ハアゲンティ - haagenti -

33軍団を支配する長官。

あらゆる金属を金に変え、水をワインに、ワインを水に変えることができる。 (人の金運を操れるという意味らしい)人を賢くすることもできる。また、相手に幻聴を起こさせる。

グリフォンの翼を持つ、逞しい雄牛の姿で現れるが、術者の命令によって人の姿をとることもできる。

ソロモン72柱の一人。

パイモン/ペイモン - Paimon/Paymon -

200もの悪霊軍団を従える偉大な王。しかし、ルシファーには従順であるという。

すべての技芸、科学、そし秘密の事柄について教える。術者のあらゆる質問に答えることができる。

吠えるような大声で話す。頭に栄光の冠をかぶり、大勢の悪霊がトランペットを演奏して進む後ろから、ヒトコブラクダに乗って現れる。

ソロモン72柱の一人。

ハウレス - Haures -

36軍団を従える、偉大な公爵。

過去から未来に渡る全てのことについて真実を答える。また、この世界の創造と神、そして自分たち悪魔の転落について話す。術者が告げる敵を、火によって滅ぼす。

大きく恐ろしい豹の姿で現れるが、命じれば人の姿になる。この場合でも、非常に恐ろしい表情をしており、その眼には炎が宿っている。

ソロモン72柱の一人。

バエトル - Baetl -

ソロモン72柱の一人。猫やガマの姿を取って現れる。姿を消す能力を与えてくれる。
バエル - Bael -

バビロニア(カナン地方)

地獄の悪霊66軍団を率いる王。東を統治している。

人を透明にする力がある。また、人に奸計を授ける力があると言われる。

猫やカエル、もしくは人の姿で現れるが、この三種が入り交じった姿の時もある。かすれ声で話す。

バエルの起源は、恐らく古代バビロニアのセム人の有力な神、バールにある。本来、バールという言葉は、「主」を表す。カナン地方の豊穣の神であった。

ソロモン72柱の一人。

破壊の天使 - Angels of Destruction -

罪人に対して下す罰が、あまりにも悪魔的であるため、彼等が、神とサタンのいずれに仕えているのかについては、意見の分かれるところであるが、彼等が破壊に際し、「神の剣」を用いるところからすると、やはり神に仕えていると考えるのが妥当であろう。ユダヤの伝承では、9万の破壊の天使がいるとされる。破壊の天使の統率者は、カマエル(ケムエル)、シンビエル、アズリエル、ハルボラー、ザアフィエル、アフ、コラザンタであり、場合によっては、ウリエルも加えられる。
ハーゲンティ - Haagenti -

地獄の大総裁で、33の軍団を従える。グリフォンの翼を持つ牡牛の姿で現れ、黄金や極上の葡萄酒を作る技術を与えてくれる。ソロモン72柱の一人。
バシン/バシム/マシム - Bathin/Bathym/Mathim -

大いなる力強き公爵であり、30軍団を支配する。

薬草と宝石の力に関する知識がある。人を瞬時に他の地に飛ばす事ができる。

巨蛇の尾を持つ逞しい男の姿で、蒼白の馬に乗って現れる。

16世紀の悪魔学者(デモノロジスト)、レジナルド・スコットもその著書の中で言及している。

ソロモン72柱の一人。

ハダーニエル - Hadarniel -

「神の偉大さ」という名の示す通り、雄大な体躯と、天上界に響きわたる声を誇る天使である。ユダヤの伝説によると、天国へトーラーを取りに来たモーゼを、初めは脅したが、そのことを神にたしなめられるや、態度を変えてモーゼの案内人を務めた。
ハニエル - Haniel -

キリスト教、ユダヤ教 天使
7人の大天使の一人として、名前が上がっているが、説によっては外されている。
天使暦では、金曜日を司る。

バベルの塔 - The Tower of Babel -

キリスト教の神話伝説(Christian Legends)
オリエント神話(Near Eastern mythology)

キリスト教の伝説によれば、ノアの洪水の後、ノアの息子の一人であるハムはバビロンの都を築いた。その子孫であるニムロドがバベルの塔を築いたと言われている。聖書には、創世記11章にその記述が僅かに見られるだけである。この部分の詳細は、ニムロドの項目を参照して欲しい。

バベルとはバビロンの事で、新バビロニア帝国はネブカドネザル二世の時代にもっとも栄え、「全ての国の中で最も美しい国」とヘロドトスに評されるほどだった。そして、この時代にバベルの塔は再建されている。

ヘロドトスの記述によれば、バベルの塔は一辺が185メートルの正方形で、高さが185メートルだったという。その最上部は神殿になっており、最高神マルドゥークが降臨する場所だった。

ハボリム - Haborym -

火事の魔神。アイムとも呼ばれる。美しい男の体に、蛇と人と子牛の3つの頭を持つ。大きなマムシに乗って現れ、火のついた松明を手にする。呼び出した術者の要求によって、相手に火難をもたらす。

ソロモン72柱の一人。

バラキエル/バラケル - Baraqijal/Baraquel -

キリスト教

グリゴリの天使の一人、堕天使。

元々は、人間の娘たちを団結させる為に遣わされた存在だった。
しかし、あろうことか、占星術というもっとも神秘的な学問を人間に洩らしてしまった。

バラム/バラーム - Balam/Balaam -

40の軍団を指揮する強大にして恐怖の王。

過去、現在、未来のことがらについての真実を、しゃがれ声で話す。人に機知を富ませ、その姿を透明にすることができる。

雄牛、人、雄羊の三つの頭を持ち、蛇の形をした尾がある。燃え盛る炎のような目で人を見つめる。現れる時は、狂暴な熊に乗っている。

ソロモン72柱の一人。

バラン - Balan -

三つの顔を持つ地獄の王。蛇の尾、燃える眼を光らせ、熊にまたがった姿で現われる。手に鷹をとまらせている。召喚者に、過去・現在・未来を教える。ソロモン72柱の一人。
バールゼフォン - Baalzephon -

地獄の衛兵隊または歩哨隊の隊長。「タルギュム」(カルデア語訳旧約聖書)の記述では、殺戮の天使がすべての神像を破壊した時でも、バールゼフォンの像にだけは手をかけなかったという。
ハルパス - Halpas -

ソロモン72柱の一人。ハトの姿で現れる。ハルファス(Halphas)とも呼ばれるが、マルファス(Malphas)との混同も見られる。外見に似ず好戦的で、戦争を引き起こすために召喚される。
バルバトス - Barbatos -

30の軍団を従える偉大な侯爵。

過去と未来の全てを知っている。人に鳥や犬の鳴き声を理解する力を与える。特に鳥に付いては、全ての秘密を知るという。魔術によって、封印された、隠し財宝を発見する。

元力天使。
太陽が射手座に位置する時、そろぞれの軍団を連れた四人の高貴な王と共に現れる。

プランシーの地獄の辞典によれば、ロビンフッドのような、射手か狩人の姿で現れわれるという。

ソロモン72柱の一人。

バルバリシア - Barbariccia -

文学
ダンテの「神曲」に登場するデーモン。

「悪意ある」を意味するという。 (現代イタリア語の動詞barbareggiareは、粗雑なやり方で書いたり話したりすることを意味する)

ハルファス - halphas -

大いなる伯爵であり、26の軍団を指揮する。

塔を建て、そこに戦闘武具、武器などを備え付けて要塞を創り上げる。また、兵士、戦闘要員を指定の場所に瞬時に配備できる。

野鳩の姿で現れ、かすれた声で話す。

しばしば、マルファスmalphasとも呼ばれている。 伝説によれば、ソロモン王が神殿を作る時に協力したのが、このハルファスだと言う。

ソロモン72柱の一人。

バルベーロー - Barbelo -

グノーシスの神話。造物主「父」が光の輝きの中から生み出した、「父」の「思考」が形を成したもの。万物に先立つ力であり、万物の完全なる「プロノイア(先慮)」、光、光の似像、見えざるものの影像、完全なる力、栄光の完全なるアイオーンなどと称される。処女なる霊であり、三倍男性的な者であり、三つの力と三つの名前と三つの生殖を備えた不老にして両性具有のアイオーンである。「第一の認識」「不滅性」「永遠の命」「真理」の4柱の女神とともに「父のアイオーンの五個組」を形成する。造物主である「父」との間に至福なる光の飛沫、「アウトゲネートス(自ら生まれた者)」を産んだ。そしてアウトゲネートスはバルベーローから「父」の至善を塗油され「キリスト」となったのである。
バールベリト - Balberith -

地獄の七君主の1人。地獄の式部官および祭祀長、あるいは書記官・記録保管人とも。人間と悪魔の契約の際に認証を行う。かつては智天使の君主であった。

悪魔のヒエラルキー参照

アルマゲドン/ハルマゲドン - Harmagedon -

キリスト教・ユダヤ教

聖書における、最終的な神々による審判の中心となる場所。
転じて、最終戦争。

ハルマゲドンは、もともとはヘブライ語による呼称。 ’Αρμαγεδων (このギリシァ語の発音は、hをあらわす気息記号「`」が最初のA(大文字のアル ファ)に付いているので、ハルマゲドーンと発音される。
英語になったときに、このHが省かれて、アルマゲドンと言われるようになった。

ハルマゲドンというのは、ギリシァ語で書かれた文書、『ヨハネの黙示録』の 中に出てくる、ヘブライ語で呼ばれる場所の名前。
そのハルマゲドンはハルHar+メギドMegiddoの変化した語だというのが最も 有力な説。
ヘブライ語のハルとは「山、山地」、メギドは地名である。 その2つが連なって「ハルマゲドン」=「メギドの山」、「メギドの丘陵」となった。

別の説としては、 ハルマゲドンと呼ばれる場所がユーフラテス川の近くにあったとされる説、 その他、ハイファ近くのカルメル山であるという説、 エルサレム近くのどこかの山、という説がある。

最も有力な説に従えば、ハルマゲドン=「メギドの丘陵」は、中東のイスラエル 北西部のメギドである。

パワーズデュナミス/ポテンティアテス - Powers -

キリスト教

能天使。
天使のヒエラルキーの一つ。
中級三隊の下級。第六階級。第一天と第二天の間の、危険な境界地域を警護し、悪魔の侵入を防ぐ任務を負っている。それゆえに、堕天する可能性も高い。
神によって、最初に作られたとされる天使。地獄に落ちた堕天使と闘うことを使命とする。常に最前線にいるため、悪魔の誘惑に負け、天界から離反する者もいたという。司令官のカマエルでさえ、堕天使であるという見方もある。

能天使は別名、デュナミス、ポテンティアティスともいう。
指揮官はラファエルとされている。

パンデモニウム - Pandemonium -

キリスト教

一般に万魔殿と呼ばれる。
デーモンの全てを意味するギリシャ語に、直接由来する言葉で、ルシファーの驕りの座として築かれた地獄の都の名として、ミルトンが「失楽園」の中で初めて使用している。
万魔殿の建設者はムルキベルといわれる。
パンデモニウムは、一般に地獄めいた集まりを示して使われる。

ピコルス - Picollus -

キリスト教

幅広い襞襟に外套という完璧に17世紀の衣裳で現れるデーモンで、その姿はヴィクトリア時代のパンチに酷似している。

プランシーは地獄辞典で、古代プロイセンの住人に崇拝されていたデーモンだとしている。

ビナー - Binah -

ユダヤ教

カバリストのシンボルとも言える、セフィロトの木のセフィラーの一つ。
理解を表す。3番目のセフィラー。
' 至高の母 ' の別名があり、コクマと対応している。
すべてのものに形を与えるとされる。
守護天使はザフキエルZaphkiel。
守護星は土星。

ビヒモス/ベヒーモス/ベヘモット - Behemoths -

バハムートは、アラビアでの呼び名。

古代に生きていたといわれる、大型の哺乳類。 立ち上がると6m近くあり、全長は15mをゆうに越える巨大な生き物。

語源は、ヘブライ語の獣(B,HEMAH)の強調複数形。 「牛の中の牛」という意味を持つとされる。

キリスト教では海のリヴァイアサンに対する陸の怪物とされ、その姿はカバ、牛、サイに似ていると言われる。

聖書事典によれば 「ベヒーモス(ここではベヘモス)こそ、神の創られた牛族の中で最初の生き物。

大洪水があった時に、ノアの箱船に乗っていたもので、現在も生き続けていて、メシアが到来するまでは、決して死ぬことがない。
人里離れた山奥の森の中に棲んでいて、毎日たくさんの草を食べないと生きていけない。
神は特別の思いやりをもって、昼間食べ尽くした草を、夜のうちにまた生えさせておくのである。
これは、メシア到来の折りに、ユダヤ人が催す宴会用の肉として使用するためで、この時は海の巨大な怪物リヴァイアサン(またはレヴィアタン)の肉も使われるであろう。
そして神は、このベヒーモスが地上の草を食べ尽くして、張り切りすぎないよう、適当に去勢して生かしておく。やがて、鼻を貫かれて捕らえられるまで」

この牛の原形らしいベヒーモスは、水が豊かで湿った土地に眠り、穏やかな性質であるらしい。象、サイ、水牛がモデルであると言われる。

ユダヤの伝承「ミドラッシュ・コネン」では、魔神で、天地創生の6日目に、水と光と塵から作られ、千の山々の真中に置いたとされる。

「旧約聖書外典」では、レヴィアタンと共に5日目に作られたが、この二頭を海に住まわせると水が溢れてしまうため、ベヒーモスだけを陸に置いたという。

偽典エノク書ではリヴァイアサンは雌とされ、対をなす雄がベヘモットであり、デンダインと呼ばれる広大な砂漠に棲み、最後の審判を待っているとされる。

ビフロン/ビフロンス - Bifrons -

伯爵であり、6軍団が彼に仕えている。

幾何学と占星術、その他の技芸と科学を人に教える。 木と宝石の効用について語る。死体を操り、墓の上にロウソクのような光をうつす。 (人に幻影を見せるということらしい)

術者の要求によって人の姿をとるが、現れる時には怪物の姿をしている。

ソロモン72柱の一人。

ピュセル - Pucel -

天使の姿で現われる。学問、特に数学を召喚者に教える。雨の音を作ることが出来る。ソロモン72柱の一人。
ピュルサン - Pursan -

プールソン(Purson)あるいはキュルソン(Curson)とも。地獄の王侯の1人で、22の軍団を従える。(どういうわけか)善良なる守護精霊たちの父である。常にトランペットの音を先駆けとして現れ、その際には、その時代の衣裳を身につけ、無毒の蛇を手にもち、場合によっては熊にまたがっている。また、その顔はライオンに似ている。過去・現在・未来に精通し、隠された財宝のありかを教えてくれる。ソロモン72柱の一人。
ビレト - Byleth -

地獄の王侯の1人で、80の軍団を従える。白馬にまたがって現れ、その前には数匹の猫がホルンやトランペットを吹きながら進む。激怒しながら現れるので、彼を呼び出す際には注意が必要である。かつては能天使 の地位にいた。

ソロモン72柱の一人。

ブァルファーレ - varfor -

10の悪霊軍団を従える公爵。

術者にとってはよき使い魔であるが、盗みをそそのかす為、強い意志が必要とされる。

頭はロバ、体はライオンという姿で現れる。

ソロモン72柱の一人。

フィロタヌス

第二階級の魔神。ベリアルの助手を務める。人間をアナルセックスと男色に走らせることができる。
フェニックス - Phoenix -

伝承、エジプト神話(Egyptian mythology)
原義はフェニキアの鳥の意。

プリニウスの「博物誌」によれば、 「鷲ぐらいの大きさで、頸(くび)のまわりに金色の冠毛がある。身体の残りはおおむね真紅だが、尾は青く何本かの薔薇色の羽毛が飛び出し、喉にはふさが、頭には羽毛でできたトサカがある」という。

詩人ラクタンティウスによれば、「くちばしは大きくて白く、全身は緑の宝石を散りばめたよう」である。

世界各地に伝承が残っているが、色彩の描写と、猛禽類という点は、ほぼ一致している。

そのモデルは、エジプトの青鷺ベンヌ(bennu)であるとされ、その鳥はヘリオポリス(太陽の都)で聖なる鳥とされていた。
太陽の神ラー(lar)の魂の象徴で、毎日生まれては(昇っては)死ぬ(沈む)を繰り返す太陽と同様、死後の復活を表していた。

ギリシアやローマではポイニクスと呼ばれ、これは真紅の鳥という意味。 フェニックスを西洋に紹介したヘロドトスは、その姿を絵で見たとして、「羽毛は金色の部分と赤の部分があり、その輪郭と大きさは鷲に似ている」と書いている。 この時点では、猛禽類の姿になっている。

主食は、乳香の木やバルサム樹の樹液。または太陽の熱や水蒸気から滋養をとっている。

不死鳥と呼ばれており、死んでも復活するという。
自らの死期を悟ったフェニックスは、香料を積み上げて薪の山を作り、横たわって火をつける。身体は燃え、分解して液状になり、やがてそれが凝固すると新しいフェニックスが誕生する。

別の説では、親鳥の身体から生まれた虫が成長して新しいフェニックスになり、子供が生まれ親の遺骸を葬るという。

フェニックスの寿命は、500〜600年というのが一般的。

グリモアが、ソロモン72柱の一人としてフェニックスの名を挙げている。

ほうおう座
古くからある星座だが、神話についてははっきりした話は伝わっていない。
この星座の名前を付けたのは紀元前2世紀頃のギリシャの天文学者、ヒッパルコスだといわれる。 ペガスス座より先に昇ってくるので、「エクウス・プリオル」、すなわち初めの子馬と呼ばれていた。
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キタルファ (アルファ星)アラビア語「アル・キタ・アル・ファラス(馬の一部)」より 。星座全体の名がそのまま固有名になったもの。ラテン語の星座名「Sectio Equi」のアラビア訳がさらにふたたびローマ文字化されたもの。

フェネクス - phenex -

20軍団の悪霊を支配する偉大な侯爵。

術者の求めに応じて、科学の絶大な力の驚異に関して語る。彼は素晴らしい詩人であり、また、人の希望をかなえる事を望んでいる。

フェニックスの姿をし、子供のような声で話す。

心をとろかすような歌を次から次へと歌うが、それに惑わされずに人の姿をとるよう命令すること。 さもなくば、彼に願いをきいてもらうことはできない。

ソロモン72柱の一人。

ブエル - Buer -

50軍団の悪霊を支配する長官。

精神哲学、自然科学、論理学を人に教え、また薬草の効用について話す。あらゆる病気を癒し、術者によい使い魔を与える。

太陽が獅子座の位置にある時に、人馬の形で現れる。

ブエルは、人前に現れたという「公式」な記録が残る珍しい悪魔。 魔術師アレイスタ・クロウリーが、友人の病を治すためにブエルを呼び出し、実体化させたという。

ソロモン72柱の一人。

フォカロル - Focalor -

力強き侯爵で、30の悪霊軍団を支配下に置く。

風と海を操る力を持ち、人を水に引きずり込んで溺れさせたり、軍艦を沈没させたりすることができる。しかし、術者が強く望んだ時でなければ、その力を使う事はない。

グリフォンの双翼を持った人の姿で現れる。

ソロモン72柱の一人。

フォラス/フォルカス - Foras/Forocus -

29の悪霊軍団を治める地獄の長官。

人を薬草の効果や宝石の持つ力を知る方法に通じさせ、論理学、倫理学にも精通させる。人を雄弁術に長けさせることもできる。その姿を透明にしたり、寿命を延ばす。また、失われた宝を発見する力を持つ。

屈強な男の姿をして現れる。

ソロモン72柱の一人。

フォルネウス - Forneus -

29軍団の悪霊が従う侯爵。

言語に関するあらゆることに優れ、修辞学、言語への知識、理解、そして幸運をもたらす名を人に与えることができる。また、敵対する相手から友人のような愛情を得られるようにもできる。

巨大なギンザメの姿で悠々と現れる。

また、かつては座天使の位にいたとされる。

ソロモン72柱の一人。

ブネ/ブーネ - Bune -

偉大で力強い公爵は、その支配下にある30の悪霊軍団を術者の用意した墓地に、ただちに集結させることができる。また、死したる者の居場所を変えることもできる。人に富と叡智を与え、その求めに対して、真実を答える。

犬、グリフォン、人の三つの頭を持ったドラゴンの姿で現れる。 ほとんどの悪魔がしわがれ声で話すのに対し、高く穏やかな声で話すが、力強い威厳を備えている。

ソロモン72柱の一人。

フラウロス - Flauros -

豹の姿で現われる。召喚者が目標とした人物を殺す。また、未来の出来事を教えるという。ソロモン72柱の一人。
ブリフォー - Briffaut -

軍団を率いているほどなのに、その名はあまり知られていない地味な悪魔。
プリンシパリティーズ - Principalities -

権天使。天使の第七階級。地上の国や大都市の守護を託されている。権天使を支配する君主は、アナエル、ハミエル、ケルウィルなどで。アナエルは創造の七天使の1人とされるほどの有力者であるが、ハミエルはカルデアの神イシュタルと同一とされる。ケルウィルは、ダヴィデがゴリアテを倒す際に手助けをしたといわれる。また、もとはアッシリアの神であり、現在では地獄の料理人頭であるニスロクが、権天使の君主たらんと企てた。
フルカス - furcas -

20の悪霊軍団を指揮する騎士である。

哲学、占星学、修辞学、倫理学、手相術、火占術(バイロマンシー)のすべてについて詳しく人に教えることができる。

鋭利な武器を手に、青白い馬にまたがった、ひげを生やした残酷な老人の姿で現れる。悪魔界の長老の一人で、各種の占術に長けており、彼に見通せないことは一つもないとされる。

ソロモン72柱の一人。

プルソン - Purson -

22の精鋭部隊を従える偉大な王。

隠されたすべてのことについて知り、財宝を見つけ出し、過去、現在、未来のあらゆることについて話す。地上の秘密、神聖な事、世界の創造について真実を答える。人間の姿や、空気のような存在に身体を自由に変化させることができる。

ライオンの顔を持つ、男の姿をして、狂暴なマムシを手にしている。鳴り渡るトランペットと共に、熊に乗って現れる。

ソロモン72柱の一人。

プルトン - Pluton -

地獄の王侯の1人。炎の国を治める。ギリシア出身。
プルフラス - Pruflas -

ブザス(Busas)とも。26の軍団を従える地獄の大公爵で、バビロニアを統治している。フクロウの頭を持つ。
フルフル/フールフール - Furfur -

26軍団を持つ偉大な伯爵。

天候、特に雷や暴風などの悪天候を自由に操る。男女の恋愛を好きなように進展させる。神聖な秘密の事柄について話す事ができる。

炎の尾を持つ雄鹿の姿で現れることが多い。

真実を話させる為には、必ず三角形(マジックトライアングルと呼ばれる、ソロモンの正三角形のこと。魔法陣)の中に呼び出すこと。
この時には、天使の姿で現れる。

ソロモン72柱の一人。

フルーレティ - Fleurety -

ルシフェル、ベルゼビュート、アスタロトに仕える6人の上級魔神の1人。ベルゼビュートの部下で、夜の間に仕事を済ませてしまう能力ち、雹を降らすことができ、人間の間に性欲をかきたて、戦争を起こすこともでき、有毒植物や幻覚を起こす薬草の専門家でもある。アフリカを支配する。バシン、プルソン、アビゴール、を部下に持つ。
ペネム/ペネムエ - Penemue -

キリスト教

グリゴリの天使の一人、堕天使。

本来、子供を守護する任務を神から与えられていた。しかし、彼は紙とインクの製造法、そして筆記法を人間に教えてしまった。これらのことは、人間にとっては大いなる恩恵であるが、神に与えられた使命を逸脱したものとして罰せられたという。

エチオピア語の「エノク書」にその名が記載されている。

ベリアル - Belial -

キリスト教、ユダヤ教

ルシファーと共に天を追われたデーモンの一人、堕天使。
もとは天使だったので、外見は美しく、優雅で威厳に満ちている。しかし、外見の美しさとは裏腹に、心は邪悪でもっとも卑しい存在と言われている。

50の悪霊軍団を従える偉大な王。

教会や議会における権力をもたらす。友人や敵対者に好意を抱かせ、相手から折れてくるようにする。
彼に対して犠牲、供物を捧げることを忘れてはならない。怠れば、術者の望みをかなえる事はない。

燃え盛る炎の戦車に乗った、美しい2人の天使の姿で現れ、柔かな物腰で話す。

ユダヤの伝承では、ソロモン王に数々の財宝をもたらしたことで知られる。

ヘブライ語で「無価値なもの」という意味。

ソロモン72柱の一人。

地獄帝国の王の一人。シドン(フェニキアの都市。現在のサイダ)で崇拝された魔神。地獄の王達の中でも彼ほど放埒に溺れ、悪徳そのものの魅力に取り憑かれた者はいない。その心根はおぞましく卑しくとも、外見は素晴らしく、物腰は優雅さと威厳に富む美しい天使のままで、炎の戦車にまたがっている。ソドムをはじめ各地に信者はいたが、彼のために祭壇を建設する勇気は誰にもなかった。話しぶりは温和で、人に地位や寵愛をもたらし、友情を長続きさせ、有能な召使を世話してやる。80の軍団を統率し、自分に服従する危機は必ず救ってやる。かつては力天使で、その頃はサタナエルと呼ばれ、その名は『神の使い』という意味がある。

旧約聖書偽典『ヨベル書』によれば、まだ彼が天使だった頃、ノアの数代前にマステマという天使と共に地上に降り、人間の女性と交わり、ネピリムを産ませているが、その罪により天には帰れず、堕天使となった。グリゴリ参照。また、ソドムとゴモラに背徳を持ち込んで、滅亡の原因を作ったともいわれている。

ベリス/ベリト - Berith -

26軍団を支配する恐怖の公爵。

人にゆるぎない尊厳をもたらすことができ、また、過去、現在、未来にわたる質問に対し、正しい答えを出すことができるが、彼は非常に嘘つきなので信用が置けない。あらゆる金属でも黄金に変える術を持ち、人間に高い地位を与えそれを不動のものとすることができる。歌手の声を明瞭で鋭いものにしたりもする。

降霊術士はボルフリ(Bolfri)またはボフリィ(Bofry)と呼び、ユダヤ人はベリトと呼ぶ。他にベアル(Beal)と呼ぶものもいる。

その姿は、恐怖の公爵の名にふさわしく、真紅の装束に身を固めた戦士である。赤い馬に乗り、その頭上には黄金の冠を載せている。

彼に向かうときに気を許せば、嘘に惑わされることになる。

ソロモン72柱の一人。

ベルゼブブ/ベルゼブル/ベルゼビュート - Beelzebub/belzebub -

キリスト教

聖書によれば、魔神の君主とされる。

ミルトンは失楽園の中で、権力と邪悪さでサタンに次ぐと言い、悪魔学者は、地獄の最高君主であるとする。

語源はバール。名前の意味は、「蝿の王」を意味する。カナンの民がもっとも崇拝した神。

シリア・ペリシテ人の間で、蝿を殺す神として信仰されていた。しかし、キリスト教に入り、蝿の姿をした邪神となってしまった。

聖書では、さらに悪い印象の悪魔となり、悪霊のトップ、悪魔で2番目の実力者(または1番目)などの呼び名を持っている。

大食を司るデーモン。天界ではルシファーと同じく最高位のセラフィム(熾天使)であった。天界との戦争では、ルシファーの右腕として戦った。

神託をもたらすとされ、オコジアス王は自分の病について相談し、予言者エリシャにたしなめられている。(注:元は神であるので、信託を求めるのは別に不思議ではない)

ベルゼブブは、作物を荒らす蝿の害から人間を救う力があるとされる。

「ゾディアコ・ヴィテ」(パランジェーヌ著)によれば、途方もなく巨大で、額には火の帯を巻き、頭に二本の大きな角を持ち、肌は真黒、両肩にコウモリに似た大きな翼が生えている。両足はアヒル、尾はライオン、全身を長い毛が覆う。
「ソロモンの鎖骨」によれば、巨大な子牛や尾の長い牡山羊、巨大な蝿の姿で現れる。
「ファウスト伝説」では、牛の姿で、髪は色とりどりで、竜の尾を持つとされる。

ジル・ド・レエ(実在したヴァンパイアの項参照)は、ベルゼブブが豹に変身したのを見た。

怒ると炎を吐き、狼のように吼える。彼のそばには、ロバの姿のアスタロトが現れることもある。

ベルフェーゴル - Belphegor -

本来はアッシリアの神に由来する。プランシーの「地獄の辞典」で、便器に座るユニークな悪魔として描かれている。
ベレス/ベレト - Beleth -

恐怖の力強き王で、85の軍団を統治する。

術者の望むままに男女の愛を燃え上がらせることができる。悪霊たちがトランペットなどの異形のオーケストラが楽器を演奏する中を、蒼白の馬に乗って現れる。

この王は、非常に高位なので、礼儀を持って接しなければならない。また、必ず三角形の中に呼び出し、銀の指輪を左手の中指にしておくこと。指輪がなければ、術者はベレスの焔の息で焼き尽くされてしまう。

三角形とは、恐らく、ソロモン王の三角、マジックトライアングルと呼ばれる正三角形の魔法陣のことだと思われる。

ソロモン72柱の一人。

ボティス/ボーティス - Botis -

偉大な伯爵であり、60軍団を支配する長官。 過去や未来についてすべてを語り、友人や敵との仲を取り持つ。 いやらしいマムシの姿で現れるが、術者の命令により輝く剣を手にした人の姿−ただし、大きな歯と二本の角を生やしている−になる。

エノク魔術の文献によれば、ボーティスは26軍団を率い、過去と未来の知識を与えるという。

ソロモン72柱の一人。

ホド - Hod -

ユダヤ教

カバリストのシンボルとも言える、セフィロトの木のセフィラーの一つ。
栄光、光輝、名声を表す。8番目のセフィラー。
物質的形態の”鋳型”という意味を持つ。
形態は、カバラにおいては、内的存在の具現化である。
守護天使はラファエルRaphael。
守護星は水星。