学生時代、雑貨や文房具が大好きでした。
特に渋谷区神宮前にあるOn Sundaysという輸入品の文房具やポストカードを扱っているお店が好きで、
行くたびに少ないお小遣いの中から、筆記具やノートや、何枚かのポストカードを買うのが嬉しくて、買って帰ってからもずっと眺めて楽しんでいました。
当時は、おしゃれな物が買えるお店としか思っていなかったのですが、実は、このお店はワタリウム美術館のミュージアム・ショップだったのですね。
道理で、芸術性の高い素敵なものばかり置いていたわけです。
中でも、私が特に気に入ったのは、写真家ロバート・メイプルソープ作品のポストカードでした。
白と黒のコントラストが素晴らしく、写真というよりグラフィックデザインのようなところが好きで、行くだびに選び出しては買って、集めていました。
それらは、今も処分せずに持っています。
メイプルソープは、日本ではリサ・ライオンという女性ボディビルダーの写真集が出版されたり、
年末になると花のカラー作品がカレンダーで発売されたりするので、それらのイメージをお持ちの方が多いかと思います。
でも、私が好きなのは、白人と黒人の男性ヌード(と言っても全身ではなく、手や胴体などのパーツ)の作品や、パティ・スミスのポートレートなどです。
写真集も欲しかったのですが、学生にとってはとても高価で手が出せず、結局今でも持っていないので、
私にとってのメイプルソープのイメージは、小さなポストカードの大きさでしかないのですが、
今になってそれらを見ると、安いポストカードでワクワクできたころを思い出し、そういうワクワクが大事なんだよな〜と思ったりするのです。