Greece Rome Myth - ギリシア・ローマ神話 - ▲ 
ギリシア神話の幕開け

ギリシア神話の大きな特徴のひとつに、悪魔や悪霊、悪神など、 善や正義に敵対して闇のパワーをふるう恐ろしい神がいないということがある。それを裏返せば、神々の戦いにおいても、どちらかが絶対善であり、絶対悪であるかといった 明確な善悪の基準がないということになる。

天界の主も、ウラノス(天)から息子クロノス(時)に代わったものの、勝者の時代が長続きするわけではなく、王者の座はすぐに次世代の者に引き渡される運命にあった。

ウラノス(天)に代わって神々の王となったティターン族のクロノス(時)は、妻のレアに、火の女神ヘスティア、 豊穣の女神デメテル、女王ヘラ、冥府の神ハデス、海王ポセイドン、全能神ゼウス、と、次々に子供を産ませていく。しかし、母ガイア(大地)との約束に背いて、せっかくタルタロスから救い出したキュクロプス(一眼巨人)やヘカトンケイル(百腕巨人)を、またタルタロスに放り込んでしまったために、ガイア(大地)から、後に自分の子供によって王位を奪われることになるだろう、という予言を受けてしまう。

予言が現実になることを心配したクロノス(時)は、子供たちが産れるいなや次々と飲み込んでしまう。妻のレアはじっと我慢していたが、ついに耐えられなくなると、最後の子供の臨月にガイア(大地)に相談して、こっそりクレタ島に赴き、岩の中で出産をすませると、クロノス(時)のもとに戻り、島から持ち帰った石を子供と偽り産着にくるんで飲み込ませた。

一方、クレタ島に残された子供はゼウスと名付けられ、クレタ島の精霊クレスとニンフ(女精)に育てられることになった。ゼウスの泣き声が天界に届かないよう、精霊クレタスが槍で盾を打ち鳴らし守護した。

こうして立派に成長したゼウスは、クロノス(時)を騙し、吐き薬を飲ませることに成功 !! まず、ゼウスの代わりに飲み込ませた石が出てきたのでゼウスが長子となった。後からポセイドン、ハデス、兄や姉たちが次々と生きたまま出てきた。

ゼウスが宣戦(ティタノマキア)し、いよいよクロノス(時)をトップとするティターン族と、ゼウスを筆頭とする オリュンパスの神々の戦いがはじまる。
両者の力量は拮抗してなかなか決着がつかない。ティターン族はオトリュス山に陣取り、ゼウス側はオリュンパス山に立てこもって、の熾烈な戦いが10年も続いた。

しかし、最後にはゼウスが助けたヘカトンケイル(百腕巨人)たちが見事に恩に報いることなる。巨人族はお礼にゼウスに稲妻、雷鳴を贈り、3人のヘカトンケイル(百腕巨人)は合わせて300本の手で、ティターン族たちに大きな岩を投げ付けた。ティターン族たちは、ゼウスに雷を投げ付けられて目が眩んだところに、この攻撃を受けたので腰砕けになり、とうとう降参する。
またティタン族に味方した巨大で獰猛な怪物テュポンもゼウスを手こずらせたが、最後は雷で岩を崩し、テュポンが逃げ出したところにエトナ山を投げ付けて征服した。

制圧されたティタン族や怪物たちは、タルタロスに閉じ込められた。その為、後までタルタロスは神々の牢獄となる。ティターン神族でただひとり、アトラスのみは並外れた怪力を買われ、世界の西の果てで天空を頭と両腕で支え続ける、という役目を負わされた。

こうしてゼウスを最高神とするオリュンパスの神々の時代が始まる。

戦功のあったヘカトンケイルたちは、ゼウスの命によってタルタロスの番人となり、ティタン族たちの見張りに着くことになった。

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