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ニスはドワーフ似たデンマークの小人の妖精で、人家に住み着き、住人が寝静まった後にやり残した家事仕事をやってくれる。その報酬はたった1杯のバター入りの牛乳粥だけでよい。 身体の大きさは人間の1歳児くらいで、しわくちゃの顔をして、灰色の上着、赤いとんがり帽子をかぶっている。 ニスは家の誰か、あるいは動物(ただし犬は嫌い)を気に入ることがある。特にそれが馬だった場合、念入りにブラシをかけ、その馬の餌をよその農家から盗み出しくる。その穀物は大量なので、他の家畜まで栄養がよくなり、その農家も豊かなる。だが、その馬をよそに売るようなことをすると、その馬と一緒にニスも出て行ってしまう。 ニスはあまり人見知りしないのか、よく人間に姿を見せる。しかし、姿が見えるからと言ってからかうようなことをすると、後で仕返しをする。が、その仕返しは無邪気なもので、大怪我させるようなことまではしない。また、その仕返しがニス自身の勘違いだった場合は、それ相当の賠償金を払ってくれる。 |
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自分の子供に、妖精には「ネモ(私自身)」と名乗らせるようにしている。そのために、妖精に怪我を負わせたときに、親妖精が飛んできても、正確に加害者を名指しすることができず、結局、加害者不在として難を逃れることが出来るという話で、古今東西に流布しているモチーフである。 |
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ノッカーは、イギリス南西部のコーンウォール地方で、錫鉱山の地下に住んでいる。それ以外では、洞窟や井戸に住み着くこともある。 身長はおもちゃの人形ほどで、みな年季の入った錫鉱夫の姿をしている。ノミや金槌、穿穴用の鉄棒、2,5センチ程の金床を持っている。 姿を見かけることはほとんどないが、鉱山の中で、彼らが鉱石を切り出す音はよく聞くことができた。彼らは、よい鉱脈がどこにあるのかを熟知しているので、その音が良い鉱脈を知らせる合図にもなっていた。 ノッカーは決して人間に悪意をもった妖精ではなく、彼らとうまく付き合うことができれば、鉱夫は豊かになることができる。 |
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