテス王は、プリクソスを殺してしまった。

別の説によれば、プリクソスは老死であるという。

プルトス - Pltos -

富の神
プレアデスの乙女達 - Pleiades - (単数形 プレイアス)

アトラスとプレイオネの7人の娘達。

名の意は出航
その名は、エレクトラマイアタユゲテアルキオネケライノメロペステロペ
彼女らはオリオンに見染められ5年の間逃げ回りしまいには、白鳩になり逃げ回ったという。 ゼウスがそれを憐れんで星座に上げたと言われている。

他の説では、姉妹であるヒュアデスの死を悲しみ、自殺してしまった彼女たちを死後、星座に配置したともいう。しかし、後にアテナによって星座に変えられたオリオンにより、今度は天空で追いかけられる事になった。

後にマイヤはヘルメスを、エレクトラはダルダノスをゼウスの子として生んでいる。他の娘たちも神を愛人にしたが、メロペだけは人間のシジフォスの妻になった。後にシジフォスはゼウスのために地獄に落とされ永遠の労苦を負わされる。これを恥じてプレアデス (牡牛座にある散開星団) の七つの星の中で彼女だけが光が鈍いのだといわれる。和名では古くから昴(すばる)、六連(むつら)星と呼ばれる。

またヒヤデス星団の星々もプレアデスの乙女達とは異母姉妹と言われ、アムブロシア、エウドラ、コロニス、ポリュクソ、ディオーネ、アイシュレ、ピュートの7人姉妹。

プレギュアス - Phlegyas -

アレスの息子。息子に、イクシオン。娘に、コロニスがいる。ボイオティア、オルコメノスの王。コロニスはアポロンとの間にアスクレピオスを生んだが、彼はその孫に目を付け迫害した。アスクレピオスを指示するデルフォイを攻撃し、その際にピラムモンが殺された。

後に、ニュクテウスとリュコスの手によってプレギュアスは討たれる。

プレクシッポス - Plexippus -

ピネウスとクレオパトラの息子
兄弟にパンディオン。

テステイオスの息子
メレアグロスに殺害された。

プレゴーン - Phlegon -

燃える馬。西風神ゼピュロス(Zephyros)とハルピュイア(Harpuia)のひとりポダルゲー(Podarge)の間に生まれた神馬で、ヘリオスが、地上に光を与える日輪の戦車を引く4頭の神馬の1頭。
プロイトス - Proetus -

アバスとアグライアの息子。双子の兄弟に、アクリシオス。妹にイドメネがいる。

2人は、アグライアの母胎にいる時から争い、アバスの後の王位を巡っても争いを続けた。アクリシオスは、プロイトスが娘ダナエを誘惑したとして国外に追放した。リュキアに逃れたプロイトスは、そこで、イオハデス王の娘ステネボイア(アンテイア)と結婚し、3人の娘、イピノエ、リュシッペ、イピアナッサ。メガペンデスという息子を生む。

軍隊を与えられたプロイトスは、アクリシオスに再び戦いを挑み、領土の北半分を勝ち取ることに成功した。そこに新しい都市ティリュンスを建設した。

ある時、ディオニュソス、もしくはヘラへの信仰を怠ったため、3人の娘は狂ってしまった。プロイトスは予言者のメラムプスと取り引きし、国土の3分の2を与え、娘を治療させたが、イピノエだけは助からなかった。

その後、プロイトスはアクシリオスを倒し、アルゴスの支配者となった。しかし、アクリシオスの孫であるペルセウスにメドゥサの首を見せられ、石にされてしまった。その仇を、メガペンデスが討ったともいう。

プロクネ - Procne -

パンディオンとゼウクシッペの娘。兄弟にエレクテウスとブテス。姉妹に、ピロメラがいる。パンディオンを手助けしたテレウスと結婚した。その間に、イテュスを生んだ。
プロクリス - Procris -

エレクテウスとプラクシテアの娘。兄弟に、ケクロプス、パンドロス、メティオン、テスピオス、シキュオン、エウパラモス、オルネウス。姉妹に、オレイテュイア、クトニア、クレウサがいる。

彼女は後に、オウィディウス『変身物語』で語られる、ケパロスとの悲しい恋物語で知られるようになる。

プロクレス - Procles -

アリストデモスとアルゲイアの息子。エウリュステネスは双子の兄弟。2人を残して、アリストデモスはペロポネソス半島に進入したドリス人によって殺されてしまう。そこで、アルゲイアの兄弟であるテラスが、プロクレスとエウリュステネスの後見人となった。

その後、2人はスパルタを分割して支配した。

プロテウス

海の老人。ポセイドンの従者
プロメテウス - Prometheus -

人間の助言者。火の神
事前に考える、先見 の意。
ケンタウロスのケイロンによって不死の身となる
絶対神であるゼウスの権力にさえ逆らう不屈な意志の象徴

彼は人類の創造者とも守護者とも言われる。
一旦は「永劫に金剛不壊の青銅の枷に繋がれる」事を宣告された彼は、和解後に青銅の指輪を嵌めている。

ティターンとオリュンポスの戦いに於いてアトラス、メノイティオス、エピメテウスはティターン神族の味方をした為、アトラスは空を背おわされ、メノイティオスは雷で打たれ、エピメテウスの元にはパンドラが送られた。兄弟の中で唯一オリュンポスの味方をしたプロメテウスは助かった。

人間はプロメテウスが土から形を作りアテナが命を吹き込んだ。後にゼウスが人間を滅ぼそうと生への苦痛と短い生を与えた。

「無知というのは罪を知らないということだ。人間は、誰かが不幸だと思わせない限り、ずっと幸福なのだ。」と言うゼウスに逆らって、人間にオリュンポス神殿の聖なる火を与えたため、ゼウスによって岩に繋がれ、日の出ている間中、鷲に肝臓を食われ続けなくてはならなくなった。

先見の明なる名を持つプロメテウスはゼウスにある未来(テティスの息子がゼウスの地位を奪う)を知らせる事によって、ゼウスの命でヘラクレスがこの鎖を切断する。ヘラクレスには礼としてアトラスからリンゴを奪う方法を教える。

* 人間の始まりとパンドラの箱 参照

フロラ/フローラ - Flora -

ローマ神話の女神で、花と春の女神であり、ギリシャ神話の妖精クロリスと同一視されている。

西風の神ゼフュロスはフローラに恋し、彼女をさらってしまう。2人は結婚し、フローラの住家としてに花園を贈った。

フローラは人間に、蜂蜜やあらゆる種類の花の種を与えた。

フローラの花園には死んだあとに、花に姿を変えた者たちが住んでいた。花になったアイアスナルキッソスクリュティエヒュアキントスアドニスもフローラの花園の住人となった。

ブロンテース - Brontes -

大地母神ガイアと天空神ウラノスの子。一眼の巨人キュクロープス達3人のひとり