辞 典  四字熟語 

 辞 典  四字熟語   あ
合縁奇縁<アイエンキエン>人と人の気持ちのつながりの不思議さは仏教でいう因縁によるもの。男女、友人の間の親しみにも
暗中模索<アンチュウモサク>闇の中を、手探りで物を捜し求めるという意味で、手がかりのないものをいろいろと探ってみる
暗中飛躍<アンチュウヒヤク>人に知られないように秘密のうちに策動・活躍する
悪事千里<アクジセンリ>悪いことはどんなに隠してもたちまち評判になり、世間に知れ渡ってしまう
悪口雑言<アッコウゾウゴン>口にまかせて様々に悪口をいいまくること
愛別離苦<アイベツリク>親子・兄弟・夫婦など愛する者と生別・死別する苦しみ
曖昧模糊<アイマイモコ>物事の本質や実体が、ぼんやりして何かはっきりしない様子
悪戦苦闘<アクセンクトウ>死にものぐるいの苦しい戦い。困難な状況の中で苦しみながら努力すること
安心立命<アンシンリツメイ>天命に身を任せて心を動かさず、煩悶もないこと。いかなる場合にも心が落ち着いている
悪逆無道<アクギャクムドウ>道理にはずれたひどい悪事を行うこと。道徳にそむく残酷な行為
蛙鳴蝉噪<アメイセンソウ>カエルや蝉がやかましく鳴き立てるように、ただやかましく騒ぐこと。騒がしいばかりで役に立たない議論や文章のたとえ
暗雲低迷<アンウンテイメイ>今にも雨が降り出しそうな場合のように危険なよくないことが起こりそうな気配。不穏な情勢
安寧秩序<アンネイチツジョ>世の中が平穏で公共の安全や社会の秩序が保たれていること。やすらかな状態
阿鼻叫喚<アビキョウカン>悲惨な状態に陥り、泣き叫んで救いをもとめるようすのたとえ。「阿鼻」は無間地獄
安車蒲輪<アンシャホリン>老人をいたわり、大事にすること。安車とは、座って乗る車〜〜やわらかい車輪の
愛及屋烏<アイキュウオクウ>愛憎の情はその人だけでなく、その人に関係するものにまで及ぶ
哀鴻遍野<アイコウヘンヤ>敗残兵や難民がいたる所に見られる惨澹たるさま
相碁井目<アイゴセイモク>何事につけても人の実力は上下様々、バラエティーに富んでいる。相碁とは実力が相等しいもの同士で打つ碁のこと。井目とは碁盤にしるされた九つの黒い点
愛執染着<アイシュウゼンチャク>男女の愛欲の執着。愛にとらわれるの意。愛染の語源
愛多憎生<アイタゾウセイ>度を過ぎて愛情を受けることは第三者の憎しみをかい、身の破滅のもと。人の愛情に甘え過ぎてはいけない
阿吽二字<アウンニジ>阿は最初の字音、吽は最後の字音。この二字で最初と最後を表す。密教ではこれを一切の原初と窮極を象徴するものとして阿を万有が発生する理念の本体、吽をそれが帰着する知徳を意味するものとする
悪人正機<アクニンショウキ>人間は如来の本願にすがってこそ救われる。自分を悪人と思う人は、まさに本願他力の正しい機会を得ている
握髪吐哺<アクハツトホ>人材を得ようとして努めること。また、すぐ人に会うこと。どんな時にも客人を待たせない努力
悪婦破家<アクフハカ>悪妻は夫の一生をだいなしにし、家庭を壊すということ。悪妻は百年の不作
悪木盗泉<アクボクトウセン>どんなに苦しくても道に背くようなことはしない、してはならないという教え。不義、悪事には決して近付くな
阿衡之佐<アコウノサ>天子を補佐する賢臣、名宰相のたとえ。阿衡とは総理大臣のことで、それを助ける者
阿修羅道<アシュラドウ>強い闘争心と猜疑、嫉妬、執着の心をいう。地獄、餓鬼、畜生、人間、天上と並んで六道のひとつとされる修羅道の世界
安居楽業<アンキョラクギョウ>居所、地位も安定し楽しく仕事をしているさま。居に安んじ業を楽しむ
晏子之御<アンシノギョ>低い地位に満足して得意がる小人物。また、主人の権威を笠にきて威張ることのたとえ
安常処順<アンジョウショジュン>平穏な日々に慣れ、順境に身をおく状況。無風状態の平和でのどかな暮らし
按図索駿<アンズサクシュン>生きた実物の馬を知らないで、絵や書物による知識に頼り、駿馬を探し求めるように実際の役に立たない知識や行動
黯然銷魂<アンゼンショウコン>悲しみや愁いに打ち沈むさま。悲嘆にくれ悄然として魂が抜けたような状態
暗送秋波<アンソウシュウハ>ひそかに秋波を送る。こっそり取り入ること。秋波は秋の澄んだ水の波から、美人の涼しげな目もとを指し、転じて人にこびる目つき、流し目の意となった
安宅正路<アンタクセイロ>仁と義のこと。仁は人の安全な住居であり、義は人の正しい通路であるという孟子の言葉
暗渡陳倉<アントチンソウ>策略をもって相手を迷わせること。転じて男女が密かに通じあうたとえ
安如泰山<アンニョタイザン>泰山は山東省にある名山。泰山のように微動だにしない安定したさま
按部就班<アンブシュウハン>文章の構成に応じて語句を選択して使用すること。順序を追って実行する。段取りを踏んで事を運ぶたとえ
安分守己<アンブンシュキ>おとなしくして自分の仕事をして己の分際、本分を守る生き方
按兵不動<アンペイフドウ>兵隊をじっとおさえて進めない。しばらく様子を見て機を待つこと
安歩当車<アンポトウシャ>貧乏に安んじて我慢するたとえ。誰でも歩くよりは車に乗るほうがいい。しかし、買えるほど財産がないから車のかわりにのんびり歩こう
安楽浄土<アンラクジョウド>現実の世界のような苦悩はなく、一切の心配やけがれなどもなく、安心して楽しく生活できる清浄な国土

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以心伝心<イシンデンシン>言葉ではなかなか伝えられない深遠なものでも真心があれば相手に伝わる
意馬心猿<イバシンエン>心に煩悩や欲情が盛んに動いて、心中の鎮まらないこと。暴れる馬や野猿は制することが難しいのにたとえて
韋編三絶<イヘンサンゼツ>熱心に読書すること
異口同音<イクドウオン>多くの人が、同じ言葉を口にすること。また、多くの人が一致して同じ意見をいうこと
意気軒昴<イキケンコウ>意気込みが盛んな様子。元気や勢力の盛ん
意気消沈<イキショウチン>意気込みが衰え、沈むこと。また、元気をなくし、しょげてしまうこと
意気投合<イキトウゴウ>お互いに気持ちが通じ合い、一体感を感ずる。互いの気持ち、考えなどがぴったりと一致して親しくなること
意気揚々:イキヨウヨウ:気持ちが高揚し、いかにも誇らしげに振る舞う様子。威勢がよく得意そうなさま
意志薄弱<イシハクジャク>意志が弱く、忍耐、決行などをなしえぬこと、がまん強さに欠けること
威風堂堂<イフウドウドウ>外見が立派であるさま。威厳があっておごそかなようす
意味深長<イミシンチョウ>言葉などの内容が奥深いこと。発言や行動の奥に表面上の意味とは別の含みがある様子
因果応報<インガオウホウ>よい行いをした人には良い報い、悪い行いをした人には悪い報いがある。過去および前世の因業に応じて果報がある
慇懃無礼<インギンブレイ>言葉や物腰が丁寧すぎて、かえって礼儀にはずれていること。丁寧な態度に反して尊大
因循姑息<インジュンコソク>古い習慣に従って改めず、また、一時しのぎに間に合わせのやりかたをすること
唯唯諾諾<イイダクダク>事の善悪・是非をかまわず、他の意見に盲従すること。人の言いなりになるようす
異端邪説<イタンジャセツ>正統でないよこしまな教え、思想、学説。聖人が行なうべきでない正しくない教え
因循姑息<インジュンコソク>古い習慣にしたがって改めず、また、一時しのぎに間に合わせのやりかたをすること。また、消極的でぐずぐず迷っている様子
異域之鬼<イイキノキ>他国で死ぬこと。またその遺体が本国に戻らない死者の魂をいう
以夷制夷<イイセイイ>自国の武力を行使しないで外国同士を戦わせ、外敵の圧力が自国に及ばないようにする外交政策
易往易行<イオウイギョウ>たやすく往生でき楽に修行できる。南無阿弥陀仏と唱えるだけで極楽往生できると説く、他力念仏の浄土系の教えをいう
移花接木<イカセツボク>花の枝を接ぎ木する。ひそかに人や物を取り替え、表面をつくろうこと。巧みにすり替える
遺憾千万<イカンセンバン>残念で仕方ないこと。非常に心残りであること。くちおしくてならない
以杞包瓜<イキホウカ>高位の者がへりくだって賢者を求めること。杞(高木の葉=高位の者)をもって瓜(うり=賢者)を包むこと
委曲求全<イキョクキュウゼン>委曲を尽くして全体の調和をはかること。また全体がうまくいくように細かいことは譲歩するたとえ。委曲は詳しく細かにすみずみまで行き届いていること、対象となるものに任せ従う
以魚駆蠅<イギョクヨウ>魚で蠅を追うとかえってますます蠅が寄ってくることから、物事の処理・解決に間違ったやり方・手段を用いるたとえ
衣錦還郷<イキンカンキョウ>立身出世して生まれ故郷へ帰ること。錦を衣(き)て郷に還(かえ)る
夷険一節<イケンイッセツ>自分の運命が平穏であろうと、また険しく厳しいものであろうと、節操を変えずその職責を全うすること
為虎添翼<イコテンヨク>強いものに、さらに勢いをつけること。虎に翼を添えるともう、かなう者はいない
意在言外<イザイゲンガイ>はっきり言わずに言外ににおわせる。文章でいうと行間に真意を含ませる表現法
移山倒海<イザントウカイ>自然を征服しようとするくらい意気込みの盛んなさま。転じて大規模な工事のたとえ
以耳代目<イジダイモク>実際には見ていないのに聞いただけで見たことにする。他人の報告をそのまま信用すること
遺臭万載<イシュウバンザイ>悪名や、よくない評判を後世まで残すこと
意匠惨澹<イショウサンタン>物事を考案するのに苦心すること
以升量石<イショウリョウコク>小人の狭い心では大人物・賢人の大きな心を量り知ることは無理だ、という
医食同源<イショクドウゲン>医薬や食事ももとは同じ、天然のものに頼るのがいい。東洋医学の発想から生まれた予防医学的なたとえで、日常の食生活の中にも医療の根源があるということ
衣食礼節<イショクレイセツ>生活が豊かになれば、道徳心が高まって礼儀を知るようになる。衣食足りて礼節を知る
意先筆後<イセンヒツゴ>書を作るに当たっては、まずその作品についての意図・構想を明確にさせてから書くべきだ。技法より作者の主体的なモチーフ、意図を重視した言葉。
一衣帯水<イチイタイスイ>一本の帯のような狭い川や海のこと。また、そのような水を隔てて近く接していること。
一字千金<イチジセンキン>価値の高い文章。一字に千金の価値があること。
一日之長<イチジツノチョウ>技能や経験・知識などがいくらか勝っていること。年齢が少しだけ多い。
一文不通<イチブンフツウ>無学で文字を知らないこと。
一文半銭<イチモンハンセン>ほんのごくわずかな金銭。
一粒万倍・一意専心<イチイセンシン>他に心を向けず、ひたすらひとつのことに心を集中すること。わき見をせずその事のみに心を用いること
一期一会<イチゴイチエ>一生に一度の出会いのこと。また、そのことが生涯に一度限りであることを表し、人との出会いなどの機会を大切にすることのたとえ
一言半句<イチゴンハンク>ちょっとした短い言葉。ほんのわずかな言葉
一汁一菜<イチジュウイッサイ>ひと碗の吸い物と一品のおかず。質素な食事をいう。
一場春夢<イチジョウノシュンム>人生のはかないことのたとえ。人の栄枯盛衰は、春の夜のように極めてはかないという意味。
一族郎党<イチゾクロウトウ>血縁のある同族と家来たち。家族や関係者の全員
一日千秋<イチジツセンシュウ>一日会わないだけで随分会わない気がする。非常に思い慕うことの形容
一念発起<イチネンホッキ>あることを成し遂げようと強く決心すること
一部始終<イチブシジュウ>ある事の初めから終わりまで、こまごましたことまで全部のこと
一望千里<イチボウセンリ>見渡す限り遠くまでも、じつに広々としている形容
一枚看板<イチマイカンバン>ただそれだけで他に代わりのないもの。また、大勢の中の中心人物
一網打尽<イチモウダジン>一あみで魚を捕らえ尽くす。罪人・徒党を一時に全部捕らえるたとえ
一目瞭然<イチモクリョウゼン>ただひと目見ただけで、はっきりよくわかる。わかりきっていること
一陽来復<イチヨウライフク>よくないことが続いた後に、よいことがめぐってくる意
一両万倍<イチリュウマンバイ>ひと粒の種から一万倍もの収穫があること。わずかのものから多くの利益を得るたとえ
一蓮托生<イチレンタクショウ>結果や物事の善悪に関係なく、行動や運命を共にすること。
一路平安<イチロヘイアン> 一獲千金<イッカクセンキン>一度にたくさんの利益を得ること
一路平安<イチロヘイアン>旅人に旅の平安無事を祈って言う語。「道中、ご無事で〜」
一家眷属<イッカケンゾク>家族と親戚・親族のこと。一族郎党
一家団欒<イッカダンラン>家族全員が集まり、仲良く語り合って時を過ごすこと
一喜一憂<イッキイチユウ>状況が変わるたびに喜んだり心配したりして落ち着かないこと
一気呵成<イッキカセイ>物事をひといきに成し遂げてしまうこと
一騎当千<イッキトウセン>一人で千人の敵に対抗することができること。人並みはずれた技術や経験のあること
一挙一動<イッキョイチドウ>一つ一つの動作や行動。ちょっとした動作、振る舞いのこと
一挙両得<イッキョリョウトク>一つの動作や行動によって二つの利益を得ること。一度にふたつの目的がかなうこと
一刻千金<イッコクセンキン>わずかな時間が千金にも値すること。大切な時や楽しい時が過ぎ易いのを惜しむ気持ちを表す。
一切合切<イッサイガッサイ>なにもかも、すべて。 全部、残らず。
一子相伝<イッシソウデン>学術・技芸などの奥義を、代々自分の子供の一人だけに伝えて他には教えず、秘密に受け継いでいくこと。 家伝の秘。
一視同仁<イッシドウジン>誰にも差別をせず、全ての人を平等に見て同じように思いやりをもって待遇すること
一紙半銭<イッシハンセン>一枚の紙と金額の半銭。わずかなもののたとえ
一瀉千里<イッシャセンリ>物事の進み方が非常に速いこと。また、弁舌や文章がよどみなくすらすらと進むこと。
一宿一飯<イッシュクイッパン>旅の途上、食事をふるまい、一晩泊めてやる。
一生懸命<イッショウケンメイ>物事を命がけで真剣にすること
一唱三嘆<イッショウサンタン>詩文などを一度読んで何回も感嘆すること。すぐれた詩文などを称賛していう。
一触即発<イッショクソクハツ>ちょっと触れただけですぐに爆発すること。非常に切迫しているようす。
一進一退<イッシンイッタイ>進んだり後戻りしたり、症状や情勢などが良くなったり悪くなったりすること
一心同体<イッシンドウタイ>二人以上の人間の心が一致し、同じ体、すなわち一人の人間であるような強い結びつきをすること。
一心不乱<イッシンフラン>心をひとつに集中し、他の事のために心を乱されない。わき目もふらない
一世一代<イッセイチダイ>人の一生のうちで、たった一度の意。特に、役者などが一生涯にただ一度きりという得意の芸を演ずること
一石二鳥<イッセキニチョウ>一つの行為から、同時に二つの利益・効果を得ることのたとえ。
一致団結<イッチダンケツ>多くの人々がある目的に向かって心を合わせ、まとまって事を行うこと
一知半解<イッチハンカイ>知識が充分に自分のものになっていないこと。なまかじりの知識。半可通
一張一弛<イッチョウイッシ>厳しく、また時には寛大に。弛んでいることと張っていること。
一朝一夕<イッチョウイッセキ>非常に短い間。わずかの時日
一長一短<イッチョウイッタン>長所もあり、短所もあること
一得一失<イットクイッシツ>一方は良いが一方は良くないこと。利益があると同時に一つの損があること
一刀両断<イットウリョウダン>物を一太刀で真っ二つに切ること。断固たる態度で、物事を処理することの意に使われる。
溢美溢悪<イツビイツアク>ほめすぎと、けなしすぎ。過度の賛辞と悪口のたとえ。
意到随筆<イトウズイヒツ>文章が自分の意のままに書けること。
以毒制毒<イドクセイドク>逆効果を利用し悪人を使って悪党を制圧するたとえ。毒を消すのに他の毒を用いる意。
以肉去蟻<イニクキョギ>蟻の好きな肉で蟻を追い払おうとすると、かえって無数の蟻が集まってくる。方法を間違うと逆効果を招くということ。
衣鉢相伝<イハツソウデン>弟子が師の教え、道を伝えるたとえ。師匠の道を受け継ぐ。
威風凛凛<イフウリンリン>威光があって犯しがたいさまをいう。雄々しく、きりりとした容姿、態度。
以弁飾知<イベンショクチ>口先の弁舌で自分の知識を飾り立てようとすること。実力がないのに巧みな弁舌で知識があるようにみせかけること。
以暴易暴<イボウエキボウ>暴力でもって暴力を制すること。
以貌取人<イボウシュジン>人の能力や言動を考えないで、容貌だけを見て人を採用すること。顔つきで人を判断する。
移木之信<イボクノシン>政府が公約を守り、政治に対する不信を除き、法の権威と秩序を示すたとえ。
葦末之巣<イマツノス>水辺の葦の先に巣を作る鳥は、いつも危険にさらされて落ち着かない生活をしなければならないということ。住居が不安定で危険なさま。
以卵投石<イラントウセキ>卵を石に投げても石は傷つかない。むだで勝負にならず、損害ばかりで益のないこと。
隠晦曲折<インカイキョクセツ>言い方が遠回しではっきりしない。回りくどくて、わかりにくい言い方、表現のたとえ。
飲灰洗胃<インカイセンイ>胃袋の中の汚いものを灰で洗い清めるように、自分の過去を悔い、心を改めて出直すこと。
殷鑑不遠<インカンフエン>鑑(かんが)みる戒めは、すぐ手近にあるというたとえ。
因機説法<インキセッポウ>その場その場に対応して仏法の真理を悟らせようとする説法。
婬虐暴戻<インギャクボウレイ>女色に溺れ、暴虐で人倫を乱すこと。
韻鏡十年<インキョウジュウネン>漢字、漢文の音韻学は非常にむずかしく、音韻の研究書「韻鏡」を十年引いても難解ということ。
咽喉之地<インコウノチ>戦略的に見て、国の一番重要な土地をいう。人間の体でいう急所「のど、くび」にたとえた言葉。
因循守旧<インジュンシュキュウ>旧習を守って改めようとしないこと。しきたりどおりにして改めない。
因小失大<インショウシツダイ>目先の小利をむさぼって大利を失う。小に因(よ)りて大を失う。
隠姓埋名<インセイマイメイ>姓名を隠し、偽名を使って世渡りすること。また、改名したりして他郷に逃亡するたとえ。
陰徳陽報<イントクヨウホウ>人知れず善行を積めば、必ずよい報いとなって現れてくるという意味。
隠忍自重<インニンジチョウ>我慢して軽々しい行動をしないこと。よくいえば慎重、悪くいえば引っ込み思案。
陰謀詭計<インボウキケイ>密かにたくらむ悪だくみと人をあざむく計略策謀。「詭」はいつわりあざむく意。
引喩失義<インユシツギ>つまらない前例やたとえを引いて正しい本来の意義を見失うこと。良くない先例をひいて正しい道を踏み外す意にも用いる。
 辞 典  四字熟語   う
海千山千<ウミセンヤマセン>海に千年、山に千年住んでいたかのような一筋縄ではいかない経験豊富でしたたかなやりかた。
烏合之衆<ウゴウノシュウ>カラスの群れのように、規律も統制もない大勢の人の寄り集まり。また、そのような軍隊や、群衆。
紆余曲折<ウヨキョクセツ>経てきた事情などが、ひとことで言えないほど曲がりくねっていて複雑で厄介なこと。
有為転変<ウイテンペン>仏教の教えで、この世の現象はすべてとどまることなく移り変わっていくものだということ。〜〜〜無常ではかないこと。
右往左往<ウオウサオウ>右へ行ったり左へ行ったりするように、うろたえ、混乱する様子。
有象無象<ウゾウムゾウ>つまらない人のことを賎しむ語。世の中の様々なくだらないもののこと。
雲散霧消<ウンサンムショウ>雲や霧が消え去るように、物事が跡形もなく消えてしまうこと。
有耶無耶<ウヤムヤ>あるのかないのかはっきりしないこと。いいかげんなこと。
烏兔怱怱<ウトソウソウ>月日が流れるのは早いということ。
右顧左眄<ウコサベン>右か左か決めかねて迷うように、人の思惑などまわりのことばかり気にして決断をためらうこと
羽化登仙<ウカトウセン>羽が生えて天に昇っていくように、酒に酔って良い気持ちになること
有頂天外<ウチョウテンガイ>有頂天を極め、さらにその上の状態
運否天賦<ウンプテンプ>人の幸運や不運は、天によって定められ、与えられること。また、運を天に任せること
雲煙過眼<ウンエンカガン>雲や霞がたちまち目の前を通り過ぎるように、その場限りで、心にとめないこと
雲泥万里<ウンデイバンリ>天と地が遠く隔たっているほどに、二つのものの差が大きいこと。極端に違うもののたとえ
雲蒸龍変<ウンジョウリュウヘン>雲がわきあがり、龍がそれに乗って不思議な働きをする。英雄・豪傑が機会を得て世に出て、活躍するたとえ
雨過天晴<ウカテンセイ>うっとうしい雨が止んで青空が広がる。悪い状況が好転するたとえ
雨奇晴好<ウキセイコウ>晴れても雨でも、どちらも素晴らしい景色で、趣があるという意。晴好雨奇とも書く
有卦七年<ウケシチネン>幸運の年まわり。有卦に入ること。ついていて調子のいいたとえ。有卦に入れば吉が7年、無卦に入ると凶が5年続くという
雨後春筍<ウゴシュンジュン>ひと雨降った後に沢山生え出るタケノコのように数が多いこと。事物が増えるのが速くて勢いが盛んなたとえ。
有相執著<ウソウシュウジャク>形ある現象の姿にとらわれる心。それらが一切皆空であることを悟らないで執着心を起こす
烏孫公主<ウソンコウシュ>政略結婚の犠牲、またそれによって悲運に泣く女
有智高才<ウチコウサイ>生まれつき頭の働きがよく、学習によって得た才能も優秀なさま。〜その人
烏鳥私情<ウチョウシジョウ>親孝行をしたいという気持ちをへりくだっていう言葉。カラスはひなの時に養われた恩を成長してから返す親孝行な鳥とされている
迂直之計<ウチョクノケイ>そうは見えないが実際は最も効果的な計略。わざと迂回して敵を安心させ、妨害をうけず先をゆく戦法
烏白馬角<ウハクバカク>カラスの頭が白くなり、馬に角が生じる?!? 絶対ありえないっ!
烏飛兔走<ウヒトソウ>烏は太陽、兔は月。歳月の経つのがあわただしく速い。 =兔走烏飛
羽翼既成<ウヨクキセイ>物事の組織や基礎ができあがり、いまさら動かしようがない
雲烟飛動<ウンエンヒドウ>雲や霞が飛動するように躍動した筆勢の文字。書道でいう「草書」自由自在な筆運び
雲外蒼天<ウンガイソウテン>困難を乗り越え努力して克服すれば快い青空が望める。絶望してはいけない
運斤成風<ウンキンセイフウ>大工の凄腕から。みごとな工作。ヒトに詩文の添削を頼む
雲合霧集<ウンゴウムシュウ>雲や霧があっという間にたちこめる。多くのものが一時にどっと群れ集まる
雲中白鶴<ウンチュウハッカク>雲間を優美な姿で飛翔する白鶴のイメージ。品性の優れた高尚な人物、婦人
 辞 典  四字熟語   え
栄枯盛衰<エイコセイスイ>人や組織の隆盛と衰退は必ず交互にやってくるのが歴史に基づく現実
栄耀栄華<エイヨウエイガ>富や地位を得て繁栄し得意になる。驕り昂り贅沢三昧する
会者定離<エシャジョウリ>人に出会っても必ず別れのときが来る。人の世はセツナイ
蜿蜿長蛇<エンエンチョウダ>行列などが、長い大きな蛇のように、うねりながら一列に続いている
易姓革命<エキセイカクメイ>王朝がかわること
円満具足<エンマングソク>充分に満ち足りて不足がない。欠点がなく温厚な人柄
遠交近攻<エンコウキンコウ>遠くの国とは親しくして、近くの国を攻める
円転滑脱<エンテンカツダツ>人と争わずに巧く物事を運ぶ。かどが立たない
円頂黒衣<エンチョウコクエ>まるい頭に墨染め衣、ときたら!僧侶。
鉛刀一割<エントウノイッカツ>なまくら刀で物を断ち切る。自分の微力を謙遜するコトバ
英華発外<エイカハツガイ>物事のすぐれた美しさが表面に現れた。すぐれた詩や文章、名誉、ほまれ
英姿颯爽<エイシサッソウ>キリリ引締まって凛々しく勇ましい。きびきびとして勢いのある様子
永字八法<エイジハッポウ>すべての字の書き方の基本は「永」の一字に含まれている。運筆の八法を伝授する書法
曳尾塗中<エイビトチュウ>成功して束縛されるより、貧しくとも自由な生活をするほうが楽しい、と
盈満之咎<エイマンノトガ>満ちれば欠ける。何事も満ち溢れるほどになるとかえって禍いを招くという戒め
英雄欺人<エイユウギジン>才知のすぐれた人物は、常人の思いつかないようなことをして人の意表をつく
益者三楽<エキシャサンゴウ>礼楽に親しみ調和のとれた暮らし。人の美点を話題にする。立派な友を多く持つ。有益な三つの楽しみ
役夫之夢<エキフノユメ>人生の栄華は夢のようにはかないものというたとえ。転じて、欲求不満を夢で補うこと
廻向発願<エコウホツガン>自らが積んだ功徳(善行)を人々や他のものに振りむけて、浄土に生まれようと願う心を起こす。仏事法要を営んでその功徳が死者の安穏をもたらすように期待すること
越鳥南枝<エッチョウナンシ>渡り鳥でも故郷に近い南側の枝に巣を作る。故郷を忘れがたいたとえ
越畔之思<エツパンノオモイ>田の境界のあぜ道を踏み越える。自分の責務を守り他人の領分を侵さぬよう慎む心構え
烏帽子親<エボシオヤ>武家の男子の元服の祝儀。親に代わって烏帽子をかぶらせ、烏帽子名をつける有力者
煙霞痼疾<エンカコシツ>自然の風景を愛する心がとても強く病みつきになる。旅行好き。隠居
燕雁代飛<エンガンダイヒ>春、燕が来る時雁は去り、雁が再び渡ってくる秋には燕が飛び去ってゆく。渡り鳥にみる春秋の移り変わるさま
燕頷投筆<エンガントウヒツ>つばめ似のあごは武士に秀でる骨相のひとつとされた。文筆を捨てて武事につくたとえ
延頸鶴望<エンケイカクボウ>首を鶴のように長く伸ばして相手を待ち望む。今か今かと待望する切実なキモチ
猿号擁柱<エンゴウヨウチュウ>弓の名人の凄腕をいうたとえ
掩耳盗鐘<エンジトウショウ>小策をろうして自分を欺き悪事を働く。愚か者のたとえにも
燕雀相賀<エンジャクソウガ>燕と雀は人家に巣を作るので新しい家の完成を共に喜ぶ。新居の落成祝の言葉
遠水近火<エンスイキンカ>遠い所にあっては急場の役に立たない「遠水、近火を救わず」
遠走高飛<エンソウコウヒ>遠方へ高飛びする。苦境を脱して明るい道を求める場合にも
燕巣幕上<エンソウバクジョウ>幕の上にツバメが巣を作るように不安定で危険な場所に居住する
怨徹骨髄<エンテツコツズイ>うらみ骨髄に徹す。心底人を怨む
塩鉄之利<エンテツノリ>塩と鉄の専売制度の名残り。政府の専売によっておさめる利益
延年益寿<エンネンエキジュ>寿命を延ばす。長生きはよいことだから長寿はメデタイ
鳶飛魚躍<エンピギョヤク>鳥のように自由に、水を得た魚のごとく、自己の本性のおもむくまま思うがまま生きる楽しさ
縁木求魚<エンボクキュウギョ>「木に縁(よ)って魚を求む」誤った手段では目的が達成できない。不可能
円木警枕<エンボクケイチン>勉強(学問)に一所懸命励む。苦学する
遠慮近憂<エンリョキンユウ>孔子曰く「先のことまでよく考えて行動しなければ必ず急な心配事が起こって苦しむことになります」行き当たりばったりの行動を慎しみなさい
 辞 典  四字熟語   お
温故知新<オンコチシン>古きを温め新しきを知る。新しいことを進めるにも過去から充分学び知恵を得よう
岡目八目<オカメハチモク>碁を見物してるだけのが形勢が読める。傍観者は当事者よりも状況が把握できる
音信不通<オンシンフツウ>便りや連絡が絶え、まったく様子がわからない
大盤振舞<オオバンブルマイ>気前よく人に物をあげたり、ご馳走したり、
横行闊歩<オウコウカッポ>いばりちらす。おもいのままに振る舞う
王道楽土<オウドウラクド>王道によって治められる楽しく平和な国土
温厚篤実<オンコウトクジツ>性格が穏やかで情に厚くて誠実
厭離穢土<オンリエド>煩悩に汚れた悪のはびこるこの世を嫌って離れてしまう
音吐朗朗<オントロウロウ>発声が明瞭で声量が豊かで響きわたる
乳母日傘<オンバヒガサ>乳母が日傘をさしながら抱きしめるように、恵まれた環境で大切に子供を育てる
怨憎会苦<オンゾウエク>恨みつらみ憎らしい人とも会わなければならない苦悩
屋下架屋<オクカニオクヲカス>屋根の下にまた屋根を架けるように無駄に余計な行動
横行覇道<オウコウハドウ>権勢をたのんで横暴に力づくで無理を通しのさばりかえる
鴬語花舞<オウゴカブ>春の情景を感覚的に詠った風物詩。花が舞い鴬が美しい声を響かせ「春爛漫」
黄金分割<オウゴンブンカツ>小と大の比 = 大と全体の比 に分割すること。比率は1.618 対 1
王政復古<オウセイフッコ>武家政治や共和制が廃止され君主政治に戻ること。例えば明治維新
横眉怒目<オウビドモク>眉をつり上げ険しい目付きで睨みながら怒る。目くじらをたてる
応病与薬<オウビョウヨヤク>病気によって最も適した薬を与える。人それぞれに合った応対を
往返徒労<オウヘントロウ>むだな往復。無駄足を踏む
恩威並行<オンイヘイコウ>恩賞と刑罰とが並行して行われる
温良恭倹<オンリョウキョウケン>おだやかに温和に優しくつつましやかに敬意をもって人に接する
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