Greece Rome Myth - ギリシア・ローマ神話 - ▲ 
世界のはじまり

古代ギリシア人の世界観によれぱ、地球は円盤状をした平たくて大きな島であり、 まわりは巨大な川であるオケアノスに囲まれていた。 また空は銅か鉄の硬い物質でできていて、ドーム状に地球を覆っていると考えられていた。 空はすなわち、神々の住処であるオリュンパス山の頂上であり、高さは大きな山を 3つ重ねた分くらいというので、それほど手の届かない至高の高みというわけでもなかったらしい。

太陽神ヘリオスの息子パエトンが、太陽を乗せた父の馬車を一日だけ変りに走らせて失敗し、 危うく地上が大火事になるところを、ゼウスがパエトンを殺してその場をおさめた、という話では、 地上の一番東の果に行くと空と大地がくっついている場所があり、 そこから太陽が昇る、ということになっている。 逆に日が沈む西の果ては、暗闇の世界、つまり冥府「ハデス」の入り口になっているという。

この世界はどうやってできたのか・・・?

世界ができる前には無の空間の中に「カオス」(混沌)という物質がすべての空間に充満していた。そしてこのカオスは、ある時点を境に、どんどん分離しはじめて、まずガイア(大地)が、 次に地上にあるくらい闇に支配された場所であるタルタロス(暗黒)が誕生した。カオスからエレボス(闇)、ニュクス(夜)が誕生した。ニュクス(夜)はエレボス(闇)と交わりアイテル(光・空)とヘメラ(昼)を生んだ。ガイアは独力で天空神ウラノス(天)とポントス(山と海)を生んだ。さらにエロス(愛)と闇に変化していった。

ここまでできたところで、ガイア(大地)は自身の子供であるウラノス(天)と交わって、 最初の神となる十二神たる12人の巨人ティータン神族を生みはじめる。ティータンの一番上の兄は、大地を環状にとり巻いて流れるオケアノスで、 最後は最も恐ろしい子供であるクロノス(時)だった。12人の中には、オケアノスの妻のテシスや、クロノスの妻のレアも含まれていた。

ガイア(大地)とウラノス(天)は、ティタン族に続いてさらに無気味な怪物を生みはじめた。 このときに額にひとつだけしか目がない3人のキュクロプス、 頭が50に手が100本もある3人のヘカトンケイルが生まれたが、 非常に凶暴でおぞましい怪物だったので、自分の子であるのに、見ているのも嫌になってしまい、父のウラノスはヘカトンケイル(百腕巨人)を、ガイア(大地)の中にある大地の穴のタルタロスに閉じ込めてしまった。しかし、いくら醜いとはいえ、ガイア(大地)にとっては可愛い息子、このあまりの仕打ちを恨みに思ったガイア(大地)は、ティタン族の末っ子のクロノス(時)に言いつけて復讐させることにした。ガイア(大地)はアマダスという特別な金属でできた大鎌を作ってクロノス(時)に与え、父ウラノス(天)を待ち伏せさせる。

さて、いよいよウラノス(天)が天上から地上に降りてきてガイア(大地)にすっぽり覆い被さると、クロノス(時)はさっと隠れていた場所からウラノス(天)に飛びかかり、父の生殖器を切り落として海に投げ込んだ。ウラノスの傷口から流れ出た血はガイア(大地)の体内に浸透し、蛇の髪をした3人の復讐の女神エリニュスが誕生し、クロノス(時)に王位を渡した。

一方、切り取られたウラノス(天)の生殖器は海に落ち、波に漂っているうちにそこから流れ出た精液から 美の女神アフロディテ(美と愛)が誕生し、キプロス島に流れ着いた。

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