バザタごのみ

アンリ・カルティエ・ブレッソン

アンリ・カルティエ=ブレッソン (「知の再発見」双書)

  写真好きな方なら、きっとご存知でしょう。とても有名な写真家です。 名前は知らなくても、写真は見た事があるという方もいらっしゃるでしょう。
  モデルを使っているのではなく、日常の一瞬を切り取っている映像なのに、その一瞬にしかありえない完璧な構図なのです。 作品の素晴らしさは、今さら私が語るまでもないことだと言われそうなので、このくらいにしておきます。
  ご本人へのインタビューだったか、同行したことのある誰かの話だったか忘れましたが、ブレッソンは、街を歩いていて、面白い写真が撮れると思った時、 すかさずカメラを取り出して一瞬で撮影するのだと聞きました。それは、被写体が構えていない自然な写真を撮るためだと。 素朴な驚きなのですが、絞り、シャッタースピード、フォーカス、全て手動だった時代に、どうやったら一瞬で写真が撮れるのだろうと 思ってしまいます。
  また、建物等の構図が面白い場所に構えて、その中のベストな位置に人が入ってくるのを、構えて待つのだとも聞きました。 そして、以前、写真展を見に行った時、ブレッソンのコンタクトプリント(フィルム1本を1枚の印画紙上に並べてプリントしたもの。 インデックスプリント)を見る機会があったのですが、そこには、1つの場面について1枚しか撮影されておらず、びっくりしました。 何枚か撮影した中から発表する作品を選んでいるのだと思っていたのです。天才とは、こういうことなのかしら、と思いました。

  何年か前には、ブレッソンの写真で作られたカレンダーが売っていて、一年間毎月楽しめたのですが、残念ながら最近は販売されていません。 今思うと、丁度亡くなられたころから見かけなくなったような気がします。なんとか、またカレンダーを出していただけると嬉しいのですが…。 写真集もいいですが、毎月違う写真を楽しめるカレンダーが、結構好きなのです。