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中世美術の神の存在 Medieval Art of the existence of God

鈴絵

 中世美術の神の存在についてのレポートで 
  
 A いただけたので 載せときます♪ 
 
 西洋美術史の 参考にどうぞ♪
 
 因みに A だったのしかのせないので^^;




 食 
  
 
 

 


 




  
 
 








「中世美術では、神を可視の存在としてどう形象化し、それが時代ごとにどう変化したのかを、中世の5つの時代区分ごとの美術の特徴を踏まえて論じなさい。父なる神、子イエス、聖霊、さらに聖母を表現した作品を対象にして考察すること。」

 ■初期キリスト教時代(2世紀末〜5世紀頃)
 質素さを重んじる初期キリスト教徒は、偶像崇拝禁止の教義により「丸彫り彫刻」を制作しなかった。
 313年、コンスタンティヌス帝によるミラノ勅令(信教の自由を保障)以後、ローマ、コンスタンティノープル、イェルサレムで、キリスト教の聖堂建築が確立。<バシリカ(古代ローマの公会堂)式聖堂>や、<(円形のように中心点から対象形に広がる)集中式聖堂>などの内部は、色石や色ガラスの小片を配列するモザイクで装飾された。
 「キリストと十二使徒」や、クリスモン(キリストの最初の2文字Χ[キー]とΡ[ロー]を組み合わせたモノグラム)、非図像的なモティーフをあしらった石棺などの「浮き彫り」は制作された。
 旧約聖書と新約聖書を対比させた「サンタ・サビーナ聖堂の木造扉」、キリスト降誕に至る救済の物語「紅海を渡るモーセ」など聖書のテーマが扱われた。

■ビザンティン(324年〜1453年)
 イコノクラスム(聖像破壊運動)期までが初期キリスト教時代の延長とされるが、西欧からの影響も著しい。ローマ帝国の東半分で発達。
 ここでも偶像崇拝禁止のため、彫刻は、あまり制作されていない。
 壁画(モザイク・フレスコ)、写本彩飾、板絵形式のイコンといった絵画が発達した。
 イコン「キリスト」は、エンコースティック(当時の遺影の技法)により、正面を凝視する等身大のキリストの姿が描かれている。
 730〜843年まで、ビザンティン帝国の皇帝レオ3世が聖像を禁止。
 中期には、写本挿絵、モザイク、イコンで、平面的な金色を背地として、対称性の強い構図に、毛髪、衣文、肉付けを線的に表した絵画が確立。キリスト降誕、変容、受難、復活などが描かれた。
 14世紀以降、モザイク壁画に加え、イコンを掲示する障壁が発達するが、ここでも上段から磔刑図、デイシス(中心にキリスト、左に聖母マリア、右に洗礼者ヨハネの図像)十二祭礼、諸聖人などのイコンが位階制をもって配置された。
 テンペラが主流で、七宝、金工の打ち出し、モザイクによるイコンも制作された。中期以降、水溶性の絵具を使用するフレスコ壁画も普及した。

■西欧中世初期(5世紀後半〜10世紀)
 西ローマ帝国がゲルマン人によって滅亡、移動・定住で、いったん停滞した石造彫刻であるが、ゲルマン人のキリスト教への改宗後、再開。
 ケルト=アイルランド系諸族でも6世紀の布教以降、石造の十字架が出現。
 カロリング朝では、「キリストの磔刑」聖書から取材する叙述的な場面、福音書記者像などを古代的な様式で、水晶彫刻、象牙浮き彫り、彫金、鋳金など工芸品に多く作られた。
 オットー朝では、青銅製の両開きの扉に、旧約聖書創世記のアダムとエヴァ伝と新約聖書のキリスト伝を予型論的(旧約聖書に述べられたできごとが、新約聖書に述べられるできごとの予兆である、とする聖書解釈法。タイポロジー)に対応させて表現した。「ゲロの磔刑像」は、アプシス東端に安置されるために制作された木製の丸彫り彫刻像。
 「契約の箱」は、大小2組の天使が、モーセが授けられた十誡を納めた契約の箱の周囲に立ち、上空からは手が見えているという特殊なモザイクである。

■ロマネスク(10世紀後半〜12世紀)
 北はスカンディナヴィアから南はシチリアまで、西はスペインから東はパレスティナのラテン王国も含む全西欧に普遍的な美術が発達した。
 グレゴリウス大改革の結果、大聖堂や教区聖堂、修道院が隆盛を見る。
 ロマネスクの聖堂の戸口上部の開口部を支える楯石と半円形をしたティンパヌムには、世界の終末や神の裁きを予告する図像が浮き彫りで表現された。
 南伊カプアのサンタンジェロ・イン・フォルミス聖堂では、左右に「パントクラトールのキリスト」、「聖母子像」、主アプシスの「栄光のキリスト」、西壁の「最後の審判」という配置で、新・旧約聖書の物語を身廊と側廊の左右の壁面に。フランスのサン・サヴァン・シュル・ガルタンプ聖堂は、半円筒ヴォールト天井に旧・新約聖書の物語を素朴な様式で。対照的に、クリュニー大修道院と関係が深いベルゼ・ラ・ヴィル聖堂アプシスの「栄光のキリスト」は、端正なビザンティン的古典主義の様式で信者たちに囲まれたキリストを描いている。

■ゴシック(12世紀中期〜15世紀中頃)
 都市の発展により、パリ、ボローニヤ、オックスフォードなどの大学設立で、内外から多くの学者や学生が集うようになる。
 ゴシック美術は、聖(抽象的・寓意的な表現の発展)と俗(美術の裾野の広がり)の二つの大きな傾向を持っている。
 ゴシック様式の聖堂建築の展開と平行して、ステンド・グラスが華麗な展開を見せるのはこの時代からである。

<参考文献>
・『西洋美術史』北澤 洋子 / 監修、中村るい+黒岩三恵+北澤洋子+京谷啓徳+宮下規久朗+尾崎幸+村上博哉 / 著 (武蔵野美術大学出版局 2006/04)
・『西洋美術解読事典』ジェイムズ・ホール / 著、高階 秀爾 / 監修(河出書房新社 2004/5/1)
・『西洋美術史小辞典』大西 広・黒田涼子・鈴木智寿子・村上博哉 / 訳、ジェイムズ・スミス・ピアス / 著(美術出版社 1978/01)

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