ギリシャ神話の構成
ギリシア神話が造られた文明の始まりは、ギリシアの南岸に近いクレタ島の都、クノッソスを中心としたエーゲ海文化からです。クノッソスには紀元前三千年頃から進んだ文化があり、エジプトとも交通がありました。また、そこに住んでいる民族は、南方からきた民族だということが近年の調べでわかっています。
やがてクノッソスが滅亡するとともに、文明はギリシア本島へと広がっていきました。そしてそこで、アジア高原のほうから北の山脈を超えて移動してきた民族とぶつかり、やがてクレタ島からきた南方民族は征服されていきました。そしてエーゲ海の文明はこの時一度滅びました。
その後、北方民族は新しい文化を長い年月をかけ造っていきましたが、南方民族と混融していくうちに彼らは、自分たちより進んでいた南方民族の文化を取りこんでいきました。そして、南北両民族は互いに同化し、一つの民族を形成しました。その後、彼らは英雄デウカリオンの子ヘレンを全民族の祖先と信じ、自らをヘレネス(Hellenes)、その国をヘラス(Hellas)と呼ぶようになりました。
やがてヘラス民族は広く分布し、広大なヘラスの天地を形づくりました。そして、今まで同化してきたそれぞれの民族の文化や経験が混融していき、種々な神話を形成していきました。それが、詩人たちによって語り継がれていき、今のギリシア神話となったのです。
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