Trade Slang

50音


【あ】


アームアップ/ダウン 撮影用クレーンの操作法。クレーンアップ・クレーンダウンともいう。

アイライト 人物の瞳に光を当て、瞳に光輝を与える照明、または小型照明器具。

アイライン 目線。人物が見ている方向のこと。

アイリス 絞り。撮像面に入る入射光量を調整する機構。

アイレベル 人間の目の高さ。

アウトフォーカス 被写体に焦点が合っていない状態。ピンボケ。焦点が合っている状態からボカす事をフォーカスアウト。その逆がフォーカスイン。

アオリ 被写体を下から見上げるように仰角で撮影すること。または、被写体を下方から照明すること。

あおる 照明の点灯を確認する場合、また点灯、消灯を繰り返し行なう時「あおって」という。

あげる 照明を明るくすること。照明バトンを上昇させること。

アゴ 食事のこと。ADのもっとも重要な雑用の一つ。ロケ地での食事の手配は、決して失敗できない。味の善し悪し、予算、人数、食事時間などを考慮し、どの飲食店を選ぶかでそのADの評価が決まるといっても過言ではない。

アシ 三脚のこと。あるいは交通のこと。アゴ・アシ・マクラの手配などという。

頭合わせ インサート編集で、受け側のIN点に合わせて編集すること。

アッセンブルモード ビデオ編集のひとつで、番組内容順に必要な部分をマスターテープ上にタイミングを合わせて順次記録して行く方法。アッセンブル編集では、映像・音声・タイムコードとCTLを前のカットに引き続いて記録するため、テープの先頭部分にCTLを含む信号の記録が必要となる。

アップ クローズアップショットの略。人物の場合、肩から頭くらいをフルフレームで撮影するサイズのことをいう。

アドレス コンピュータの記録装置に書きこまれているデータの記録位置を示す数値。

アバンタイトル 番組の冒頭、タイトルの前に、その番組のための知識を視聴者に与えるためのミニ番組。

ありもの 自分たちの撮ったオリジナルに対して、ライブラリーなどの既成の映像。

アングル 被写体に対するカメラの角度。

アンビエンス 反射・反響などによる音の広がりや奥行感。臨場感。

【イ】


いかす 照明器具を点灯すること。または回路に電源を入れること。

イコライジング イコライザーを操作し、映像では高域のF特補償などを行なう。音声では音質をコントロールすること。

1インチヘリカルVTR 1インチ幅のビデオテープを使用するヘリカル走査方式のVTR。1フィールドの映像信号を1トラックに記録するノンセグメント方式と、数本のトラックに分割して記録するセグメント方式とがある。現在では一般的に1インチCフォーマットのことを指す。

位置決め セットや物の配置、セット上の出演者の位置や動きを決めること。

イッちゃん 1チャンネルの略。主にオーディオチャンネルを指す。チャンイチともいう。

イベント テープロックシステムで、各種の機器を制御するとき、発する制御信号の一つ。編集システムでは、1エディットの中に含まれる複数の制御項目のうちの一つ。

イマジナリーライン 同一場面で人物や物の位置関係、方向性などを、視聴者に混乱を起こさせないように定める基準となる想定上の線をいう。

イメージショット 作品のテーマを象徴したり、人物の印象を強めるためにのショット。番組のストーリーとは直接関係のないものが多い。

色の3属性 色は、色相、明度、彩度の3つの独立した要素から成る。

色分解プリズム 3板(管)式のカメラは、レンズを通った光を電気信号に変換する際、被写体に出来るだけ近い色再現を電気的に処理するため、R、G、Bの分光に対応する3つの撮像素子を使用している。したがって、入射光を電気系に対し適切なR、G、B成分の光に分割しなければならない。このために必要なのが色分解プリズムである。

インサート 連続している映像に、別の映像を挟み込む編集技法。または、別の音声を挟み込むこと。

イントレ カメラ位置を高くしたい時に使う工事現場の足場のような台。

インピーダンス 交流回路における抵抗分のこと。交流電圧と、交流の比で、直流回路の抵抗に相当するが、交流の周波数によって、その抵抗分は変化する。


【ウ】


ウエストショット 人物を撮影する時のカメラサイズのひとつ。腰から上がフレームに収まるサイズ。WS。ミディアムショットともいう。

ウソ明り 自然光重視のライティングで、光源からの光の方向性に反した光をウソ明かりという。

雲台 カメラを載せる台。通常は三脚の上部に取りつけられている、ティルトとパンの2方向の回転軸を持ち、機構によりバランスヘッド、カムヘッド、フリクションヘッドなどがある。

ウラ取り 裏付けリサーチをすること。取材対象者のコメントを鵜呑みにせず地道にウラを取るべし。



【エ】


衛星の食 放送衛星は太陽電池を用いるので、地球や月の陰に入った時、発電不能で放送が出来なくなる。
地球による食は、毎年春分、秋分を中心に前後6週間生じ、最大72時間継続する。月による食は部分食で継続時間も一定しない。

絵かぶせ 音を主体に編集すると、画的に見苦しい部分が出てくる。その部分に違う映像をインサートする手法をいう。

エキサイター 音の子音を強調して、音にメリハリをつけるエフェクター。

エキストラカット インサートなどの編集用の予備の映像。「ひろい」ともいう。

エキスパンダー ダイナミックレンジの拡大を行なう音声エフェクター。

エクスターナルキー スイッチャーなどの外部キー。DVCやカメラ、テロップなどからフォアグランドとバックグランドを合成するためのマスク信号を入力するスイッチや入出力端子やその信号のこと。

エクステンダー 被写体をより大きなサイズで撮影したい時、レンズとカメラの間に装着する変倍レンズのこと。

絵完パケ(画完パケ) 映像のみの編集、またはテロップ入力までの作業が終了した、MA待ちのテープのこと。

絵コンテ ドラマなどに使う、演出台本に書かれているト書きやセリフに基づいて、映像の構図を絵にして並べたもの。

エッジライト 被写体の斜め後方、または横方向からの照明。

エディット 編集。1編集単位。編集1カットのデータ。

エディットイン/アウト 編集の記録側の開始IN点・終了OUT点。

エディットデータリスト(エディットシート) 編集決定リストともいう。オンライン編集に必要な各種情報が記載された表。各カットごとに、そのカットが収録されている素材ロール番号、編集のIN点、OUT点、合計時間(マスタータイム)、DVEやOLなどの指示を記録する。

絵伸ばし 映像と音声のキュータイミングをずらして編集する手法で、インサートのひとつ。

エレベーション 照明プランの図面。または仕込み図。

【オ】

大宅壮一文庫 大宅壮一が収集した資料をもとに設立された会員制の雑誌図書館。http://www.people.or.jp/~oyabunko/

オーディオオンリー VTR編集時の音声トラックのみの編集をいう。

オーバーダビング OD。音楽録音で、収録されたテープにさらに音を重ねていく手法のこと。

オーバーラップ OL。編集技法のひとつで、2つ以上の映像を重ねながらつなげること。ゆっくりとOLしていくことを「深いOL」という、速いOLを「浅いOL」という。

おかま スクープライトのこと。美容室のパーマ用のおかまに似ている。

おさえ キーライトによってできた影の部分と暗い部分を補正するための照明。

音入れ MA作業のひとつで、音楽の録音。撮影中などに「ちょっとMA行ってくる」と言ったらおトイレのこと。


音打ち 音楽の打ち合わせ。


音残し 次のカットに音をこぼすこと。


オフショット インタビュー撮影などで、取材対象者を意図的に画面から外し、同席している違う人物や雑感を撮影する事。オフシーンともいう。


オフマイク マイクアレンジで、音源からある程度距離をおきマイクセットすること。


オフライン編集 オンライン編集(本編集)に先立ち、本素材を民生用のVTRにコピーしたワークテープで仮編集する事。ワーク編集ともいう。


おべた 照明器具のスタンドで、一番低いもの。おさらともいう。


音効 音楽効果。映像にBGMを選曲する人を音効さんと呼ぶ。


オンマイク マイクアレンジで、音源に対し近距離にセットする収音方法。


オンライン編集 本素材での、本番編集作業。本編集ともいう。

【カ】

解像度 映像装置のうち、映像系やディスプレイ系の画像の評価で、画像の微細な部分がどこまで再現できるかを示す分解能力。解像度はほぼ画素数で決定される。


画素(ピクセル) 画像の最小単位。画像はこのピクセルの2次元配列で構成され、縦方向と横方向のピクセル数を掛けたものを全画素数という。


肩ナメ 人物の後方から、肩越しに撮影する構図。


カットイン/カットアウト 編集点の開始点、終了点のこと。


カットバック 内容の対立したものを客観的に明確にしたり、心理的効果を狙ったモンタージュ手法として2つの場面の時間的切り返しを現在から過去へ、または過去から現在へ行なうこと。短いカットバックをフラッシュバックともいう。


ガバチョ ガムテープのこと。ガムテ。


上手 客席から見て、舞台の右手を「上手」(かみて)という。スタジオではカメラ位置から見て右手を上手という。ただし、英語では舞台上から見た方向を言うので逆になる。


カメアシ カメラマンのアシスタント。CA。


カメラサイズ 撮影する画面のサイズのこと。人物の場合、UP、BS、WS、FFなどの記号で表す。


カラーコレクター 映像信号の色補正を行なう装置。


カラーバー ビデオの調整を行なうための信号、またはチャートのこと。


からショット 背景だけで、人物が映っていないショット。数秒後に人物が入ってくる場合、待ちショットともいう。


完パケ 完全パッケージプログラムの略。番組として完全に仕上がり、放送できる状態のテープをいう。

【キ】


キーライト 主光線。人物に対する最も重要な照明技法。


技打ち カメラワークや照明などの技術的な打合せのこと。


消えモノ 撮影時に使用する、消耗品や食べ物をいう。


キャットウォーク 劇場や工場施設の上部、ダムや橋などの高所や大型貨物機、飛行船などに設置される狭い通路。猫走り。ファッションショーにおいてモデルが歩く客席に長く突き出したステージ。


キュー きっかけのこと。編集作業の中では編集点をいう。


魚眼レンズ(フィッシュアイ) 画角はほぼ180度。全天レンズともいう。


旭日マシーン オーロラマシーン。


ギロッポン 六本木


銀レフ 銀色の拡散反射板。太陽光やライトを反射させ、補助光を得るために使う。

【ク】


空撮 エリアルショット。航空撮影。

クルー 撮影隊。テレビでは、ディレクターを含めたロケスタッフ全員の意味。

グレースケール 白から黒までの無彩色を段階的に明るさの順に並べたチャート。

クロストーク 漏話。チャンネル間や回路間などの信号漏れ。

クロスフェード デジタル録音機において、パンチイン/アウトするポイントにクロスフェードをかけると記録されている以前の音と入力する音がクロスしてミックスされる。

クロマ 彩度。色の鮮やかさ。色度信号を示す場合もある。

クロマキー 映像の特殊効果。映像の色相成分から、特定の色相部分だけを取り出して、キー信号を作り、このキー信号によって2つの画面を合成する方法。

くわれる 主となる被写体より、周りのものの方が目立つこと。

【ケ】


ケラレ レンズの鏡筒により、レンズの周辺からの光が遮られ、画面の明るさが低下すること。または、フィルターなどを使用した場合、縁や枠が画面に出てしまうこと。

限界解像度 撮像素子の解像度を評価するひとつの尺度。テストパターンなどを撮影しモニター上で識別できるテレビ本数の最大値。

【コ】


効果音機器 音源の音色を変化させる装置。フィルター、エコー装置、遅延装置、フランジャーなどがある。

光学ガラス 特定の光学的性質をもつ均質なガラス。特に光の波長に対する屈折率によりK(クラウン)、F(フリント)など多くの種類がある。

光源色 光源そのものがもつ光の色。

光軸 光学系を構成する、たとえばズームレンズの曲面の曲率中心をつらぬく線。

構図 画面の中で、被写体を適当に配置し、ひとつのまとまったものにすること。

ゴースト 目的の映像に対し、不要なノイズ光をいう。

コードロック スレーブ機器などがタイムコードにシンクロした状態。

コールドミラー 干渉膜により、熱線を透過させ、可視光を反射させるミラー。

ごしショット 画面の手前側に人物やものをいれこんで撮影すること。肩ごし、花ごしなど。

コマ撮り 微速度撮影

コピーバック 音戻し。MA作業が終わったワークテープを放送用VTRに戻すこと。

ころがし 照明器具をフロアーやセットの台の上に、スタンドを使わずにそのまま置いて使用すること。

コンテ 撮影に必要な映像や音声に関する事項(セリフ、カメラ割り、効果音、スーパーなど)を記入した台本。

コントロール信号 VTRでは再生時のテープ走行速度とビデオヘッドの回転位置との関係を、記録時の関係にあわせるために必要な信号(CTL信号)

コンバージョンフィルター 色温度を変更するためにフィルター。

コンプレッサー ダイナミックレンジの圧縮を行うための音声エフェクター。

コンポーネントビデオ信号 コンポジットビデオ信号に対して、輝度信号(Y信号)、色差信号(B−Y、R−Y信号)同期信号(S信号)などそれぞれ単独の信号を組み合わせて使う信号形式。

コンポジットビデオ信号 複合映像信号。映像信号、バースト信号を組み合わせた信号。


彩度 色の3属性の1つで、色の鮮やかさを示す尺度。

サイドライン 横から当てる照明。測光。

サイトライン 劇場における観客の視線をいう。劇場設計および明かり合わせに非常に重要な要素である。

サイドローブ 主放射に隣接する副放射をいう。

サイレント 音なしで撮影すること、またはその作品のこと。

サスペンションライト 照明器具を真下に向けて照明することをいう。サス(SUS)ともいう。

サチュレーション 彩度、飽和度ともいう。彩度の高い色は強烈な色、生き生きした色の感じ。彩度の低い色は、薄く弱々しい色の感じ。

サチる 映像レベルが極端に高くなると、ハイレベルの部分が映像アンプでカットされ白つぶれの飽和状態となり、階調不良となる現象。飽和状態となることを”とぶ””とんでいる”ともいう。

撮像素子 カラーカメラの撮像素子としては、撮影管を使用した3管式や単管式、また個体撮像素子を使用した3板式や4板式、単板式がある。

座布団 タイトルやアドレスのテロップのベースとなるカラーパターン。

サラウンド マルチチャンネル音響。ステレオフォニックでは表現しきれない定位感や奥行感、音に包まれる感覚を再現する。

三脚 カメラを載せて固定し撮影するための3本の脚部から成る機材。通常は雲台と組合わせて使用する。

残像 被写体が動いたとき、元の位置に象が尾を引いて残る現象。

サンプラー 音声をサンプリングして音源とする機器。MIDIコントロールなどにより発音する。

地明かり 舞台やスタジオ床面を均一に照明した明り。

シーケンス 連続した映画やテレビの映像で、ある程度まとまった部分を指す。ショット(カット)の集まりがシーンとなり、シーンの集まりがシーケンスとなる。

ジェネレーション テレビジョン信号を電子編集などでビデオテープからビデオテープにコピーすることで、信号は転送される。

色差信号 RGBの3つの信号から輝度信号成分を除いた信号。したがって、色差信号には明るさの成分は含まれていない。

色相 色は赤、紫(マゼンダ)、青、水色(シアン)、緑、黄色などのように分類されるが、このような”色み”を色相という。

色度信号 色情報をもった信号で、3.58MHzのサブキャリア(副搬送波)を強調して伝送されるので、カラー信号の周波数は3.58MHzといえる。

シークエンス シーンとシーンのつながり

指向性 アンテナから放射される電波の強度が方向によって変化する性質をいう。

シースー 寿司

シータク タクシー

下見 ロケハン。事前に撮影する場所や中継する現場にいき、条件を調べること。撮影する内容、カメラポジション、照明条件などはもちろんのこと、電源確保の方法、駐車位置、水、食料の確保まで、あらゆることについての調査、確認が必要である。

シネマスコープサイズ 画面の縦横比が 1 : 2.35のものをいう。ビスタサイズより横長サイズとなる。

下手(しもて) 客席から見て舞台の左手のこと。カメラ位置からみて左手のこと。

シャッター 撮像面に光が当たる時間をコントロールすることで露光を調整する機構。

ジャンプショット 同一動作、同一サイズ、同一方向のショットをつなぐと動作、イメージの連続性を損なってしまう。このようなつなぎになるショットをいう。

順光 カメラ方向から照明される光。人物照明ではベースライト効果が得られるよう照らすことが加わる。

順取り ドラマ等の撮影において、カットの順、あるいはシーンの順に撮影していくことを、特に「順取り」と呼ぶ。

照度 受光面の光の量。

ショックマウント マイクの防振装置、ホルダー。

ショット 日本では「カット」と呼んでいるもの。切れ目のない連続した映像のつながりをいう。

白キズ CCDにおいて入射光のレベルにかかわらず、光電変換ができない欠陥画素をいう。画面には白いキズ状に見えることからこの名前が付いた。

シンクジェネレーター 同期信号発生器。

シンクロナイザー VTRとテープレコーダーなどをタイムコードにより同期走行させる機器。

深層記録 一般のVTRの記録条件のもとでは、低周波信号はテープ磁性層の深層まで磁化し記録することができる。

【ス】

スイッチャー 番組制作上、複数の映像を切り替え、連続した映像を作る技術者を指す。(SW)または、テクニカルディレクター(TD)が兼務する。または、映像混合増幅装置のこと。

スーパーインポーズ 画面合成のひとつで、2つの画面を重ねて一画面を作ること。文字を重ねる場合が多いため、テロップ=スーパーと表現されることが多い。

ズームフォロー 人物など、動く被写体をズーム操作でサイズを修正しながら撮影すること。

ズームレンズ 連続的に、焦点距離を変化させることができ、しかもピントズレを生じない機能を持ったレンズのこと。

スカイライト 天空光の代用として使用するスタジオ用大型照明器具。大面積をフラットに照明する場合に用いる。

スクリプター 脚本作家。あるいは監督の助手で、撮影現場の演技のつなぎや状況を記録する係。記録。

スタッフドライ スタッフだけで、役者の位置やセット状況を確認するリハーサルの一種。

スチル再生 ビデオテープに連続記録された映像信号の1コマ分を静止させて再生すること。

ストーリーボード ノンリニア編集で、各クリップ(カット)の冒頭の静止画像をディスプレイ上に筋書き通りの順番に並べて表示した画面。

ストロボ撮影 ビデオカメラは1フレームが1/30秒に対して、ストロボの発光時間は1/2000秒と極めて短いため、速い動きの被写体でも画面上ではほとんどブレることもなく、鮮明な映像が得られ、運動の解析等では大いに威力を発揮している。

スピル 被写体あるいはホリゾントなど、必要としないところに光が漏れること。漏れ明かり。


【セ】

セイムサイズ(同ポジ) カットを同ポジ、同尺でインサート編集すること。

接写 小さい被写体を拡大撮影すること。それほど小さいもので無ければ標準レンズの前玉にプロクサー
(クローズアップレンズ)を装着したり、レンズのマクロ機構を利用して撮影することも可能。


【ソ】

双指向性マイクロホン 両指向性マイク。指向性が8の字をしている。

ソース ビデオ・音声作品の素材。スイッチャーやミキサーの入力信号。

素材変換 異なったテレビ方式、あるいは異なったVTRフォーマットで記録されたビデオテープを、標準のテレビジョン方式に統一して変換すること。

空幕 スタジオで、ホリゾントの代わりに使う幕のこと。

ソラリゼーション デジタル化された映像の輝度信号、または色信号の特定のビットを意図的に抜き去って階調を粗く間引くことにより、画像の輪郭を強調しギラギラした画を作り出す機能



ダイナミックレンジ 撮像ディバイスが、取り扱うことのできる被写体の明るさの範囲をいう。

タイトショット 画面に隙がなく被写体を強調できるようサイズを少しあげたショット。記号では「TS」

タイムコード VTRによる電子編集を行う場合、VTRテープの位置情報を知り、正確に制御することが必要となる。カウンターとしてタイムローラーを使ったテープタイマー方式、コントローラートラック信号を使ったコントロール信号カウント方式があるが、いずれもロールごとにリセットする相対位置情報であり、またスリップや信号低下による誤差が発生する、これに対して、キュータラックあるいは音声トラック、映像ブランキングに時刻アドレスをきろくすることにより、フレーム単位で絶対位置を知ることができる。

ダイレクトボックス 電子楽器や民生機器の音声出力を電気信号のまま直接ピックアップする。トランスを使ったパッシブ型とFETアンプを内蔵したアクティブ型がある。

タイムライン ノンリニア編集で、編集されたクリップ(カット)の並び順を一本の時間軸上にその順番通りに表示する機能、あるいはその表示画面。

たこ 照明分岐用コード。2股、3股などがある。

タッチライト アクセントを付けるための照明。音楽番組の照明ではホリゾントやセットなどによく用いられる。

縦パン 縦にカメラをパン(ティルト)するカメラ操作のこと。

種板 スライドプロジェクターやエフェクトマシーンに使用される投影用の原板で、材料はガラス板、雲母板、アルミ板が使われる。

ダビング 映画やテレビ、ラジオの番組制作において、2つ以上の音や画面を再生し、混ぜ合わせて1本にまとめ、収録する作業をいう。

単一指向性マイクロホン カーディオイド。ハートの形をした指向特性をもつマイク。


中継車 数台のカメラ、映像切り替え卓、音声ミキシング卓、連絡用無線機、FPU装置、VTR、ケーブル、各種モニター、発電器などを装備し、局外での番組制作機能を備えた車両。報道、スポーツ、舞台中継などの番組で活用される。

超指向性マイクロホン 遠くの音を明瞭に収音できるマイク。ショットガンマイク高周波型のものやマイクユニットを複数使用したアレーマイクなどがある。

調相モード マスターが再生速度に近づくと、スレーブ側も再生モードになり、タイムコードにより精密に時間が一致(テープ位置が一致)するように速度の微調整を行うモードのこと。

ちらつき 明るさが周期的に変化することで、フリッカーともいう。


【ツ】

ツイキー キツイ
ツーショット 人や物を撮影する場合、2人または2個で画面構成したもの。

つけパン 動く被写体を、カメラをパンしながら撮影すること。フォローパンともいう。人物をつけパンする場合は、目線の方向を少し空けてフォローすると進行方向がハッキリする。

つなぎ撮り 「編集撮り」ともいう。すでに録画されている画の後にノイズの乱れがなくつぎの画を録画する方法。

吊込み 照明プラン図に基づいて、指定の照明器具を指定された位置に吊り下げること。


【テ】

ディエッサ 音声エフェクター。スピーチやボーカルの気になる子音成分を押さえることのできるリミッターの種類。

デイシーン 昼間をイメージした場面。夜ならばナイトシーン。


ディゾルブ(ディゾる/オーバーラップ/OL) 画面切り替え技法の一つ。フェーダー操作によって、前の画面のフェードアウトと後の画面のフェードインを同時進行させつつオーバーラップさせると、前の画面が徐々に消え、後の画面がしだいに見える効果が得られる。

ディテール ディテールの本質は、別に解像度とか鮮鋭度とも呼ばれる。再現される画素の数に依存しており、画像の細部まで明確にわかるためには、多数の画素の情報が再現される必要がある。

ティルト カメラアングルや照明の光軸を縦方向に動かすこと。上方向はティルトアップ、下方向はティルトダウンという。

ディレー 遅延装置。映像遅延線。音声デジタルディレー。

ディレクター 番組制作の演出担当者。映画では映画監督に相当する。

テープノイズ ビデオテープから発生するノイズは、消磁されているテープを再生したときに発生する「消磁ノイズ」と、信号を記録したテープを再生したときに生じる「テープ変調ノイズ」に大別できる。

デジタルVTR 音声のみならず映像もパルス符号変調(PCM)によりデジタル信号に変換され、変調器(記録符号器)によって高密度磁気記録に適した信号として記録されるVTR。デジタル録画では記録・再生系の歪みや雑音がある程度あっても、正確に元の信号が再現できるため高画質であり、多数回ダビングしても画質劣化が少ないこと、無調整化、保守の容易さ、機器の信頼性の向上などが期待できる。

デジタルビデオプロセッサー 映像信号をデジタル信号に変換して、画面の拡大・縮小、転倒、ワイプ等の他、各種の映像処理効果を行う装置。商品名。

デジタルベーカム NTSCおよびPALのコンポーネントVTRとして、ベータカムをベースとしてソニーが開発したVTR。コンポーネントビデオ信号と4chのオーディオ信号をデジタル化してヘリカルトラックに記録している。

デジタル放送 放送を伝える電波の形式がデジタル方式の場合はデジタル放送という。テレビ放送システムは番組の制作、送出・送信、受信の系統から成る。この中で単体機器のデジタル化はかなり進んでいる。次の段階は放送電波のデジタル化でデジタル放送が実現する。

デッドルーム 室内残響音の少ない部屋。

てっぺん 

デフォーカス効果 フォーカスの合った映像をフレームメモリー内でフィルターをかけることにより、純電子的にボカす効果。

手持ち 三脚などに載せずにカメラを手でもって、または肩に担いで撮影すること。

ディレーションタイム イベントタイム、1編集単位の長さ。ディゾルブやワイプの効果時間長。ラップタイムともいう。

てれこ あべこべ、くい違い、入れ違いなど順序が反対になること。もしくは反対にすることの総称。


【ト】

同期走行 2台以上の録音機を同時に運転する場合、各機が同じ速度で走行しなければならない。この場合にタイムコードなどを使って同じ速度で走行させることを同期走行という。

同軸ステレオマイクロホン マイクの1つのカプセル内に2個のダイアフラムを格納したステレオマイク。ダイアフラム間の相違差がないため定位感の良い収音ができる。

ドキュメンタリー 英語での本来の意味は記録とか証拠。現実の事象を素材として撮影するものであるが、単に事実を記録するだけでなく、現実やその意味を追求する制作手法のこと。

トップライト 被写体のほぼ真上からの照明のこと。

ドライリハーサル カメラを使用しないで、それぞれのスタッフ立ち会いのもとで行うリハーサル。各スタッフにはこのリハーサルで役者の演技を確認し、それぞれの表現手法を考える。


トラック テープ及びディスクの映像、音声などが記録されている帯。

トラックダウン マルチチャンネル録音された音をミックスし、2chなどに落とすこと。マルチマイク収音で演奏を直接2chなどにする事はトラックダウンとは言わない。

ドラテ ドラフティングテープの略。

ドリー カメラを被写体に接近させたり遠ざけたりして撮影する手法。カメラを載せる三脚や台車を載せるキャスターの事を意味することもある。

ドルビーサラウンド マトリックスサラウンドの一方法で、2chでの伝送が可能。LRの位相成分によっては偽サラウンド信号が発生する。

ドロップアウト VTRでは、ビデオテープ上の磁性体が剥離したり磁性面にゴミなどが付着している場合に、再生RF信号の一部が欠落したり低下したりする現象。

ドロップフレームモード SMPTEタイムコードのNTSC方式における運用モードの1つ。実時間とのズレを補正しながら運用するモード。

どん レンズサイズの上限、下限など、それ以上は到達できない領域のことをいう。望遠側が「どん」であるというと、これ以上はレンズの焦点距離の関係でサイズアップできないということ。


【ナ】

ナイトシーン 夜をイメージした照明場面。ナイトシーンをプラニングする場合の想定光源は、日常生活に置ける人工光源や月明かりが主となる。

中落ち スポットライトの配光特性において、光軸の中心線より周辺の照度または光度が高くなる現象をいう。中ボケともいう。

長玉 標準レンズよりも長焦点の望遠系レンズ。長玉を使うことにより、人物撮影では背景をボカす効果が得られる。

生テープ(バージンテープ) いかなる信号も全く記録されていないテープのこと。

なめる(なめショット) 主たる被写体を画面の奥に配置し、手前に別の被写体を配置することにより構成された画面。

ナレーション 画面に登場して語るのではなく、画面の外から映像について解説や説明をすること。ドキュメンタリー番組では、映像の補足説明のほかに、制作者の意図を表現するという目的を持つ。

なんきん(南京)結び ステーをとるときなどに使うロープの結び方をいう。しっかり固定でき、ゆるまず、しかもときやすいので便利。


【ニ】

ニーショット 人物を撮影するときのサイズの一つ。ひざから頭までが入る大きさの画面サイズをいう。


【ヌ】

ぬく(抜き撮り) ロングショットの画面ではここの特徴がよく説明できないような場合、サイズを上げた画面をショットの中に挿入すること。

ぬずむ 実際の被写体とカメラの位置関係ではうまく撮影できないような状況で、本来あるべき位置から被写体を動かして撮影すること。


【ノ】

ノイズゲート 微少レベルの音を通過させない回路。

ノイズリダクション コンプレッサー/エキスパンダーを組合せSNやダイナミックレンジを改善する装置。

ノーズライン 人物の鼻の方向を示すライン。

ノンリニア編集システム 従来のVTRによるリニア編集システムは、基本的に素材のプレーヤーと編集制御部(映像・音声信号の加工機能を持つ)とレコーダーで構成され、レコーダーを必要としない。通常、リニア編集で行われるように、編集の結果を記録側媒体にダビング記録する必要はない。

 


【ハ】

バーコード 白線と黒線とで価格などの情報を表すシステム。13個の一定幅の白地と2種類の黒線の組合せでコードを示している。

ハードキー 画面の大部分の面積を明部と暗部で構成される中間調の少ないトーン。メリハリのある硬い調子の映像。

ハーモナイザー 音声エフェクター。入力音を上下にピッチシフトし加えることにより、コーラス効果が得られる。

ハイアングル 撮影対象に対して、高い位置から撮影するカメラポジション。

ハイキー 明るい部分が多く、この明るさを引き締めるために部分的に暗いところを配置した画面。

ハイスピードカメラ 人間の視覚ではとらえられない速い動きの被写体を撮影するためのカメラ。

ハイハット 雲台と三脚の間にセットした三脚の伸縮以外にカメラの高さをアジャストする円筒形のアダプター。ローポジドリーを使うときにカメラの高さをアジャストする円筒形のアダプター。

ハイビジョン 高精細度テレビ(high resolution television)からとった愛称。HDTV(High Definition TV)と呼ばれる高品位TVの1つの規格。

ハイビジョン(ビデオ)カメラ 現行方式(NTSC)カメラに対して、ハイビジョンとしての解像力をもち、ハイビジョンの映像信号出力が得られるカメラをいう。

バウンスライト 光源からの直接光を使用せず天井・壁・レフ版などを用い、拡散された反射光をいう。間接光はバウンスライトを活用したものが多い。間接照明ともいう。


ぱかつき 画面全体の映像が瞬間的に明るくなったり、暗くなったり変化すること。

パターン 図形や説明文を硬いボードなどに固定し、カメラで撮影しやすいようにしたもの。民放ではフリップと称する場合もある。これはパターンをめくる動作をフリップというところからきている。

パターンキー あらかじめ設定されているキー図形を選択し、その図形で画像を抜取り、その部分に別の画像をはめ込む合成。

バックイン/アウト 終集点レジスターにある編集IN点とOUT点のタイムデータを作業用のレジスターへ転送すること。

バックトーク スタジオ出演者側から副調PDへの連絡システム。

バックライト 被写体の上部後方より被写体の背面に光を投射し、被写体の輪郭を背景から浮立たせ、髪の毛につやを与えるなど、立体感、質感をつくる光。

パッチ 曲面を数学的に記述する場合の基本的な曲面素のこと。曲面は、いくつかのパッチを滑らかに接続することにより定義する。

パッチング盤 パッチベイ。映像・音声入出力をパッチングコードによりつなぎ込むジャック盤。

場見る(バミル) 撮影対象者の立ち位置をマーキングすること。

ばらし かたづけること。

ばれる 撮影対象物以外の、できれば映したくないものが画角に入ってしまうこと。

ハレーション カメラレンズに視野外から強い光が入ることによって画像のコントラストが低下したり、大小の予定外の像が画面内に生じる現象。また映像効果として意図的に発生させることもある。

パン(パンニング) カメラの向きを意図的に変える動作をパンという。もともとは横方向の動作のみをパンと称していたが、現在では上下方向の動作も含めパンということが多い。照明では、照明器具の光軸の向きを左右に振ることをいう。
パン棒 カメラのパン・ティルトなどカメラの向きを上下左右に変えるための棒。カメラの向きを変えるための操作棒。

 


【ヒ】

ピーキング イコライザーの調整カーブ。Qと周波数を調整できるものもある。

火入れ @夜景の遠見のセットに電灯がついたように明かりを仕込むこと。
A小道具の電灯や電気スタンドなどに電源を供給すること。
B機器に電源を入れて動作させること。

引く 特定の画面サイズより、より広い範囲を写し込むように、カメラ位置を後退させたりズームレンズの焦点距離を短くする(ズームバック)こと。サイズをルーズにすること。

ビスタサイズ 画面の縦横比が1:1.85のものをいう。

ビデオエンジニア カメラや映像機器の操作、運用の専門技術者。VEと略す。

ビデオオンリー 映像と音声を切離して、映像のみを編集すること。

ビューファインダー 被写体の構図やピントを合わせるために、実際の撮影画面と同じ画面をのぞけるようにした、いわばのぞき窓。

ひろい →エキストラカット

ピン ピント、フォーカスのこと。ピンがあまいといえば、ピントが少しぼけていること。ジャスピンはピントがよく合っていること。

 


【フ】

ファーストエディット アッセンブルモードで編集を行おうとするとき、レコーダー側のテープ上で、最初のカットのIN点に先行するプリロール部分にあらかじめVTR制御の基準となるCTL信号(タイムコードが必要な場合もある)を記録する編集操作。
フィックス カメラを固定したまま、かつ画像も固定したままで撮影すること。

ブーム マイクスタンドの一種。ストレートスタンドにアームがついたもの。

フォーカスイン 徐々に焦点を合わせて目的の被写体を明確にすること。

フォロ−フォーカス 連続したショットの中で、対象の動きに応じて連続してフォーカス送りをすること。

フットライト 被写体の下方から当てる照明光。人物照明ではフットライトを強く当てると怪奇な感じを与える。

フラグ 照明器具の1つで旗状の遮光物。長方形の枠に黒い布を被せたものが多い。

プラグ 電源を接続するための端子で、オス側をプラグ、メス側をコンセント、ポケットなどという。照明器具ではA型、C型、D型などがある。

ブラックライト 紫外線ライト。

フラッシュバック 複数のできごと、現象をきわめて短い時間内に交互に、連続的に繰り返すカットのつなぎの手法の1つ。繰り返す時間がそれほど短時間でなければカットバックという。

フラッター 平行した壁面や天井と床の間で、その間隔に応じた波長の定在波がたつ。これは、いわゆる泣き竜といわれる現象で、特定の音が時間的に遅れ、さらに重なって聞こえるためにフラフラとした音に聞こえる。このような現象をフラッターという。

フリーズ テレビ画面の動きを止めること。

プリセット 複数の照明回路と調光装置のチャンネルがパッチされ、照明回路の出力レベルが事前に設定されること。

フリッカー 画面の全面または一部で出力信号がフィールドごとに交互に変化し、ちらつきを生じる現象をいう。

プリロール 編集機器の制御や動作の安定のために必要なテープ助走部分、プリスタートのためのテープ助走部分をいい、プリスタート点へテープを巻き戻す制御をプリロールするともいう。

フルショット 被写体の部分ではなく全体が画面の収まっているサイズのこと。人物撮影では全身が画面に収まるサイズ。

フレア カメラに光が入射すると、レンズ、プリズムなどの光学系、撮像管面(撮像仮面)での乱反射によって映像信号の黒レベルが持ち上がり、画面全体が白っぽくなる現象のこと。

フレーミング 画面の構図を決めること。

フレームアウト 画面内の被写体が画面外に外れること。たとえば動く被写体のフォローをやめること、被写体は画面からフレームアウトする。

フレームイン 画面外の被写体が画面内に現れること。たとえば、背景だけの画面に出演者が歩きながら登場するような状況のこと。

プレビュー 編集のつなぎ目を確認するために、編集記録に先立ち編集装置を制御して編集記録実行時と同様の編集動作を行わせること。

フロアーディレクター プログラムディレクター(PD)を補佐する演出助手。

 


【ヘ】

平行光線 太陽のように無限遠点に存在する光源。平行光線による照度は光の入射角のみにより決定される。

ページめくり効果 DVE効果の1つで、圧縮と伸長であたかも本のページをめく

 


【ホ】

方式変換 異なるテレビ方式に変換すること。現行放送では、大きくNTSC、PAL、SECAMの3つの方式がある。HDTVでは、日本のハイビジョンのほか、ヨーロッパ方式、アメリカ方式が考えられており、これらのテレビ方式間の変換をすることにより、番組交換が可能となる。
>
方調 マイクロ波伝送のときに行う送・受信アンテナの方向調整の略称。受信機ヘッド(高周波部)にあるBL(Before Limiter)計の振れが最大になるようにアンテナの方向を調整する。

ボサ セットに使う雑草類のこと。

ポストプロダクション 編集を行う会社のこと。〔例〕イマジカなど。

ホリゾント cycloramaともいう。劇場のステージの奥に設けられた白い壁。スタジオ周辺に設けられた白い壁。照明を当て、空、無限の空間を表現する、またタッチライトなどの効果照明のスクリーンとして利用される。壁の上部垂直なものをルントホリゾント、湾曲したものをクッペルホリゾントという。

ホワイトバランス @ある色温度の光源で照明された白い物体を撮像したとき、これに対するカメラのエンコーダー出力はサブキャリアがない状態(電気的無彩色)でなくてはならない。いろいろな色温度の光源に対して、サブキャリアがなくなるように各チャンネルのゲインを調整することをホワイトバランスをとるという。

Aカラーマスターモニター調整のうち、基準の黒と白を設定することをホワイトバランス調整という。

ポン引き アップショットの画面から続いて同アングルのルーズショットの画面にすること。逆をポン寄りという。ポン引きやポン寄りは画面切り替えが単調に見えるので嫌われることが多い。

 


【マ】

マークイン/アウト 編集点の決定方法の1つで、VTRテープの現在位置のタイムコード値を読みとって現収点データとする方法。カットIN点をマークイン、カットOUT点をマークアウトという。

マイクロスコープ 顕微鏡のこと。

前玉 レンズの入射側、先端のレンズのことを指す。工学的にはフォーカスを合わせるレンズ。

前ピン 被写体の手前にピントが合っていること。後ろに合っている場合は「後ピン」という。

マスター シーンを構成する上で、最も基本となるショットのこと。

マスターテープ 編集システムで、収録側のVTRテープをマスターテープと呼ぶ。連続CTL信号やブラックバーストなどの編集記録の土台となる基準信号が記録されているテープに限定してマスターテープと呼ぶこともある。

マッピング ある画面の一部に別の画像を張り付けること。3次元の物体の表面に2次元の模様を張り付けること。

マルチ画面効果 1つの画面の中を複数の画面に分割し、それぞれの小さな画面の中へ同一の画面または別々の異なった画面を縮小してキー合成で張り付ける画面効果。

マルチトラックレコーダー MTR。音声多チャンネル録音機。

マルチレコード機能 編集において、複数のVTRを収録VTRとして指定し制御することのできる機能。

 


【ミ】

見切れる 画面に入れたくないものが映り込んでしまうこと。セット撮影の場合、セット以外のものが写り込んでしまうこと。

見た目 役者が見たと思われる映像をカメラで擬似的に撮影すること。見た目ショット。人の見た目のほか、鳥の見た目、犬の見た目など。

ミディアムアングル ハイアングルでもなくローアングルでもない、被写体の目線とほぼ同じ高さの最も素直で基本的なアングル。

ミディアムキー 全体に明るい部分、暗い部分の面積が平均しているトーン。

見てポン MA作業時など、映像を再生しながら、イベントキューなどを打ち込むこと。

 


【メ】

目線 人物の見ている方向。対談や座談会では出演者の1S(ワンショット)でもその人物の位置がわかるよう、目線の方向、目線方向の余白の開け方などに留意して撮影しなければならない。このように目線方向によってお互いの位置関係を混乱無く伝えるように映像を整えることを、「目線合わせ」という。

 


【モ】

もぐる 映像の黒い部分の階調が充分でなく、ディテールが見えなくなること。


モジュレーター テレビジョンの場合は、映像信号をAM、FMなどに変換する装置をいう。モニターでは、I、Q変調、直角2相変調、リング変調などが密接な関係にある変調のこと。

 


【ヤ】

八百屋 たとえばものや本を並べて撮影するとき、水平に台を置いたのでは撮影じづらいため、台を傾斜させることを言う。八百屋の野菜を並べる台が傾斜していることから、台を傾斜させることことを「八百屋にする」という。

やりくり/やりくり編集 同一テープ(ロール、リール)上に収録されている2つの素材カットをABロール編集する事はできないので、どちらかの素材カットを別テープにコピーすること。ノンリニア編集では、同時平行に時間分割で2つの素材を高速読み出しができるので、このような場合でも、やりくりの必要がないシステムが実現されている。

 


【ユ】

ユーロビジョン ヨーロッパ放送連合が運営する西ヨーロッパ諸国間ニュース番組交換網。


【ヨ】

横パン カメラを水平方向にパンすること。垂直方向に操作すること(ティルト)を「縦パン」ということに対する言葉。

よだれかけ 人物への照明で起きる、あごの下から胸当たりにできる人物の影をいう。この影はバックライトがトップライトのような角度になると生じやすい。

予備編集 素材整理のために行う粗編やオフライン編集のこと。

寄りサイズ サイズを上げたショット。サイズを下げたショットは「引きサイズ」


【ら】

ライティングディレクター LDと略称する。番組制作の映像管理を含む照明の担当責任者。

ライトオペレーター LOと略称する。LDの指示を受けて、照明のセッティグ、照明操作卓の操作などを行う人。

ライブルーム 反射音、残響音などが多い部屋を言う。逆に少ない部屋をデッドルームという。

ランスルー 本番どおりに連続して行うカメラリハーサル。途中で進行を止めながら行うものは「ブロッキング」という。

【リ】

リアクションショット 撮影の対象となっている人物の言動や事象に対する周囲の人物の反応を撮影すること、または撮影したショット。

リアクションタイム オン・ザ・フライで編集点を止める場合、編集者はスイッチング動作時、1拍遅れてしまうことが多い。この1拍の遅れ時間をリアクションタイムといい、人によってそれぞれの長さが異なる。

リテーク 撮り直し。

リニア編集 ノンリニア編集の出現後に、従来のVTRによる編集をリニア編集と呼ぶようになった。VTRテープは、カット位置への頭出しを行うときにプリロールや早送り、巻き戻しなどのリニアな動作と時間を必要とするメディアである。瞬時に素材カットを選択し、再生出力することができないので、かならず素材再生プレーヤーと編集結果を記録するレコーダーが必要である。 →ノンリニア編集

リバースショット 最初のカメラポジションに対して、反対側のポジションからのショット。逆打ち、切り返しショット。

リバーブ リバーブレーター。残響付加装置。

リフレクターランプ 白熱電球や放電ランプのガラス球内面に反射装置を付け、配光に指向性を持たせたもの。

リボン型マイクロホン ベロシティマイク。両極の磁界の中にひだ状のリボン(ダイアフラム)が吊り下げられ、音圧により振動し電磁誘導により電気出力が得られる。構造上、双指向性が得られる。

リミッター ピークリミッター。コンプレッサーの動作レシオを無限大にした状態。

リムライト 半逆光的な方向の光で、人物照明では立体感や髪の毛のディテールを強調するために使用する。


【ル】

ルーズショット 被写体を画面いっぱいギリギリに撮影するタイトショットに対して、被写体の周辺に充分な余白を残したショットのこと。


【レ】

レール 移動撮影に用いられる、鉄道と同じような2本のレールを指す。撮影用には鉄製で、レール幅62pのものが広く使われている。移動台車やクレーンを載せ、滑らかな移動が可能である。

レックラン タイムコード発生器で、VTRが記録状態にあるときだけタイムコードの歩進を行わせるモード。VTRが記録状態にないときは直前の記録が終わったときのタイムコード値を保持している。

レビュー 1つのカットまたは一連のカットの収録や編集が終わった後で、その結果の確認のためにその部分を再生してチェック、試写を行うこと。リプレー(Replay)ともいう。 →プレビュー

レフ板 反射光を利用して照明するための道具で、屋外の撮影の時、スポットライトや太陽の光を反射させ、影の部分の明るさを補う。反射光のために反射率の高い銀紙、アルミ箔または布板が利用される。

レンダー 役作り、描写、翻訳などの意味を持つが、ノンリニア編集システムでは、映像の特殊効果などの映像処理が実時間で実行できないとき、事前に時間を掛けて特殊効果処理を行い、その結果をいったんメモリーに記録しておき、後でその映像を新たな素材として利用する処理。

レンダリング 精密な画像を作成すること。2次元あるいは3次元のコンピューターグラフィックス技術により、現実感ある画像を生成するもので、コンピューターレンダリングともいう。またレンダリングのためのソフトウェアをレンダラーという。


【ロ】

ローリーホリゾントライト ホリゾントを下部から照明する器具。アッパーホリゾントライトに対向するように設置されている。

ローキー 画面の大部分が暗いトーンで仕上げられていて、対象の一部だけがハイライトで強い明暗のコントラストがつけられている照明法。ハイキーの逆。

ローポジハット 雲台と三脚の間に入れ、カメラの高さを調整するハイハットを板などに直接固定してローポジション撮影ができるようにしたカメラ固定台。

ロケハン ロケーションハンティングの略。ロケ現場の環境や照明の条件等を確かめ、作品のテーマに最もふさわしい撮影アングルやポジションを下見すること。現場の人々とのコミュニケーションも、大切な要素の1つである。ロケハンの善し悪しが後のロケの能率を大きく左右する。

ロングショット 全体状況をわからせるショット。セット撮影の場合、見切れがなく一番広く撮れるショット。記号はLS。


【ワ】

ワークコピー 本編集用の元素材テープの映像と音声とタイムコードをそのままオフライン編集用の簡易VTRのカセットテープ(ワークテープ)にコピーすること。タイムコードは、VITC信号またはLTC信号として記録され、同時に画面上にタイム値とユーザーズビット値がスパーインポースされる。

ワークテープ ワークコピーでできあがったオフライン編集作業用の素材テープ。中間作業用テープ。PDオフライン編集用テープ。MA作業用マルチテープ。通常民生用VTRのカセットテープが使われる。

ワイド 焦点距離が短いこと。ワイドレンズの略。広角。

ワイドコンバーター ズームレンズの全面に装着することで、ズームレンズの焦点距離範囲を短い方向にシフトさせる補助レンズ。

ワイプ テレビや映画の画面切り替え技法の1つ。画面をある部分からぬぐい去るようにして消していく。その形から、上下、左右、斜め、丸、格子など多数の種類がある。

わらう 片づけること。セットなどに飾ってある小道具や植木を撮影の都合で取り除いてもらう場合、「わらってもらう」などという。

ワンショット 1人または1つの物を、画面の中心に捉えて撮影したショット。