6月3日


朝。
時間は7時、太陽は十分に上がっている。
一服して顔を洗い真っ直ぐフロントへ、どうせ理屈も知らない場所なので4日ほどの滞在延長を試みる。
幸い自分の部屋は空いていたらしく、600フラン払って即OKとなった。
バックパックから小亀(小バック)を外し、辞書の類を詰め込んで表にでる。
まだ目的はない、まずはとにかく街に慣れることだ。
コンパスを手に北を目指してみる、個人芸術で有名なモンマルトルに行ってみようと思った。
周りではあちこちで緑の服の清掃員が下水に道端のゴミ・・・吸殻やら犬の糞などを流し込んでいた、その風景は とてもエレガントとは言い難い。
3、4階建ての建物の路地をとにかく進む、休日の為か食料品店以外は10時を周っても開く気配が無い。
「この先か?」と思わせぶりな坂を登り続けて、開けた住宅地を見て予定よりも遥か東に来てしまっていた事が判明。
改めて地図を見るとどうやら19区をグルグル周っていただけらしい。
昨日といい今日といい、やはり日本の感覚は通用しないと実感した。
ダルくなったので近場のメトロに乗ってArts et Metiersに戻る、近くのストアで水を買いホテルへ。
しかし3ヶ月運動してないとはいえ、足の筋肉のくたびれ具合にはまいったものだ。
改めてバックパックを見直す、特殊使用のバックは何処へ行くつもりかと言わんばかりにパンパンだ。
こんなんで本当にMont St Michelまで行けるのだろうか?
馬鹿な思いを頭に巡らせながら窓から顔を出しタバコをふかす。

しっかしほんと日が長いなあ。



6月4日


6時ぐらいに目が覚めるがダルいので2度寝、9時にのっそりとベッドを出る。
いつものように窓から顔を出して一服、ホテルを出てメトロに乗りOperaへ。
ゲージツ鑑賞といきたいところだが今回は我慢、アメックスの両替所に入る。
TC(トラベラーズチェック)は安全だと言うが、自分みたいに野暮な旅をするには無意味だと判った。
何だかんだでも現金が一番。

とりあえずはパリが気に入ったので別のホテル探しを始める、写真の通りの所だが無駄な騒拳さが無い、いい所だ。
再びシテ島のホテル Henly W へ向かうが満室で断られる。
ボーっと島の端をノートルダムへ向けて歩いていると可愛いポニーテールに道を尋ねられた。
行き先は自分と同じノートルダム、「オレも行こうかな」と言うと「それもいいわね」と笑顔で返されて終わってしまった、 チクショウ残念ナンパ失敗。
観光客向けの売店でサンドイッチを買い、広場のベンチでかぶりつく。
肝心のノートルダムは観光客でごった返していた、とても入る気にはならない。
ふと気付いたのが日本語の多さだ、著名な名所はもちろん、チェンジ(両替商)でも必ずと言っていいほど日本語がある。

川を覗く、昼夜問わず何かしらの船が行き交っている川だ。
島の下へ降りるとクルーズをやっていた、せっかくなので50Fばかし払って乗り込む。
シテからアンバリットまで周り戻る、約1時間のクルーズ。
ガイドはフランス語と英語で説明があったので自分でもいくらかは解った、学生でボランティアらしく、下船時に寄付を もらっていた。
船風が気持ちいい、映画と同じ風景が視界を流れて行く。
が、川はあまり綺麗とはいい難い。
市外と同じく、本当に”エレガント”な町なんだろうか?


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