シシフォス/シシュポス - Sisyphus -

アイオロスとエナレテの息子。コリントスの王。グラウコス、オルニュティオン、テルサンドロス、アルモスという息子を残す。オデュッセウスの祖父。

ある時、彼はゼウスが川の畔でアイギナをさらっていくのを目撃した。ゼウスは彼女をオイオノエ島まで連れ去って犯した。それを彼女の父であるアソポス河神は追いかけ、シシュポスに情報を提供してくれるように頼んだ。シシュポスは、泉を沸き出させて貰うことを条件に、彼に情報を提供した。

それに激怒したゼウスは、彼に「死」を与えた。シシュポスの元へタナトスを遣わして、ハデスの元へ送ろうとしたが、シシュポスはタナトスを縛り上げ、土牢に放り込んでしまった。タナトスはアレスに助けられたのだが、その間地上の人間は死ぬことがなかった。

タナトスは再び彼を見つけだし、今度は冥界まで連れ去ったが、彼の妻であるメロペはわざと葬儀をあげず、ハデスの怒りを増長させた。きちんと葬儀をあげるように地上に戻されたシシュポスは、案の定命令に従うはずもなく、そのまま長寿をまっとうしたという。

死後、彼はタルタロスで罰せられ、永久に丘の上に石を運ぶ罰を受けた。石は頂上へ着くと、転がり落ち、永遠にそれを繰り返さねばならなかった。

シビュラ - Sibylla -

アポロンの神託を伝える巫女

シビュラはトロイアに住んでいた巫女であったが、アポロンから予言の力を授かり、 人々に神託として6脚韻詩で予言を告げた。
シビュラの名が広まると、 やがてシビュラの名は巫女の総称として使われるようになった。
初期ギリシアにおいてシビュラの名を持つ者は、 トロイアの戦争を予言したエリュトレイアの巫女のみであったが、 後に、サモス、エリュトライ、クマエ、リビア、ティブルなどの巫女10人に増えた。

特にクマエのシビュラであるデイフォーブは、アポロンから愛されたために悲劇を迎える。 アポロンは彼女に愛人となってくれれば何でも望みを叶えようと約束する。
デイフォーブは、一山の砂の数だけの年数長生きできるように願った。
願いは叶えられたが、永遠の若さを願うことを忘れてしまったため、 砂の数だけ老いながら生き続けることになった。

後にローマ最後の王タルクゥイニウス・スペルブスの前に現れ、 9冊の予言書を高値で売りつけようとした。
王が断ると3冊の予言書を火に投げ入れ、残りの6冊を9冊分の金額で買えと迫った。
王が再び断ると、3冊の予言書を火に投げ入れ、残りを9冊分の金額で買えと迫った。
王は神官達に相談すると、6冊の予言書が失われたことに嘆き、 残りの3冊を言い値で買い取るように進言した。
この予言書はユピテル神殿に保管され、国家危機の際、神意を問うために開かれた。

だが、紀元前83年の神殿大火の時に焼失した。

シレノス - Silennus -



ディオニュソスが成人したとき、シレノスに教えを受けるようになった。

シレノスは太鼓腹の背の低い森の神である。牧羊神パンの息子でもある。シレノスは大変に賢い。ディオニュソスにぶどうの秘密を教えたのもシレノスであった。ディオニュソスとシレノスは、地中海沿岸を旅し、人々にぶどうの栽培を教えた。

2人の後には、酔い、踊る人々がついてまわった。彼らはディオニュソスの信者たちである。信者の中には、サテュロスやバッカンテ(バッコスの巫女)たちがいた。