スピリチュアルとはまるで無縁だったころ、滅多にベストセラーには手を出さない私が、『金持ち父さん貧乏父さん』
(ロバート・キヨサキ著/筑摩書房)という本を買いました。
その内容は、会社勤めをして安定収入を得ることが、最も安心な生活なのだと信じていた私に、大きな衝撃を与えました。
私は、本当に影響を受けやすい人間なのです。お金持ちになりたい!と思ったのです。
そのためには、自分だけが働いているのではなく、お金に働いてもらわなければ駄目なのだと思ったのです。
何年かは、その本にあるように投資をして、嘘のように儲かりました。その本自体は、既に開くこともなくなっていました。
しかし、2008年にリーマンショックがやってきて、まだまだ勉強不足だった私は非常な痛手を被り、悠々自適の生活は脆くも崩れ去りました。
投資しながら悠々自適とは、言葉の使い方が間違っているかもしれませんが…
その後、『ガラクタ捨てれば未来がひらける』と、大掃除をして、本も処分しようと本棚を見ていたとき、
久しぶりに『金持ち父さん貧乏父さん』を手に取りました。処分の山に置いたのですが、
なんとなく、もう一度読んで、大切だと思う部分をメモしてからにしよう、と思ったのです。
そうして、読むように薦められていたので書き出した本の一つが、『思考は現実化する』(ナポレオン・ヒル著/きこ書房)だったのです。
なんとスピリチュアルなタイトルではありませんか。最初に読んだときには、紹介されていても、読もうなどと思わなかったのに、不思議なことです。
人間、無意識の内に、今現在、自分が必要としている情報を集めるものなのでしょう。
文中では『頭を使って金持ちになろう』と訳されていましたが、探してみると、『思考は現実化する』というタイトルで出版されていたのです。
ハードカバーの愛蔵版と、ペーパーバックの携帯版がありましたが、携帯版でもB6で厚さ3cmというボリュームです。
成功したいビジネスマン向けの本だから、内容を見たら買う気にならないかもと思いつつ、ぱらぱらと見ていたら、
「七つの基本的な不安」という文字が目に入ってきました。丁度、いろいろなことが不安でならない時期だったので、呼ばれたのでしょうか。
その部分だけでもじっくり読みたいと思い、購入を決めました。そして、ちょっと引きぎみに読み始めたのですが、読み進むにつれ、どんどん引き込まれていきました。
そして思いました。ジャンルを問わず、何事かを極めた人の考え方は、スピリチュアルだと。
ナポレオン・ヒルは、鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの依頼を請け、カーネギー自身及びその他のたくさんの人々へのインタビューと、
その人々のその後の失敗と成功についてまでもを分析し、20年かけて成功のノウハウをまとめ、この本を出版しました。
依頼と言っても、カーネギーからは金銭的援助は一切なく、20年間苦しい生活を続けたようです。
しかし、最終的には、大変な成功をおさめました。そして、「この私の横に立っている透明人間が私を導いてくれた」と言っているのです。
どうです、スピリチュアルじゃありませんか。