アンドロメダ座 - Andromeda -

勇者ペルセウスは魔女メドゥーサを退治して天馬ペガススに乗って帰る途中、 エチオピアのケフェウス王の国にさしかかりました。

そこでペルセウスは、ケフェウス王の娘アンドロメダ姫が、 海岸の岩にくさりでしばられているのを見つけました。

ペルセウスがアンドロメダに問いただしたところ、 母親のカシオペア王妃が娘のアンドロメダ姫の美しさをあまりにも自慢したために、 海のよう精の怒りをかい、いけにえとして海の怪物の化けクジラにささげられたというのです。

そのうち化けクジラが現れ、アンドロメダに襲いかかってきました。

ペルセウスはメドゥーサの首を化けクジラの目の前に差し出し、 これを見た化けクジラは石になってしまいました。

無事、助けられたアンドロメダは、ペルセウスと結婚したということです。

















アルゴー号の四星座

イアソン率いる英雄達が探検に使用した船

イオルコスの町の王子イアソンは、コルキスの国へ黄金の羊の毛皮を奪いに行くことになりました。 イアソンはアルゴスに命じて50人も乗ることのできる大きな船を造らせ、アルゴ号と名付けました。 イアソンはヘルクレスや双子のカストルとポルックスをはじめとする多くの冒険好きの若者と共に、 アルゴ号に乗って出発しました。

幾多の大冒険の末、ついにイアソンはコルキスの国に上陸し、 黄金の羊の毛皮を手に入れることができました。アルゴ船座はこの大冒険を記念したものです。

*元々はアルゴー座として全長72度の大きさの一つの星座でしたが、 フランスの天文学者であるラカイユによって四つの星座に分けられました。



艫座 - Puppis -
アルゴー号の艫の部分

帆座 - Vela -
アルゴー号の帆の部分

竜骨座 - Carina -
アルゴー号の船底の中心を船首から船尾にかけて通した部分

羅針盤座 - Pyxis -
アルゴー号の羅針盤の部分

















天の川 - Milky Way -

ゼウスの妻ヘラが流した母乳

ゼウスはヘラクレスを不死身の者にしようとヘルメスに、 ヘラクレスにヘラの母乳を吸わせるように命じます。
そこでヘルメスは、眠っているヘラの母乳を吸わせようとしましたが、 ヘラが気づいてヘラクレスを突き放したので、 吸われていた母乳が勢い良く吹き出して天に撒かれ、天の川になりました。

















イルカ座 - Delphinus -

アリオンを救ったイルカ

アリオンは、紀元前625-585年頃のコリントスの宮廷音楽家であり、 実在した人物です。

アリオンはシチリア島の音楽祭で優勝して、大金を手に入れました。 タレントゥで乗船しコリントスへ帰途に着きますが、 数々の音楽会の賞金を横取りしようとした船員達に捕らえられて、命と金を奪われそうになりました。

アリオンは最後の願いとして、 詩人の服を来て、アポロン賛歌をリラで奏でてから自ら荒海の中と身を投げました。

ところが幸運な事に、船の周りにはアリオンの美しい歌に聴き惚れてイルカが集まっていたので、 アリオンはそのうちの1匹のイルカの背中に乗り、無事岸までたどり着くことができたのでした。

コリントスに着いた彼は王に全てを話し、船長以下船乗りは磔形にされました。

天界より様子を見ていたオリュンポスの神々は、イルカのオリオンを救出した功績を讃えて天に飾りました。

















海蛇座 - Hydra -

アミモーネの沼に、9つの首を持ち口から毒の息を吐く水ヘビの怪物ヒドラが住んでいました。

ある日、怪力ヘルクレスがヒドラを退治しにやってきました。 ヘルクレスはヒドラの首を切り落としますが、切り口から新しい首が2つずつ生えてきてしまいます。 ヘルクレスはヒドラの首を焼き払うことで、残るは不死身の首1つだけとなりました。 そしてヘルクレスは大きな岩で最後の首を閉じこめ、ついにヒドラを退治したのです。

うみへび座はこの怪物ヒドラの姿です。

















大犬座 - Canis Majo -

ある日テーベの国にキツネが現れ、猟師たちはこのキツネを捕まえようとしましたが、 足が速くどうしても捕まえることはできませんでした。

そこで猟師たちはケファロスに頼んで足の速い犬レラプスを借りました。レラプスは目にもとまらない速さでキツネを追いかけますが、なかなか追いつくことはできません。

これを見ていた大神ゼウスは2匹の足の速さに感動してどちらも敗者にしたくないと思い、 2匹を石にしてしまいました。

大犬座はこのレラプスの姿です。


シリウスの伝説

紀元前2000年古代エジプトの民は、日の出直前に東の空におおいぬ座のシリウスが輝く季節になると、ナイル川の水が増し氾濫し、洪水が起る事を知った。
この洪水は、土地の土を肥やし、農作物を作るにはなくてはならない洪水。そしてこれが365日毎に繰り返される事も知り、現在の暦の元にもなった。こうしてシリウスは人々から「ナイルの星」と呼ばれるようになった。
また、青白く輝く全天で最も明るい恒星のため世界でいろいろな名前が付けられている。ヨーロッパで "ドッグ・スター"、中国で "天狼"、日本では "大星"、"青星" などと呼ばれている。

ギリシャ神話では他にも、英雄アクタイオンが連れていた犬、月の女神ディアナ(アルテミス)の従者プロクリスの連れた犬、またプロクリスの夫ケファルスが暁の女神オーロラにもらった犬などの説があるが、一番有名なのが上記したお話。それは夜空に主人オリオンに従うように前足を上げ、オリオンの足下に輝いているからだろうか。
















大熊座 - Ursa Major -

アルカジアの森の妖精カリストは貞節を守る誓いをたて、アルテミスに従っていましたが、あるときゼウスに見初められてしまい、愛し合い、2人の間にアルカスという男の子が生まれました。

しかし、そんな幸せも長くは続かず、それを聞いたゼウスの妻ヘラの嫉妬によって、その美しい姿を熊へと変えられてしまいました。

月日は過ぎ、熊にされ森の中を彷徨っていたカリストは森の中で立派に成人した息子のアルカスに出会いました。
カリストは息子を抱きしめたいと思い、アルカスに近づいていきましたが、そのクマが母親であることと知らないアルカスには、クマが襲ってくるようにしか見えません。 アルカスは槍を振り上げて、母と知らずに熊を退治しようとしてしまいました。

天空から事態を見たゼウスは、急いでカリストを大熊座、息子アルカスを小熊座にして天へと掲げました。

それを知ったヘラの怒りはおさまらず、育ての親である河の神オケアノスの元へ行き、大熊座が海の彼方に没することがないよう頼みました。

こうして、クマに変えられたカリストの姿である大熊座は、休むことなく北極星の回りを回り続けることになり、地平線の下に降りて休むことが永遠にできないのだといわれている。

この時アルカスの連れていた猟犬たちが猟犬座になったと伝えられています。

















オリオン座 - Orion -

オリオンは腕のいい巨人の猟師で、狩りの女神アルテミスと一緒に暮らしていましたが、 アルテミスの兄のアポロン神はそれが気に入りませんでした。

ある日、オリオンが頭だけを水の上に出して海を歩いているのを見つけたアポロンは、 妹のアルテミスにそれを指し示して、いくらおまえが狩りの女神であっても、 あの海に浮かんでいる黒い物を射ることはできないだろうと言いました。

アルテミスは弓の名手でもあったので、 それがオリオンだとは知らずにオリオンを射止めてしまいました。

やがてオリオンの死体が海岸に打ち上げられ、 悲しんだアルテミスはオリオンを星座に上げたということです。

















エリダヌス座 - Eridanus -

フェートンは太陽の神ヘリオスの息子でした。

ある日フェートンは父のヘリオスに、 私が本当にあなたの息子ならばその証拠に太陽の二輪車を貸して欲しいと頼みました。

ヘリオスは自分でさえ扱いが難しく危険なので止めるよう言いましたが、フェートンは耳をかさず、 朝が来て太陽の二輪車に乗って出発してしまいました。

しかし二輪車を引く馬はすぐに乗り手がいつものヘリオスでないことに気づき、 暴走をはじめてしまったのです。

フェートンにはこの暴走を止めることができず、 太陽の二輪車は太陽の道から大きくはずれ、世界中を焼き払ってしまいました。

これを見ていた大神ゼウスはフェートンにいかづちを放ち、 フェートンは燃えながらエリダヌス川に落ちて死んだのでした。

















カシオペア座 - Cassiopeia -

カシオペイア

エチオピア国の王妃、ケフェウス王の妻、アンドロメダの母

アンドロメダの母は、自分の高言から娘アンドロメダを生贄に捧げなくてはならなくなりました。 アンドロメダはペルセウスに救出され、後にアンドロメダ座として星座になりますが、 カシオペアはその高言の罰を受け、星座になった後も、椅子に座った姿のまま、一日に一度逆さに吊されました。

















鴉座 - Corvus -

アポロンの黄金の鴉

元々、鴉は黄金(銀色ともいわれている)に輝く翼を持ち、音楽の神アポロンの伝令者としての使命を持っていて、 言葉を話すこともできました。

ある時、アポロンが、遠く離れて暮らす愛人コロニスの元を離れる事になり、 アポロンは鴉にコロニスとの伝令の役目を命じました。

しばらくして、コローニスの様子の見て帰る途中、鴉はすっかり道草をくってしまい、 その言い訳に、コロニスがイスキュスと浮気をしていた、と嘘をつきました。

それを聞いたアポロンは怒り、アルテミスに、コロニスを矢で殺すように頼んでしまいます。

しばらくして嘘を知ったアポロンは、鴉から言葉を奪いカーカーと鳴くだけにし、金色の羽を真っ黒に変え、目の前のコップ(コップ座)の水にくちばしが届かないように、みせしめのため天に張りつけたといいます。

オリオンの足元でうろついているうさぎ座は、からす座が東の空に昇ると間もなく西の空に沈みます。それはからすのあの声が大嫌いだからなのだそうです。

















冠座 - Corona Borealis -

地中海のクレタ島にある地下宮殿の迷路の中に、頭が牛で体が人間の姿をした ミノタウルスという怪物が閉じこめられていました。
そしてクレタ島の王ミノスにより支配されていたアテネの町では、毎年アテネの最も美しい少年少女を7人づつこの怪人の犠牲に捧げるよう命じられていました。アテネの若者はその日が来ることを恐れ慄き日々を送っていました。

そんな中、アテネのテセウス王子はたくましい勇者に成長していました。テセウスは、ミノタウロスを倒しアテネの若者の苦しみを救おうと決心し、ミノタウルスを退治するため 自らいけにえの1人に加わりました。

そこでミノス王の前に出されたテセウスの勇姿に一目惚れし恋をしたのがミノス王の娘アリアドネです。アリアドネは剣と、迷路から抜け出せるようにと毛糸をテセウスに渡しました。テセウスはアリアドネの手引きでミノタウロスを無事倒すことができ、アリアドネを連れクレタの島を首尾よく出ることが出来ました。無事にミノタウルスを退治して戻ってきたテセウスは、 アリアドネを連れてアテネに向けて出航しました。

しかしあろうことかテセウスは、アリアドネを途中に立ち寄ったナクソス島に置き去りにしてしまったのです。

テセウスに捨てられ嘆き悲しむアリアドネを優しくいたわってくれたのが、この島を支配していた酒神ディオニュッソスです。そして妻に迎えられます。この時アリアドネがもらった7つの宝石をちりばめられた冠が、後にアリアドネが死んでから酒神ディオニュッソスが星座(かんむり座)にあげたと伝えられています。

















馭者座 - Auriga -

馭者座はアテネの王エリクトニウスの姿です。

エリクトニウスは足が不自由でしたが、馬車に乗り自ら先頭に立って、 勇敢に戦場におもむいたといいます。

















髪の毛座 - Coma Berenices -

エジプトの王妃ベレニケは美しい髪の持ち主でした。

あるとき、エジプトと隣国との間に戦争が起こり、ベレニケの夫であるエウエルゲデス王は自ら戦場に赴きました。その時ベレニケは美の女神アフロディテに約束しました。
「王が戦争に勝てたら、私の髪の毛を捧げます」と。

王妃の髪の美しさは外国まで知れ渡っていました。 王は戦争に勝ちベレニケは女神に約束どうり、髪の毛をアフロディテの神殿に捧げました。帰国した王は、驚きと失望を隠しきれなかったが、翌朝神殿からこの髪の毛が消えていました。王は天文学者のコノンを呼び問いただすと、コノンはその頃現れた新しい星の群れを指し
「神が王妃の心の優しさと、髪の美しさを愛でて、天に上げられました」
と答えました。これを聞いて王も、おおいに満足したということです。

紀元前3世紀エジプトのマケドニア王朝プトレマイオス三世王はキュレネの女王ベレニケ二世を妻に迎え、キュレネ、シリア、小アジアを攻略黄金時代を築きました。

髪の毛座はこのベレニケの髪の毛を表しています。


ベレニケの数奇な運命

ベレニケはキュレネの王マガスの娘ですが、プトレマイオス三世と婚約していた頃、父王のマガスが亡くなり、母親がマケドニア王子デメトリウスと結婚させようとしたため、これを嫌い母親とデメトリウスを暗殺させ、紀元前247年プトレマイオス三世王と結婚します。ベレニケは夫プトレマイオス三世王の死後、長男プトレマイオス四世と共に王位に付くが紀元前221年息子に殺され非業の最期をとげました。

















鯨座 - Corvus -

生贄にされたアンドロメダを襲った海蛇

エチオピアのケフェウス王の国のカシオペア王妃は、 美しい娘のアンドロメダ姫をいつも自慢していました。

ある時、海の神ネレウスよりも娘の方が美しいと自慢したのを聞いて、 怒ったポセイドンは海の怪物の化け鯨を送り、海を荒らしました。

海の怒りを静めるために、アンドロメダは、 生贄として捧げられることになり海岸の岩山に鎖で繋がれました。

化け鯨が近づいた頃、魔女メドゥーサを退治して帰る途中の、 天馬ペガススに乗ったペルセウスがさしかかり、アンドロメダを妻にする事を条件に、 メドゥサの首を化け鯨の目の前に差し出し、それを見た化け鯨を石にしてしまいました。

後に、その化け鯨は、ポセイドンにより天に上げられ鯨座として飾られました。

















兎座

オリオンの足元を逃げまどうウサギは、おおいぬに追いかけ廻されているウサギの姿とも、荒々しいオリオンの心を静めようとして大神ゼウスが天に上げたとも言われています。
















鳩座

旧約聖書「ノアの方舟」に登場する鳩。地上が悪と戦いに満ち、神のの怒りのため40日間も雨が降り続き、大洪水が起き、ノアが神に命令され造った方舟に乗った生き物だけが助かりました。1年以上も続いた洪水もしだいに収まり、その時ノアが様子を見るために放った鳩がはと座となりました。

くわえているオリーブの若葉は、地上に草木の命が甦っていることを表わしているといいます。

















一角獣座

冬の大三角形に囲まれた一角獣は、頭に長い角が一本生えた、サイより小さい可愛らしい伝説上の動物です。神話ではこの一角獣の角で作った杯で酒を飲むと病気が治ると言われますが、捕まえることも困難でしょう。また姿を見たり、夢を見ただけでもその人に幸せが訪れると言われています。でも男性には無理かも知れません、と言うのも一角獣はとても足が早いので捕まえることは不可能ですが、女性の膝の上に乗るとおとなしくなるといわれているからです。