ライヴ 2009年10月 3日(土)
 10:30〜16:30
コンサートPAスタッフ1日体験セミナー
Sound Tecnology College PA Div @Live Hall CROSSROAD


学校 コンサートPAスタッフを1日体験して参りました。
500人キャパのライヴハウスでのハウスミキサー&モニターミキサーの無料実習セミナー。
マイクセッティングからサウンドチェック、ミキシングまでトータルに行い、PAミキサーの1日をまるごと体験♪

いつもライヴを観ていると気になるPA席。その日そのイベントごとの音を決めるスタッフのお仕事に密着♪
遠足なみに楽しみにしていたセミナーでござーい。キャッホー!

受付で名札と資料一式を渡され、ライブホールCROSS ROADへと案内されました。1ドリンク付♪

そこで、教えてくださったのは、永ちゃんやキョンキョンのPAも演られていたという横田先生。
PA歴30年の大ベテランでいらっしゃいます。

まず、席に着き、
「おはようございます!」
スタッフみなさま元気いっぱいでの挨拶から!がキホンのようです。つられてみんな大きな声で挨拶するし。

今日は6人来てたのだけれども、一人はDJ経験者で、私と一緒くらいの年齢に見える女性。
もう一人は山形から始発で来て、終電までに山形に帰るという強行スケジュールの女子。
ってか、驚いたことに全員女性! しかも、残り半分の3人はアジアからの留学生。
発音で、二人はアグネスチャン系の中国人、あと一人はテレサテン系の台湾の方?とお見受けしましたが、
深く尋ねることはしませんでした。みなさん日本語がお上手で、カタコトながらちゃんと会話にはなるから凄いよね。

舞台上のスクリーンに映し出されたスライドを見ながら、音響技術の歴史についての講義。
「この時は、スピーカーを8mの高さの台の上に柵もなしに積み上げただけのセットで、今見るとこわいですが‥、」
とか、自分の人生の記憶を辿りながら、楽しそうに話される姿が印象的で、
どこかの山での "アフロディーテ"の文字の書体と、観客のファッションが歴史を物語っていました。
「昔は今と違って、ステージは見上げるカンジに建てられてました。」
ナルホド。今はなき後楽園球場など、懐かしのステージ写真もフィルムに収められていて興味深かったです。

小休憩をはさみ、続けて、技術者の職種、PAミキサーの役割・機材・仕込み図などについての解説。
これから使う機械の仕組みと、簡単な操作法についての取り扱い説明をしていただきました。

コンサートPAスタッフ1日体験
※資料にコメントを加え、再編集しています。※

1.技術者の職種
@[PAミキサー] その場のオーディエンス
A[レコーディングミキサー] スタジオ録音
B[放送音声ミキサー] 放送局
C[MA(マルチオーディオ)ミキサー] 映像
日本は、ほとんどが分業。世界はマルチが多い。

2.PAミキサーの仕事・役割
※PA(Public Address)「大勢の人にメッセージを伝える」(大衆告知・公衆伝達)
@[客席 PAミキサー、ハウスミキサー] 大勢のお客さんに心地よい音を提供。オーディエンスの耳で聴く。
A[ステージ モニターミキサー] 出演者に演技や演奏がしやすい環境を提供。ミュージシャンに音を返す。
※グラフィックイコライザ(音質・音色を調節する機械)を使ったスピーカチューニング(PA、モニター)音作りが大切

3.PAの機材
@マイクロフォン
Aマイクスタンド
B各種ケーブル
Cミキシングコンソール
Dイコライザ
Eエフェクタ(リヴァーブ(お風呂のような)、ディレイ(山びこのような)、リミッタコンプレッサ、ノイズゲート‥)
Fアンプ(大きな音をスピーカーから出す)
Gスピーカー(PA、モニター)
コネクタ、DIボックス「Direct Injection:ダイレクトインジェクション」。

4.PAの仕込みの流れ(仕込み図)
@搬入・機材の配置、電源 11トン車1台分くらい。
A配線・接続(アウトプット、インプット)音がきているかそれぞれチェック。
Bスピーカ配線チェック(アウトプット)、マイク回線チェック(インプット)
Cスピーカチューニング(PA、モニター)
Dマイクアレンジ ドラムだけで8本くらい。
Eサウンドチェック 楽器に対してアレンジする。
Fモニターチェック 音が気持ちよく返ってくるか。
Gリハーサル

5.ミキサーの機能・役割
@音量(大きさ):フェーダー(Fader)※ヘッドアンプ(HA)、ゲイン(GAIN)‥
A音質(音色):イコライザ(Equalizer)
Bエフェクタ:オグジュアリー(Auxiliary Send:Effector Send)
※左右のバランス:パンポット(Panpot)
※モニター:オグジュアリー(Auxiliary Send:Monitor Send)
例えば男女なら男子のほうが声が大きいが、その場合、ヘッドアンプで調節。
なるべくフェーダーはで一列になるようにしておく。


6.ミキサーに必要な要素・知識
@音響機器
A電気の基礎
B音響理論の基礎 (音の反射。音の三要素。)
C音楽理論・演劇等の基礎
D楽器の知識 (音色、特色)
E舞台技術・スタッフワーク

世界最大のPAさんの会社は、日本のヒビノだということですが、
なぜかココ以外のPA会社標準のケーブルの巻き方を教わりました。
「これだけできれば、どこでも行けますから♪」
そう言って、何度も丁寧に教えてくださる助手のギャル娘さん。お手本に、キュートな動きで巻き巻きしてくれました。
八の字巻きといって、同じ方向に巻かず、正逆正逆となるよう、交互に手首をひねって巻いていくのですが、
こうして巻いておくと、ケーブルをほどく際に絡まったり縺れたりしなくなるのだそうです。
ねじれたり、絡まったり、と、意外と手こずりましたが、憶えると便利そう。

お弁当
 そして ランチタイム

 用意されたお弁当をいただきながら ストリート出身のバンド、ワカバのC.C.Lemonホールライヴを
 搬入のもようから大型スクリーンで観ました。若さ溢れるステージ。ポップでキャッチー♪

そして午後は ワクワクドキドキの初PA体験です♪
いよいよ生バンドの演奏で、生ライヴにスタッフとして初参加することになります。

舞台に上がって、音響機材のセッティング。
セットは組んであったので、マイクとラインを繋ぐところからやらせてもらいました。

そしてアーティストがステージにあがり、リハーサル。サウンドチェック。適切な音色や音量バランスをとります。

ゲストバンドとして演奏してくださったのはsugar-saltさん。
初対面なので、メンバーひとりひとりとコミュニケーション。もちろん自己紹介の挨拶からです。

どうやらDJ経験者の女性がタイプだったらしく、ご機嫌に会話が弾んでいました。
「はじめまして。じゃないですよね、お久しぶりです。僕、一度会った女性は忘れませんから」
「・・(笑)」
それって口説き文句では? なかなかキザでらした。大切ですよね、バンドマン!

ステージの左右にある両サイドにあるスピーカーからあふれ出すサウンドを操るのが、ハウスミキサー。
ホールの後方にあるブースから全体のバランスを聴きながら操作します。
日本では、その現場でいちばん偉いPAさんの持ち場らしいです。

このブースのあたりで聴く音が、そのコンサートのベストバランスとなっているわけです。
センターに陣取らないと、全部の音が気持ちよく聴こえてきません。
わからなくなったら、客席に下りて、あらゆる場所から聴いてみると、よくわかります。
左右のスピーカーの前は、ものすごい振動で、それが臨場感につながってライヴの大切な要素なのですが、
ずっといると胃が裏返る感じになります。空腹のときは避けると良いでしょう。

それぞれ実際に音を出していただいて、いい音が返ってくるように、コーラスまで、一音ずつ確認する作業をしました。
じぶんの気持ちのいいバランスにしたら、OKかどうか確認して、演奏開始♪

曲が始まると舞台に釘付け、大変なのはココからでした。
なにせ初めてなので按配がわかりません。歌いにくくないか、演奏しにくくないか、おっかなびっくり。
手に汗握って緊張しっぱなしで操作してみましたが、どうだったでしょう!?
「ダイジョウブ、うまいぐあいにいってました。」と褒めてはいただきましたが、聴きなおしてみたいなぁ。
はっきりいって頭の中真っ白で、どんな仕上がりになったか、憶えていないほどだったので。
とにかく関わってることが嬉しかったから、舞い上がってしまってたかもしれないなぁ。

曲のラストで、ギターのフェーダーを上げようとして、う〜ん。と首を傾げたら、
終わってからすかさず「上げようとしたでしょう、それで良かったのだよ。」よく見ていて、良い先生ですね。

ハウスミキサーの操作をひととおりやってみた後、舞台に上がって、今度はモニターミキサーの実習です。
ステージ上での説明は、見るからにロックミュージックな風貌の恵木先生にしていただきました。

ステージの左横にあるブースから、音の調節を一人でこなすPAさんが操作している機械で、
演奏しているミュージシャン達に、パート毎に、それぞれのモニターから音を返してあげるのが、モニターミキサー。
海外では、こちらのほうが重要視されることも多く、ミキサー卓を操るPAエンジニアも音楽を生み出すアーティストのひとり。

ハッキリ言って出音は好みでしかないので、人によって好きなバランスが全然違うのだそうで、
自分にしか出せない音質・音色を創り出せる喜び、それがこの仕事の楽しみのひとつのようです。
PAさんによって違った印象のライヴになったりするのでしょうね、

「好きなバンドなんかをやらせてもらうときは、やっぱりドキドキで嬉しいんですよ。」
こういう気持ちを素直に言えるってステキなことだと思いました。
心から尊敬できる人がいるというのは、幸せなことですから。

返した音がミュージシャン達に返っているか、それぞれの位置に立って確認します。
ステージを歩きまわり、セットの各ソングのモニター・ミックスを微調整するのです。
ベースアンプの前は、ズンズン響いて心地よかったです。
ギターとベースは前にモニターがありますが、全体のバランスをみるために音を返すものです。
それぞれの楽器の音は、後ろにアンプから出ている音を聴いています。
ヴォーカルは、左右2台のモニターから音をとります。
ドラムセットに立てるマイクが一番多いため、ちょっとしたセッティングで音が変わってしまうようで、
「なんかずれてませんか?」 ドラムの方に言われて、マイク位置の調整をしていました。

それぞれの前に置かれたモニタースピーカーから出力される返し音も聴くと、それぞれ全然違っています。
これも、新しい発見でした。

トータルの出来を大きく左右してしまう大切なポジションなので、まぁ実際のお仕事となると、
いずれにせよ、これらの機械を自由自在に使いこなせるようになるためには、
みっちり2年くらい学校に通って、3年くらいセッティングとか搬入搬出とかこき使われてから、
やっと任せてもらえるんだけどねぇ、なんて経験者ならではの本音をチラリ☆
いきなり体験できるなんてラッキー♪ってことですね。

些細なことですが、普段気付かなかった小さな発見がたくさんあって、いちいち感動してしまいました。
ライヴも観に行くだけでなく、こうやって参加すると、思い入れが変わってくることでしょう。

どちらの先生も、実際の体験をもとに、熱く語られていました。
学校の先生というのは、自分の仕事を本当に好きな人が、その良さを伝えたくてなる仕事なのだなぁ、と。

sugar-saltさんには、帰り際、「記念にお土産です。」と販促CDまでいただいたので、
バンドについての補足をしておこうと思うのですが、あまりジャンルとか詳しくないので、
ヴォーカルのタイプとしては、Zeppet storeを髣髴させるような、BUMP OF CHICKEN の疾走感抜きというか、
いい楽器を理想の音色で弾きこなしてらして、出音はブルージーな、耳障りのよい音、ナイスガイ揃いのバンドさんでした。
Dr.とB.さんが兄弟なのですって 全然似てなぃ(余計なお世話)
明日は渋谷でライヴだというのに、初心者の熱いココロに、優しくお付き合いくださってありがとうございました。

あと、特筆すべきことは、19歳に見られたこと♪ せっかくなので、そういうことにしておこう。^^
よし!まだまだイケてるんだな♪ おっし。自身を取り戻し、自信を取り戻す。
オトナに見られて得することなんかひとつもないからね!(←偏見だということはわかっていますが、)

至れり尽くせりだったので、とっても充実して楽しい日になったよっ♪ 始終ニコニコだったに違いなく。
参加型の素敵なイベントでした♪ 生きている限り夢はみるもの。夢に年齢は関係ないのさ〜っ♪
またの企画を楽しみにしてみちゃおう♪チェキラッ

あ!記念写真忘れたぁ!!


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