イシューリエル - Ithuriel -

『失楽園』において、エデンの園で、ひき蛙に化けて、アダムとエヴァを誘惑していたサタンの正体を暴いた天使。
イェソド/イエソド - Iesod/Yesod -

ユダヤ教  

カバリストのシンボルとも言える、セフィロトの木のセフィラーの一つ。
基盤を表す。9番目のセフィラー。
アストラル体を表す。アストラル体とは、霊魂と肉体の中間にあるとされる霊気。

カバリストは、前存在物質という表現をする。

守護天使はガブリエルGabriel。守護星は月。

イニアエス - Iniaes -

善なる天使であったにもかかわらず、教皇ザカリアス、および教会によって弾劾されたことに怒り、地獄の側についた天使。説教師の偽善をあざける。
イブリス/イブリース - Iblis -

イスラム教  

ジンの首領とされる。
彼はキリスト教のルシファーに相当し、元は天使だった。
人間が作られた時に、神の命ですべての天使が人間にひざまずいたのに、イブリスだけは背いた。そのため天界から追放された。
イブリスを祖とするジンには5階層おり、上から順にマリードMarid魔霊、イフリートIfrit鬼神、シャイターンShaytan悪魔、ジンJinn妖霊、ジャーン悪霊とされている。

神はアダムを作り、天使たちに彼に跪くことを命じた。
しかしイブリスは、跪かなかった。
神がたずねると、彼は「自分の方が優れている。自分は火から作られたが、人間は土から作られている」と答えた。
神は、「この場で高慢に振舞うことは許されない」として、彼を天界から追放した。
その後、最後の審判の時まで罰の執行を猶予され、それまでは人間を惑わせる存在になった。

彼に惑わされて悪事を行ったものは、最後の審判の際に、ゲヘナ(Gechinnom)の炎に投げ入れられるという。

アイペオス/アイポス/イポス/アイポロス - Aypos/Ayporos/Ipos -

36軍団を引き連れる力強き王子にして伯爵。地獄の王族。未来の知識を召喚者に教える。ライオンの体と、ガチョウの手足を持った天使の姿で現れる。ソロモン72柱の一人。

天使の姿で現れるが、時にはガチョウの頭と脚、短めの鬼の尾(ウサギの尾)を持った獅子に化けることもある。過去、現在、未来を知り、人間に才能と大胆な行動力を与える。

インクブス/インキュバス/サッキュバス - incubus/succubus -

伝承
モンスター

共に、人を堕落させる悪魔であり、眠っている人間に害をなす。 女性への欲情ゆえに、天から落ちた堕天使とも言われる。

一般的に夢に関わる悪魔を夢魔(アルプ)またはナイトメアと呼ぶが、サッキュバス、インキュバスの場合は淫らな夢を見せたり、人間と交わったりするので、淫魔と呼んで区別する。

サッキュバスは女性の夢魔で、男性と交わって精子を集め、精霊を作る。 インキュバスは男性の夢魔で、女性を襲い、子供を生ませる。

もっとも、この2つは同じ物で、サッキュバスとして集めた精子を、インキュバスとして使うとも言われる。

名前の元はラテン語で、下に寝るsuccuboと、のしかかるincuboだという説が有力。

基本的には眠っている人間を襲い、目を覚ました者は、燃えるような赤い目で見つめ、体の自由を奪う。これらを防ぐ為には、ペンタグラムを書いたお守りを枕元に置いておけば良い。

夢魔の子供として生まれたとされる人物は多く、「アーサー王伝説」の魔法使いマーリン、アレキサンダー大王やノルマンディー公ロベールなどもそうだと言われる。夢魔との交わりから生まれても、すぐに神の洗礼を愛ければ魔に侵されることもなく、特殊な能力を持つ人材に育つ。

フランスではフォレgollet、ドイツではアルプalp、スペインではドウェンデduende、イタリアではフォレットーfolleto。

人類の始祖アダムと、その最初の妻リリスとの間に生まれた女悪魔リリムたちも、男性を誘惑する夢魔として描かれる。

インフェルノ - Inferno -

イタリア語で、「地獄」の意味。
ウァサゴ/ブァッサーゴ - Vassago -

偉大なる王子であり、26の軍団を持つ。

温和な性格。過去から未来の事柄、または隠されたもの、失われたものの全てについて、話す事ができる。

ブァッサーゴという悪魔は、ゲーティアにしか登場しない。 ゲーティアによれば、アガレスと同じ、とされているので、アガレスの別の姿とも考えられる。

ソロモン72柱の一人。

ヴァーチューズ - Virtues -

キリスト教

力天使。天使のヒエラルキーの一つ、中級三隊の中級。天使の第五階級。

高潔を意味する。ヘブライではマラキムMalakim、またはタルシシスムTalshishismと呼ばれていた。

マラキム、デュナミス、タルシシムとも。

英雄、あるいは善のために戦う者が、窮地に陥ったときに、奇蹟の形で勇気を吹き込む。キリスト昇天の際には、2人の力天使が天まで付き添った。カインの誕生にも立ち会った。

力天使の支配者は、ミカエル、ガブリエル、ラファエル、バリエル、タルシシュで、叛乱以前にはサタネルも名を連ねていた。

ヴァプラ/ヴァピュラ - Vapula -

地獄の力強き公爵で、36の軍団を従える。グリフォンの翼を持つライオンの姿で現れる。手工芸と専門職のあらゆる知識を人に教え、哲学と科学について語る。

書物に書かれていることなら全て、知識を与える力を持っている。

ヴァラク/ヴァルク/ヴァルー/ヴァラック/ヴォラック
- Valac/Valuk/Valu/Valac -

大いなる力を持つ、38(30とも)悪霊軍団の長官。

双頭の龍にまたがり、翼を持った少年の姿で現れる。

隠された財宝についての問いに正しく答えることができ、惑星の位置、大蛇を見つける事のできる場所を教える。また、努力しなくても術者の望むものが手に入るようにする。ソロモン72柱の一人。

ウアル - Vual -

ソロモン72柱の一人。「エジプトの悪霊」とも呼ばれる。駱駝そのもの、あるいは、駱駝にまたがった人間らしい姿で現れ、後者の場合、古代エジプト語とおぼしい言葉を話す。いかなる女の愛をも勝ち取ってくれ、また、過去と未来の知識ももっている。
ヴァルドレ - Vardlet -

第二階級の魔神。地獄宮廷の式武官で、給仕長と運輸係を兼務。魔女達を安全に時間どうりサバト(魔女集会)に到着させる責任者で、女達を誘惑して罠にかけることがある。
ヴァレフォール - Valefor -

頭はロバ、身体はライオンの姿の悪魔。呼び出した者の使い魔となる。ときどき、悪事をそそのかすことがある。

いろんな獣の姿で現れる。盗賊の顔を持つといわれている。変身能力を召喚者に授ける。ソロモン72柱の一人。

ヴィネ/ヴィネー/ヴィネア - Vine/Vinea -

36軍団を支配する偉大な伯爵、王。

隠されたもの、魔法使い、魔女を見つけることができる。
過去から未来の事物の変化を知ることができる。
求めに応じて搭を建て、巨大な石壁を打ち壊し、海に嵐を呼ぶ。
黒馬にまたがり、毒蛇を手にしたライオンの姿で現れる。
ソロモンの72の悪魔の一人。

ウヴァル/ブアル/ヴォバル - Uvall/vual/voval -

36軍団を従える侯爵。
女に愛情を芽生えさせ、敵にも味方にも友情を覚えさせる。
過去、現在、未来の事柄について話す。
現れた時は力強いヒトコブラクダの姿をしているが、術者が望めば人の姿になる。
エジプト語を話すが、完璧なものではない。

ヴェパル/ヴェパール - Vepar -

29の軍団を持つ強大な公爵。
海の統治者であり、海賊などに襲われている船を助ける。
また、術者の要求に応じて、腫れ物や傷口を化膿させたり、虫をわかせたりといった方法で3日以内に人を殺す事ができる。
その力にふさわしい、人魚の姿で現れる。
ソロモンの72の悪魔の一人。
ウェルデレト - Verdelet -

魔女をサバトへと誘う悪魔。数多くの名前を持つ。
ウコバク - Ukobach -

下級の魔神。つねに灼熱した体で現れる。でかい眼と、しっぽを生やした容貌をしている。地獄の業火を生む、石炭を持っているといわれる。ベルゼブブから地獄の釜に油を注ぐ、役を任されている。
ウザ - Uzza -

「ウッザ」、「ウズザ」とも。ユダヤの伝説。エジプトの守護天使。紅海を渡ろうとするエジプトの兵士たちを溺れさせてしまうのは、重刑にすぎると、エジプト人を弁護したが、天使の陪審員たちによって却下される。人間の創造に反対するため、アザゼルに協力したという伝承もある。
ウリエル - Uriel -

キリスト教・イスラム教
元素・方角・特性・美徳・地・南・感性・堅忍

ミカエル、ガブリエル、ラファエルとならぶ四大天使の一人。

名前は「神の炎」を意味する。
タルタロスを支配する地獄の長官であり、怒りにみなぎる恐ろしい天使。

「ペテロの黙示録」によるとウリエルは懺悔の天使で、悪魔顔負けの無慈悲、無情な存在として描写されている。
「シュビラの託宣」では彼は不死の天使で、壊れることのないハデスの真鍮の門を折り、投げつけ、裁きへと連れていくとされている。まさに恐怖の地獄長官。

しばしば炎の剣をもちてエデンの園の門に立つ智天使と同一視されるが、その本職は地獄の長官。

エノク書において、彼は天体の運行、季節、年月、気象といったものを秩序立てているとされる。エノクに「天の書」という一種のアカシック・レコードをあたえた。人間に魔力あるカバラを与えた天使。基本的に彼は廉潔で、規則を頑なに守る天使。そのために8世紀の教会会議で激しく非難され、一時「異端」のレッテルを貼られている。

記録に残っている中で最も最初に人間となった天使。「ヨセフの祈り」の中で、「我は人間のなかに住むために地上にくだり、ヤコブと呼ばれる」と言っている。
後世の聖典で「神の顔」ファヌエルと同一視されており、そのファヌエルこそがヤコブ・イスラエル。その後、多くの天使が人間となり、また多くのイスラエルの父祖が天使となったが、ウリエルはその先駆けであった。

ウレティル - Uretil -

義人エノクに、宇宙のすべての秘密を話してしまった天使。
エアリエル(ギリシャ語 アリエル - ariel -) - Eriel -

ヨーロッパ伝承
精霊

大気の精霊。風の精シルフ shylph。

語源は聖書のイザヤ書、エゼキエル書で出てくる神の祭壇の炉という意味のギリシャ語アリエルarielと言われる。

シェイクスピアは「嵐(テンペスト)」の中で、エアリエルを魔女シコラックスのために松の木の中に12年間閉じ込められていたところを助けてくれた魔法使いプロスペロに、16年間忠実に仕える使い魔ファミリエールfamiliarとして描いている。
身体が小さく、優美な翼を持ち、自在に大気・火・水・風の中を飛び、姿を消す力を持ち、パックのように悪戯好きで陽気な性格の独自の妖精とした。

アレキサンダー・ホープは「髪盗人」で、エアリエルを美女ベリンダの守護精霊の一人としている。

ミルトンは「失楽園」の中で、エアリエルを天に反逆した堕天使の一人としている。

天王星の第一衛星

エウリノーム - Eurynome -

巨大な長い歯をもち、傷だらけの醜悪な体にはキツネの皮をまとっている。死骸を食らう悪魔で「死の王」とも。ギリシアの出身。
エデン - Eden -

キリスト教

旧約聖書の「創世記」2〜3章にしるされた人類最初の居住地。 エデンの園、楽園(パラダイス)ともいわれる。地理的にどこをさすのかは不明。
エデンの語源は「平地」「草原」を意味するシュメール・アッカド語エディヌと考えられている。 聖書のエデンの記述は、メソポタミアの美しい緑の風景を理想化して表現したという意見もある。

「創世記」には、エデンから流れ出る4つの川の名が記されている。楽園はこのふたつの川を中心とする「肥沃な三日月地帯」のどこかに存在したと考えられていた。

旧約聖書のほかの書にもエデンについての記述があり、いずれも理想的な環境を暗示するものとされている。

エホヴァ - Jehova -

ユダヤ・キリスト教の唯一神。
「わたしは『わたしはある』というものである」
ヘブライ語の名を、ラテン語に置き換えると「神聖四文字」といわれる、「YHVH」または、「YHWH」となる。またこれらには母音がないため、どう発音するか分かっていない。したがって便宜上、「エホヴァ」、「ヤハウェ」、「エロヒム」と呼ばれる。

エリゴル - Eligor -

槍と旗を掲げた騎士の姿で現れる。召喚者に、愛と財宝のありかを教える。ソロモン72柱の一人。
エルリム - Erelim -

ユダヤの伝説。第三天から植物を見守っている天使たちの総称。それぞれに、7万の頭があり、その7万の舌の1枚1枚がものを言うので、彼等は、観察・報告の能力に長けている。
エンジェルズ - Angels -

天使。天使の第九階級。最も人間に近いところにいる。エンジェルを表す。ヘブライ語は「マラーク」で、「使者」を意味する。同じ意味を示すサンスクリット語は「アンゲレス」であり、これがペルシアに入ると、「密使」を意味する「アンガロス」になり、やがてギリシアに入って、「アンゲロス」となった。その名が示すように、神と人間の仲立ちをする役目を担っている。天使の数は、少なめに見積もっても、3億165万5722人はいるという。
オセ/ヴォーソー - Ose/Voso -

30あまりの悪霊軍団を従える長官。
神学と秘密のことがらについて真実を答え、教養学に精通させる。
術者の望み通りの姿になることができる。
威厳のある豹の姿で現れるが、しばらくすると人間になる。
人間を、望み通りの姿に変える力を持つ。妄想や狂気を人間に植え付ける。ソロモン72柱の一人。

オファニム/トロウンズ/ガルガリン - Ofanim -

座天使。ヘブライ語の「ガルガル」は、「車輪」と「瞳」の両方を意味する。座天使の外見は『エゼキエル書』に詳しい。曰く、「・・・その生物(いきもの)の形は熾(おこ)れる炭の火のごとく、・・・その四箇の面(かお)の前に地の上に輪あり。・・・輪ぶちは高くして・・・四箇ともにみな遍く目あり。・・・生物の行くときは、輪、その傍らに行き、生物、地を離れて上がるときは輪もまた上がる。・・・」。座天使は天使の第三階級で、神の決定の配剤を考えることを任務とする。一般的に、ラファエルがその支配者であるとされる。
オフィエル - Ophiel -

セクンダデイの大天使の一人で、土星層を支配する。カバリストには最高の天使の五番目に当たり、金を銅に変える力を持つ。中世の魔術書『グリモア』の中にも登場し、オリンピアの天使であり、そこでは水星を支配する役目を持つ。
オリアス/オリアクス - Orias/oriax -

偉大なる公爵であり、30の悪霊軍団を支配する。

星が教える運命や意味を理解する力を人に与える。また、術者の姿を変えたり、権威と位の高い聖職を与える。

右手に2匹の蛇をもったライオンの姿で、その尾は巨大な蛇のものである。逞しい馬に乗っている。 ソロモン72柱の一人。

オリンピアの天使 - Angels of Olimpics -
(別名 オリンピアの精霊 Olimpics Spirits)

「グリモール(魔道書)」と呼ばれる中世の魔術書の中で、たびたび紹介されるのが、この「オリンピアの天使」と呼ばれる7人。 天使と名づけられているものの、いわゆるユダヤやキリスト教の天使Angelとは、関わりはない。どちらかというと、魔術の補助をする精霊。 その能力は、9階級の天使たちよりも劣るものの、十分に人間の役に立つとされ、召喚魔術を行う者たちに重宝がられてきた。 彼等9人は、9惑星の支配権を持つとされている。その役割は、次の通り。

アラトロン  Aratoron   土星
ベトール   Bethor    木星
ファレグ   Phaleg    火星
オク     Och    太陽
ハギト    Haggith  金星
オフィエル  Ophiel    水星
フル     Phule   月

オレイ/ロレイ - Oray/Loray -

30の軍団を支配する地獄の大公爵。弓と矢をたずさえた立派な射手の姿で現れる。
オロバス - Orobas -

冥界の王族、20軍団を持つ力強き王子。

過去、現在、未来のすべてを見通し、世界の創造と神学に関する質問に真実を答える。権力と高位の聖職者の地位を人に与える。また、友からも敵からも助力を得られるようにさせる。術者に誠実で、悪霊によって惑わすということはない。

美しい馬または胴と腕は馬で他は馬の姿をして、たてがみと尾は真っ赤で、銀のひずめを持つ。求めに応じて人の姿になる。

ソロモン72柱の一人。