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複数でモイライ(ラテン語 Fates)。単称では「分け前」を意味するモイラ。 ゼウスすら恐れる、人間の運命を決定し監視する3女神。 暗黒エレボスと夜女神ニュクスの間に生まれた。母であるニュクスの3身1体の姿で、衣は白く「増し・満ち・欠ける」月の三相に喩えられる。 天の池のほとりの洞窟に住み、その白い水(月光)は洞窟から迸っている(オルペウス教)。 一方では掟の女神テミスの娘で、父ゼウスのかたわらで相談役を務める(ヘシオドス)ともいわれている。 ホメロスは「強きモイラ」1人とみなし、デルポイ地方では誕生と死の2人のモイラを崇めたが、 一般的にはクロト・ラケシス・アトロポスの3人が挙げられる。 アテナイ地方ではアグラウロスの娘たちアグラウリデスAgraulidesをモイライとみなした。 ラテン名「許す者」は誰にも容赦しない宿命の3女神を指し、それぞれが誕生・結婚・死を司った。 腱を取り戻したゼウスに追われるテュポンには、力の元だと欺き「1日だけ」という果実を与えてゼウスらに荷担し、 メレアグロスが誕生した際は燃えさしの薪で彼の死期を予言した。 イタリアとアルプス以北では、ギリシア語でいうニュンペー「妖精」と同義語にあたる。 この老女神達が下した運命をオリュンポスの神々であろうと覆す事は出来ないが、ゼウスだけは女神達が決した運命を、運命の秤で知る事だけは出来た。 |
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皮肉の神。ニュクスが独力で産んだ子。 神を批判する者 ゼウスが雄牛に角を付ける際に、 強固な肩にでは無く、頭に付けたことに対しゼウスを批判したりした。 |
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アクトルとの間に、エウリュトスとクテアトスという双子の子供を生む。2人はカリュドンの猪狩りにも参加し、アウゲイアスを助けるためにヘラクレスの軍とも戦った。イピクレスとダメオンを殺し、ヘラクレスの軍を追い返したが、後にヘラクレスに殺されてしまう。 |
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ヒュプノスの別名、あるいはヒュプノスとアグライアの子。夢一族男神7柱のひとり。造形者。その名は「形」という意味の「モルペ」に由来する。夢の中で、人に人間の形を認識させ、それを変化させる夢の神。 死んだ夫を、それと知らずに待ち続けるアルキュオネの夢枕に立ち、それを知らせた。 |
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エムプーサと共に、ヘカテに使える邪悪な女神。女吸血鬼の部類にも入っているが、性格は大人しいといわれ、ギリシア人の子供達は恐れるというよりも、その話を聞いて親近感を覚えるほどである。 ルイ・ラヴァテルの『幽霊』の中に、モルモに関する記述がみられる。ラミアとも同一視される。 |
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死の運命。ニュクスが独力で産んだ子。 |
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