バザタごのみ

スピリチュアリズム  —チベットの死者の書から—

現代人のための「チベット死者の書」 w

  父が亡くなった時、唐突に、「チベットの死者の書」を読まなくては、と思いました。 危機的状況にある人間は、それまでの経験の中から必要な情報を探そうとすると言いますが、それに近いものだったのかもしれません。 昔テレビで見た「チベット死者の書」に関する番組を思い出したのです。
  チベットでは、死に行く人の枕辺で僧侶が、死後あの世へ辿り着くまでの道のりについて詳しく話し聞かせるのだということでした。
  父は既に旅立ってしまったけれど、取り立てて信仰の厚い人ではなかったから、今からでも私が、死後の道を読み聞かせなければ 迷うのではないかと…大した親孝行もできてなないから、せめてそのくらいはしたいと、思ったのです。
  早速書店へ行ったところ、幸い「チベット死者の書」』(ロバート・A・F・サーマン著/朝日新聞社)という本が出版されたばかりだったので、 直ぐに入手することができました。
  そして、これが、私が、スピリチュアリズムというものに本格的に興味を持つことになるきっかけとなりました。
  初七日とは、四十九日とは何か。『チベット死者の書』を読んだ後は、意味のあることとして捉えるようになりました。 仏教についてもっと知りたいと思い、この後、何冊か仏教関係の本も読んだのですが、いつからか、興味は、仏教からはずれて行きました。
  何事も興味を持ち始めると、関連情報が目につくようになるものですが、今回は、仏教に限定されたものではなく、 いろいろな宗教の根底にある、というか、人類に共通した考え、という方向に向かいました。それがスピリチュアリズムだったのです。
  私の解釈では、スピリチュアリズムとは人類共通の真実ではないか、と思うのです。