ケイロン - Khiron -

半人半馬のケンタウロス(Centaurs)族の賢者
他のケンタウロスとは異なり、ケイロンのみクロノスとピリュラの子である。
音楽、医術等に優れており弓術はアポロンより才能を与えられた。
ケイロンは永遠の命を持っていたが、 ヘラクレスの毒矢で射られたケンタウロスのエラトスを治療する際に誤ってかすり傷を負う。
そこから毒が回りケイロンは激しく苦しみ、 死を得ようと永遠の生命をプロメテウスに与えた。
ゼウスは殺すのは惜しいとケイロンを天空に置いた。
ヘラクレス、アキレウス等の英雄の師でもある。

ケクロプス - Cecrops -

大地母神ガイアの子
蛇の下半身を持つアッティカ(Attika)の初代王。伝説では、彼は半分が龍であり、もう半分が人間であったという。アグラウロスと結婚し、エリュシクトンという息子。パンドロソス、アグラウロス、ヘルセという娘を生んだ。  アテナとポセイドンがアッテイカの支配権を争ったのは、ケクロプスの治世の時だった。ポセイドンが塩水の泉を作っただけに対して、アテナはアクロポリスの山上にオリーヴを植えた。ケクロプスは、アッテイカをアテナに与えることに決めたのである。  またケクロプスは、アレスの裁判の為にアレイオス・パゴスの法廷を設置し、アレスに無罪の判決を下したという。他にも、国内の人身御供の習慣を廃絶させ、大麦のお菓子をゼウスに捧げさせた。

第8代のアテナイ王
エレクテウスとプラクシテアの息子。メティアドゥサと結婚し、パンディオンを生む。王位を継承するはずの長男だったが、父は彼を選ばずその死後に、盟友であったテッサリアのクストスによって王位に指名された。その後を、パンディオンが継ぐ。

ケクロプスの3姉妹
アテナから絶対に中を見ないと誓い箱を預かるが、長いときが経ちアグラウロスが蓋を開けてしまう。中には化け物に近い赤子がおり、あまりの恐ろしさに3姉妹は崖から飛び降り自殺する。

ケターオーン - Ketaon -

大地母神ガイアの子
ケト - Keto/Ceto -

不毛の海ポントスとガイアの子。海の3女神。

大魚や鯨類を指す「海の怪物」ケートスの名を持つ美しき頬の彼女は、怪物の生母役を一手に引き受けている。

兄ポルキュスとの間に、蝮女エキドナ、掠鳥セイレンたち(セイレネス)、老女グライアたち(グライアイ)、怪生ゴルゴーたち(ゴルゴン)、冥犬ケルベロス、ネメアの獅子などをもうける。この姉妹として黄昏女神ヘスペリスたち(ヘスペリデス)が加わる。

ケバロス/ケパロス - Kephalus/Cephalus -

ヘルメスとヘルセの息子、または、デイオンとディオメデの息子

ケパロスは妻プロクリスと共に暮らしていたが、曙の女神エオスが、ケバロスに心奪われ彼を誘拐する。
やがて、2人の間に金星の神パエトンが誕生するが、ケパロスはこの地より逃げ出した。
だが、それを知ったエオスにより、妻の貞節に疑惑が起きるようにされてしまう。
ケバロスは妻の元に帰るが、妻の貞節を試そうと莫大な贈り物の持ち、顔を変えて求婚する。 プロクリスが承諾したことに腹をたてたケバロスは変装をとき、妻を問い糾すが、 妻は騙されたことを怒りクレタ島へ去った。
そこでミノス王より必ず的に当たる槍と、 獲物を必ず捕まえる猟犬ライラプスを譲受け、しばらくすると反省し夫の元に帰る。
二人は仲直りしたが、ある日にケバロスが猟で汗をかいたので、そよ風を呼ぼうと声を出すが、 そよ風アウラの名を聞いた妻は女性の名前と勘違いし、嫉妬の疑惑から逃れることが出来ずに猟に出た夫の跡をつけた。
ケバロスはまさか妻がいるとも知らずに獣と思い、ミノスの槍で茂みに隠れていた妻を殺してしまう。

オイディウス『変身物語』
ケパロスとプロクリスは、お互いに愛し合っていた。しかし、彼のその美しすぎる容貌に恋をしてしまったのが、エオスだった。エオスは燃え上がる感情を抑えきれずに、自分の城に連れ去ってしまったのだ。だが、プロクリスを愛するケパロスはエオスの求めをはねのけた。納得しないエオスは、「プロクリスの貴方への感情は本物かしら?」といい、ケパロスをまったく別人に変装させて、プロクリスを誘惑させた。
彼の帰りを待ちながらも、寂しさに耐えられなかったプロクリスは、まったく別人になったケパロスの求婚を受けてしまう。その瞬間に、ケパロスの変身は解け、元の姿に戻ったケパロスは激怒し、彼女の不実を責めた。涙を枯らした彼女は森の中に逃げ込み、アルテミスの従者になってしまった。
彼は自分のした事を後悔し、彼女を探し求めた。そして、遂に愛する妻と巡り会ったケパロスは改めて彼女に求婚するのであった。そしてプロクリスは、アルテミスから授けられた「絶対に的を外すことのない槍」を彼にプレゼントした。
しかし、幸せは長くは続かなかった。平穏は2人の間に猜疑心を生み、プロクリスは夫が今でもエオスと通じているのではないかと疑い、ケパロスが森へ狩りに行く後をつけた。それに気付かないケパロスは、森の中で草がざわざわ動いているのを見つけると、獲物だと思い、「絶対に的を外すことのない槍」を投げた。そして、その槍は一直線に彼女の胸を貫いたのだった。その腕に抱かれながら、彼女は真実を知らされたのである。愛する者の命を自ら奪ってしまったケパロスは、その罪に問われ、ケパレニア島に追放された。
そこで彼の心を癒したのはクリュメネだった。やがて2人は結婚し、その地の王となった。2人の間には、イピクロスという息子が生まれている。

ケペウス - Cepheus -

パレスチナ、もしくはエチオピアの王
アンドロメダの父。

アレオスとネアイラの息子
アルカディア、テゲアの王。兄弟に、ピネウス。ヘラクレスの要請で、アルゴ船の冒険、カリュドンの猪狩りに参加した。しかし、その遠征で彼はエケモス以外の全ての息子を失い、自らも命を落とした。
ケペウスの後を継いだのはリュクルゴスで、エケモスはアルカディアを統治する事になった。

ケユクス - Ceyx -

エオスボロスの息子。アルキュオネの夫。ヘラクレス、ペレウスなどを助け、ヘラクレスの死後は、その子供達の面倒を任せられた。彼は、エウリュステウスと対抗できるように、その子供達をテセウスに預けた。

ケユクスとアルキュオネは幸せのあまり、お互いをゼウスとヘラのようね、と言い合ったので、その罰として小鳥に変えられてしまった。

オイディウスの『変身物語』
彼は妻が止めるのを振り切って、神託を聞くために航海に出る。だが船は大嵐にあって沈み、彼はアルキュオネの事を思いながら命を落としてしまう。それを知ったヘラは、彼女に知らせてやりたいと思い、イリスをヒュプノスの元へ遣わした。ヒュプノスは、モルペウスを使い彼女の夢の中でそれを告げた。やがて、海岸に流れ着いた死体をみつけた彼女は、悲しみのあまりカワセミに身を変えて、その上を飛び続けた。それを哀れんだ神々は、ケユクスをカワセミとして蘇らせ、2人は再び出会い幸せに暮らしたという。

ケライノ

アトラスの娘、プレアデスの乙女達
ゲラス/ゲーラス - Geras -

老醜。ニュクスが独力で産んだ子。
ケール - Ker -

戦場で死をもたらす悪霊。ニュクスが独力で産んだ子。
ケルカポス - Kerkaphos -

ヘリオスとロデーの7人の息子たちヘーリアデスのひとり。
ケルクス

眠りの王国 参照
ケルベロス - Kerberos/Cerberus -

エキドナとテュポンの子。地獄の番犬。

50もの頭を持つ恐ろしい犬。又は、3つの頭に背筋から尾にかけて蛇が生えている。冥界の王ハデスのお気に入りのペット。日本では暫し『地獄の番犬』と呼ぶが地獄という概念が無い為この呼び方は不適切である。

ケルベロスはステュクス河の冥界側に鎖でつながれている。それは生者がハデスの地に入ってくれない様に、死者が冥界から逃げ出さないように見張る為である。捕まった者はケルベロスに食べられた。

その為かは定かではないが古代エジプトでは凶暴な犬に墓場の番をさせたと言う。

ケレス/セレス - Ceres -

イタリアの豊穣の女神。ローマ人達は、彼女をデメテルと同一視した。また、1801年にイタリアの天文学者ピアッツィが発見した小惑星のひとつに、その名前(セレス)が付けられた。
ケンタウルス

ギリシャ神話・ローマ神話にでてくる粗暴な半人半馬の一族の名で馬人族全体を指す。

ケンタウロス族はギリシャ北東部のテッサリアのぺリオン山地に住んでいた。同じテッサリアのラピタイ族の王ペイリトオスの結婚式にこのケンタウロス族が招かれ、酒に酔うほどに粗暴な本性を出し、花嫁ヒッポダメイアを連れ去ろうとし、両族の間に戦争が起りケンタウロス族が敗れ、ヒンドスの山地に逃げ込んだという。

後の悪魔の造形に影響を与える。

粗暴なケンタウロス族のなかにあって、射手座で表わされているケイロンは、徳望もあり知的人物として語り継がれている。